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四季の企画室 野の 福田商店

<レポート>季ぐらしの養生歳時記 長月編

2020.10.05 08:00

季ぐらし?養生?歳時記?得体のしれない催しでは?と疑問を持てられている人のために、長月編のレポートを作ってみました。季節とともに暮らすことで、心おだやかになってみたい方は、ご一読くださいませ。

この催しの趣旨は、

季節や暦のことを知ってもらい、

五感で味わってもらい、

日常に活かしてもらうことなんです。


「見つめる」

「感じる」

「触れる」


その前に「知る」ことで、

行動の奥行が広がり、

季節とともに暮らせるようになり、

私たちは心がおだやかになるはずなので。


店主は、それを経験済みだから。


例えば、

秋だなあ

と思えることが、

めちゃくちゃあります。

そのたびに心地よくなっています。


講師は、

俳句歴20年、

大学卒業時から、

言葉をあやつる職業にも

就いている店主。


なので、こんな冊子を

お渡しすることからはじまります。

そこの最初のページには、

下記の言葉を添えています。

季節とともに暮らす、季ぐらし。  

空を、山を、木を、草を、花を。 風を、

空気を、香りを、そして、生きものを…。 

 それぞれの移ろいを見つめ、感じること。 

例えば、花や草木は、前触れなく咲いたり、

実ったリはしないもの。 

陽の光や気温、雨風等の影響を受けて、

少しずつ、少しずつ、生長しいくもの。 

毎日、毎日、様々な移り変わりを眺めていると、

心が休まると同時に、満たされていき、 

いつのまにか、おだやかな自分になっていることに気づきます。 


 それが、養生なのです。 



今回、長月編のテーマは、栗と月がテーマでした。


能勢といえば、栗。

特産ですから、外せません。

毎月、その季節の恵みに触れて

味わっていただけるように企画しております。


雪月花」という

自然美の代表を

表す言葉がありますが、

月は、秋です。

なので、歳時記の世界を

こまやかに紹介しました。


月といっても、様々な季語がありますから。


こんなふうに、

毎月、味わってもらいたい題材を詳しく。



ということで、

長月編は、栗拾いから!


実は、当初予定していた

安田ふぁーむの栗林では

栗が落ちていない!

(次の日、たくさん落ち出したと…)


そこで、地元の方の栗山へ変更。

前日の催しでもお世話になった方のもとへ。


能勢原産の銀(お金)をかつて寄せたという銀寄栗。


昨日は見落としていた場所に、

たくさん落ちてたそうで、


参加者のうち2名は、人生初の栗ひろい。


「お母さんは、今日、栗ひろいに行くの?」

と、小学生の息子さんに

不思議そうに訊かれてから出てきたという人も。


童心に返るとはこのことか、

というほど

はしゃいで栗をひろっておられて、

店主は、ほっこり。


といっても、

このあと、栗をむいて、

栗ごはんを炊くので、

量はほどほどにして。


「4人の栗ごはんにしては、多すぎる」

と地元の人に言われたけれど(笑)

店に戻ったら、無心に栗を剥くのでした。


その間、2合にする?3合にする?

と話し合って、3合に!


皮をのぞいて、

4人で700グラムほどを剥きました。



その後、冊子でお勉強。


まずは、恒例の暦から。



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▶二十四節気 

白露 9月7日~9月21日 

秋分 9月22日~10月7日 


 ▶七十二候 

 <白露> 

初候 草露白(くさのつゆしろし) 

次候 鶺鴒鳴(せきれいなく)   

末候 玄鳥去(つばめさる) 


<秋分> 

初候 雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)   

次候 蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)    

末候 水始涸 (みずはじめてかるる) 


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意味や現代と照らし合わせたりして、

詳しく解説していきます。


さらには、


感覚で秋を感じていますか?

感覚を表す季語について


●秋は、夕暮れ

清少納言の枕草子の一文をさらりと紹介。


●秋は、夜

実は、歳時記では、夜に関する季語が多い話。

「夜長」「夜食」「夜なべ」など。

その俳句も鑑賞しました。


●月見の季語

夜といえば、秋であり、

そして、月。

十五夜の月見のためだけにある季語が

なんと多いことか。


それほど、

昔の人は名月を心待ちにしていたことが

わかるという話など。


「月見酒」「月の宿」

「月の客」「月の友」

「月の宴」「良夜」


他にも、十五夜の月を見たら、十三夜の月も同じところで見たほうが良い、そうしないなら「片見月」といって縁起が悪いという話などなどなど。


最後は、恒例の

重ね色目について。

平安時代の衣服に見られる

表地と裏地の配色のことです。

薄、萩、竜胆などなどの配色を見ていただきました。


萩の花を重ねて、そこに美を感じる感覚、

現代の私たちは、持っているでしょうか。

さてさて、次は、

おまちかねの栗ごはん炊き。


浸水させていた米とともに

土鍋で炊きました。


時間ごとに変化する香り。

そして、音。


その間、栗についての話や俳句を鑑賞も。


栗と中身と渋皮は、種。

鬼皮は、果肉。

イガは皮。 

これら全体で「実」である。


と。


栗について学んでいる間に、

栗ごはんが炊きあがりました!



「栗だらけ」

という感動の声のとおり、

ごはんより栗が多くて

みな、ご満悦。


そして、おもしろいもので、

「うーん」

「うーん」

と、おいしさを表現。


栗をむいている時は、

おしゃべり三昧だったのですが、

食べているとき、めっちゃ静か(笑)


素朴な味わいに

皆、やられました。


全員が二杯おかわりして、大満足。


お味噌汁は、さつまいもと玉ねぎ。


デザートは、

能勢産のぶどう「クイーンニーナ」


季節の飲みもの付なので、

「川西産無花果と和紅茶のミックス」をお出して、終了。



参加者の中には、

帰宅後、

月を見ながらの散歩

早速楽しんでおられた方がいて、

嬉しくなった店主なのでした。


<今回得たミニ知識>

栗拾いのマナーは、栗を取り出したイガは一か所に寄せて掃除しやすくすること。



🌰鑑賞した栗の俳句🌰

栗飯のまつたき栗にめぐりあふ   日野草城   

※まったきとは、「全き」で、まるごとの完全な栗 


いが栗の中の三つ児の並びをり  桑原敏枝 


 栗飯にする栗剥いてをりしかな  安住 敦 


 栗飯の栗をごろんと箸に乗せ   高澤良一 


 栗飯の栗あるところ熱きかな   下田稔 


 野の香りこぼし栗飯炊きあがる   山田紀子   





興味のある方は、今後も続けて行くので、ご参加くださいませ。


只今、2020年10月18日開催の<神無月編>参加者募集中

落花生を掘って食します。

https://fukudashowten.localinfo.jp/posts/10314548