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「宇田川源流」 なかなか面白い人物がドイツにも出てきたと思う「移民は毒ガスで殺せ」発言の極右政党

2020.10.07 22:00

「宇田川源流」 なかなか面白い人物がドイツにも出てきたと思う「移民は毒ガスで殺せ」発言の極右政党


 いやなかなか面白い人物が出てきた。すぐに表舞台から消えてしまったのであるが、これがなかなかいい感じである。もちろん日本においてこのような政治家が出てくればマスコミそろって大バッシングであろう。ついでに言えば、すぐにマスコミが何かスキャンダルを探して「道義的におかしい」などと騒ぎ立てるに違いない。まあ、そのような「マスコミによるいじめの文化」のある日本の話ではなく、今日はドイツの話である。

ドイツのに極右政党「ドイツのための選択肢(Alternative fur Deutschland=略称AfD)」というものがある。この政党は、ギリシャ経済危機でドイツが多額の支援をすることに反発し、2013年2月6日にベルリンで反EUを掲げて設立された。2017年9月のドイツ連邦議会選挙では初めて国政進出に成功し、94議席獲得で第一野党となった。ネットの情報によると、全体として、ドイツのための選択肢(AfD)は旧東独地区において、西側諸州よりも強い支持を得ていることが明らかになった。さらに分析するとドイツのための選択肢(AfD)は旧東独地区のポーランド、チェコとの国境に隣接している地域で最も高い支持を得ている、という。

2013年4月14日のドイツのための選択肢創立党大会において、ユーロ圏の解体を強調するAfDの選挙公約を決定した。共通通貨ユーロは挫折し、欧州統合の追い込まれた状況に対応した党の施策であった。共通通貨導入によって欧州諸国の国民経済が破壊され、現役世代が重い負担を背負わされ貧困化し、欧州統合の前提となる諸民族の融合が崩されてしまったからである。加盟国に対する欧州連合の権限の縮小と更なる直接的な民主主義導入(住民投票制度)をAfDは求めている。

このようにメルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)とは全く正反対の「反EU」であり、また通貨もマルクに残すという感じである。ある意味で「ドイツ至上主義」、ちょっと昔の船中の言い方をすれば「アーリア人至上主義」ということになる。まあ、ドイツでそのようなことを言えば、白眼視されるのであるが、実際、そのような感じの政党なのである。

「移民は毒ガスで殺せ」発言 ドイツ極右政党、広報を即時解任

 【AFP=時事】ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」は28日、党の広報を長く務めるクリスチャン・リュート(Christian Lueth)氏が、銃や毒ガスによる移民殺害について語ったとの報道を受け、同氏を「即時解任」した。

 反イスラム、反移民を掲げる連邦議会最大野党、AfDはAFPの取材に対し、扇動的な発言をしたことが発覚したリュート氏を「即時解任」したと語った。

 独ニュースサイト「ツァイト・オンライン(Zeit Online)」は、リュート氏が今年2月、動画共有サイト・ユーチューブ(YouTube)で報道活動を行う右派寄りの記者と会見した際、民間放送局がひそかに撮影していた会話の内容を報じていた。

 その中でリュート氏は、2015~16年の難民流入で100万人以上の亡命希望者を受け入れたドイツに「さらに多くの移民」がやって来ていることは、AfDにとって政治的利益になるので歓迎すると述べた上で、「受け入れてからでも、彼ら全員を射殺することができる。それは問題ではない」「毒ガスでも何でも好きな方法で殺せ。何でもいい」と発言したとされる。

 衛星テレビ局プロジーベン(ProSieben)によると、リュート氏はAfDに協力するようこの記者を説得し、「ドイツが悪事を働くほど、AfDにとっては都合が良い」と語ったという。

 この会見の2か月後の4月、リュート氏はファシストを自称し、「アーリア人の祖父」を称賛したことで党から停職処分を受けたと報じられた。週刊紙ツァイト(Die Zeit)は、リュート氏の祖父は第2次世界大戦(World War II)中に潜水艦の艦長を務め、ナチス・ドイツ(Nazi)の指導者アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)から鉄十字章を授与されたと伝えている。

 アンゲラ・メルケル(Angela Merkel)首相は任期満了での退任を表明しているため、来年の総選挙でその後継者が決まるが、AfDの支持率はドイツで移民問題が緊急性を失うに従い低下し、現時点では約11%となっている。

【翻訳編集】AFPBB News

2020年9月29日 11時30分 AFPBB News

https://news.livedoor.com/article/detail/18972645/


 東西ドイツが一緒になったころ、つまり1990年代後半くらいであったか、当時のニュースで「ドイツ国内の若者にネオナチズムが流行しており、若者が鈎十字の刺青をするものが増えた」というようなレポートがマスコミをにぎやかにさせたことがある。

「ネオナチ」とは、ナチズムを復興または類似性を持つ、第二次世界大戦後の社会的あるいは政治的運動のことを言う。ネオナチのイデオロギーは、信奉するナチスに習う形でナチズムを己の思想として掲げ、ファシズム的な強権政治、民族主義、人種差別、外国人追放など排他的な主張を行っている。しかし、ネオナチがヨーロッパじゅうに広まることにより「アーリア人至上主義」が薄まる傾向にあり、その代わりに、国家主義、国粋主義を中心にした感じではないか。

ある意味で、日本における「戦中または戦前イデオロギーへの懐古をもとにした急進的保守主義」が出てきながら、当時の皇室に関する内容や、あるいは大日本国憲法など当時のシステムとは全く異なるイデオロギーと合致したような感じになってしまっているのといているのかもしれない。

多くの場合では、自国の労働者の雇用拡大を掲げて外国人労働者の排斥を訴えるなど、就職問題に絡んだ活動で参画者を募っている。さらに左右を問わず独裁者に一方的な好意を寄せる傾向があるなど、ナチズムの復興を目指すというより、反社会性のシンボルとしてナチズムが掲げられている状況である。

さて、若者の間にこのようなイデオロギーが出てくると、当然に、「本物」つまり、「戦中のナチズムの系譜をそのまま残した者」が出てくる。彼らは「自分たちと違う」とネオナチから排斥されるか、あるいは、こちらこそ本物としてネオナチから「本物のナチズム」というような感じになってくる場合がある。つまり「なんとなくもやもやしたネオナチという反現状否定運動」が「懐古主義」と「新ナチズム」とに分裂するような状況になる。

その「懐古主義ナチズム」のドイツの代表の一人であろうと思われるのが、クリスチャン・リュート(Christian Lueth)氏であるという。

リュート氏は、2015~16年の難民流入で100万人以上の亡命希望者を受け入れたドイツに「さらに多くの移民」がやって来ていることは、AfDにとって政治的利益になるので歓迎すると述べた上で、「受け入れてからでも、彼ら全員を射殺することができる。それは問題ではない」「毒ガスでも何でも好きな方法で殺せ。何でもいい」と発言したとされる。<上記より抜粋>

さて、今のヨーロッパでは、EUに対する懐疑論が台頭しており、特にイギリスに関してコロナウイルスで小休止しているものの、イギリスの内容がうまくゆくようであれば、当然に、EUを離脱したい国は少なくない。特に、移民問題やギリシアの債務問題がありまたコロナウイルスでもEUとして統一の方法をとることができないということになった。その中で、EUは「一部の特権階級を喜ばせるだけの搾取集団」であるというような状況になってしまう。底に反発するのであるが、その内容が、「移民排斥」そして「殺せ」という言葉につながるのである。

まあ、移民というのは「安全」を求めてくるのであるから、ドイツに行けば殺されると思えば、移民は来なくなる。人道的にどうかと思うが、しかし、移民を排斥し国家主義的に考えれば、一つの答えであることは間違いがない。

このような過激なことの発信は、当然に、一定のコア層の支持を受けることになる。それがどうなるのか、次のドイツ総選挙に注目である。