結節性筋膜炎
このような社会状況になったと同時にレースもほぼなくなり、春から一応練習をし続けていましたが、原因不明の脛の腫瘍の状況が好転せず、2019年12月から半年以上様子を見ていたけれど、6月に思い切ってまずは病理検査手術を受けました。腫瘍を一部切り取り、組織が何であるか調べてもらう。MRIを何度も撮って病名はわかっていたけど、それが本当にMRI通りかは組織を調べないとわからない。では、まずそのわからないことをつぶそうと思い、手術を決行してもらいました。といっても、脛をほんの数センチ切って、筋膜上の腫瘍の一部を採取してもらって、また縫い合わせてもらうだけ。
朝病院に行って、1時間もかからず手術が終わり、帰宅。
簡単なものだった。そして、検査結果はMRI通りの良性、結節性の腫瘍で間違いないとのこと。まずは一安心。
手術前まではある程度、いいリズムでトレーニングを行い、痛みの出る動き方や患部を休ませるタイミングもつかめていた。コンディションは確実に上向きで怪我のことも忘れるくらいだったのに。。。
手術後、大事を取って1週間絶対安静し、そこからトレーニングを開始するも、1時間も乗れば患部が痛くなる。力が入らず、右足が全く使い物にならなかった。無理にトレーニング強度上げたり下げたり、ポジション変えたり、あらゆることをしてみたけど駄目だった。手術前の好調が嘘のようで、日常生活にも支障が出て、車の運転すら痛みが出てしまい、もうどうしようもなかった。練習しても7対3、6対4とかの左右比率で右足が出力できなくなり、200wなんて踏めない状況だった。
術後一か月しても症状は良くならず、手術をしたせいで、、、という多少なりの後悔もしつつ、でも、前に進むための手術だったからそれは考えないようにして、どうすれば今の状況から脱せれるかを一番に考えた。
通っていた病院はスポーツ医療ではなく、一般医療。次にやれることは全身麻酔で筋膜ごと腫瘍を切除するか、なにもしないか、の2択。それもどちらも結果は不確定でわからない、とのこと。それならば、もうやけくそで全身麻酔してもらって筋膜ごと取るべきかと考えていた。
完全に行き詰まり、、、昔からお世話になっている佐藤先生に相談し、ラグビーワールドカップのナショナルチームのメディカルチームの繋がりで東京 順天堂医院の先生をご紹介頂いた。スポーツ医療として診てもらえ、且つ新たな患部へのアプローチができるかもしれないならそんなに嬉しいことはなく、すぐに東京へ診察してもらいに行った。
それからまたMRIを撮ったり、先生と今後のお話をさせていただくために3回ほど通った。先生に聞いても原因はわからずだけど、原因を探ることにフォーカスするよりもおそらくこれは突発的に起きた腫瘍とのことだったので、今はこの状況をどうするべきか考えることにフォーカスした。僕は患部の全摘出を望んだけれど、先生はそれは選手生命を考えた時にハイリスク過ぎて勧めないと説明してくれた。7月の初めにハイドロリリースという施術を行ってもらった。筋膜に張り付いている腫瘍を筋膜から注射針で水を流し込んで剥がすというものだった。先生がエコーを見ながら患部に針を刺し、正確に水を注入してくれた。正直痛かったけど、その時の先生の眼差しが忘れられない、かなり難しいものだったんだと思う。
施術後、その時まで感じていた右足の脱力感が消え、久々に右足で地面を蹴る感覚が戻った。自転車に乗っても力が入り、ようやく自転車に乗れていると感じた。そこから、1か月後の8月の検診では水ではなく、ヒアルロン酸を注射してもらい、腫瘍を筋膜から離してより動きやすくしてもらった。
そこからはトレーニングを出来る範囲で行い、9月の検診で医療的に見ても筋膜の動きに対して腫瘍があまり邪魔していないことを確認してもらい、僕自身の感覚的にもよかったのでそのまま注射などはせず、今のままでいこうということになった。
その後、9月中旬に身体の現状を佐藤先生に確認してもらい、患部との付き合い方を話し合って教えてもらった。
そこからここ最近のAACAのロードレース、山口でのUCIのマウンテンバイク、先日の五條シクロクロスと大会に出場させてもらった。
先日の五條クロス。昨年12月に比べるとこんな動きをしても痛くなくなった。
まだまだトレーニングも限定的で段階を踏む必要があるけれど、一歩一歩また戻ってこれている感覚はある。本当にいろんな人にお世話になって、また自転車に乗れて、こうしてレースもできたことが嬉しい。結構、今回はさすがにもうダメかなぁとぼんやり考えていたけど、まだ走れる道筋を作ってもらえた。感謝という言葉以上に、もう、、生かしてもらってありがとうございますというかなんというか、、、、なんだか言葉を選べません。。わかるのはやっぱまだまだ走らなきゃいけないんだなということ。悪い意味ではなく。嬉しいです。
また最近のレースレポートのせますね。レースレポート書こうと思ったけど、この怪我のことをまず書かないとと思って先にこちらを投稿させてもらいました。