ER ダブルディーラー レビュー 2020.10.22 08:26 今回のレビューは、トランスフォーマー アースライズ より、“ER-08 ダブルディーラー” です。 “トランスフォーマー 超神マスターフォース” に登場した、サイバトロンとデストロン、2種のアイアコーンを一人で使い分ける特殊なゴッドマスター、“特殊攻撃員 ダブルクラウダー” が、海外名の “ダブルディーラー” でアースライズに登場しました。 トランスフォーマーのアニメは、TVシリーズ第2作となる “2010” まではアメリカ製作のものを日本に輸入(逆輸入?)したもので、各話の放送順などにもけっこう違いがあったようですが、第3作の “ザ☆ヘッドマスターズ” 以降は日本で製作されるようになりました。 それらの作品は、当時海外ではリアルタイムでは放送されず、しかしトイだけは同様のものが引き続き販売されていたようです。 ただし、その設定は大きく異なるものでした。 そしてアニメ第4作、“超神マスターフォース” 以降はさらに日本独自色が強くなり、キャラクターの名前やカラーリングにもかなりの差異が見られます。 今回のダブルディーラー( ダブルクラウダー)もまさしく、ですね。 さて超神マスターフォースというと、1番の特徴はやはりマスターブレスの力でマスターフォースとなった人間の戦士がトランステクターと合体して巨大ロボ(トランスフォーマー)になるという、ゴッドマスター(ゴッドオン)というカテゴリの新戦士たち。 前作のヘッドマスター(ヘッドオン)の系譜に連なるシステムですが、頭部ではなくアイアコーンと呼ばれるコア的なものに変形すること、ゴッドマスターはあくまで人間であること、などに新しさがありました。 なお、これらは日本独自の設定で、トイ展開のみだった海外ではゴッドマスターはパワーマスターと呼ばれ、人間ではなく海外版ヘッドマスターと同じネビュロン人ということになっていたようです。 そして、オーバーロード以外のほとんどのキャラクター(ヘッドマスターJrも含め)が、日本とは違う名前になっていました。 そんなゴッドマスター(パワーマスター)戦士たちですが、今回のダブルディーラー以外にもここ数年のうちに何人かがリメイクされています。 しかし、全員が本来のかたちではリメイクされていません。 つまりゴッドオンギミックが再現されていないのです。 レジェンズ(タイタンズリターン)ではスーパージンライとゴッドボンバー(日本限定)、オーバーロードがヘッドマスター仕様で、パワーオブザプライムではバスターとハイドラーがコンバイナー仕様でのリメイクとなりました。 それらを経ての、今回のダブルディーラーのリメイク。 完全新規ということもあって期待する部分もあったのですが・・レビューしていきます。ロボットモード なお、武装の取り付け位置がパッケージ裏の画像と説明書とでは左右逆になっていますが、おそらくは説明書通りのこちらが正しいと思われます。 リーダークラスではありますが、ダブルディーラー本体はボイジャークラス相当(まぁ、そのなかでも大きめではありますが)。そのうえで、豊富な付属品でクラスに見合ったコストにするという、シージ以降のお約束です。 オリジナルトイは、妙に頭がでかいがために全体像は少々貧相に見えましたが、今回は非常にマッシブ・・いや、近年では稀に見る太っちょ体型になっています。 とにかく全体に四角い。そしてまたやたらと小顔に。 しかしながら、というか当然なのですが、基本デザインはオリジナルを踏襲。特徴的な肩のミサイルもしっかり存在感のあるサイズになっています。 ただ、ひょっとしたらと思っていたゴッドオンギミックは再現されず。腹部にそれらしいディティールがあるのみ。 カラーリングに関しては今回はダブルディーラーということで、おそらく当時の海外版準拠になっているものと思われます。 まぁ、ダブルクラウダーでは白かった部分がグレーになっているくらいなのですが、なんとなく悪役感が増したような・・ アニメではロボットモードはサイバトロンでしたし、一応今回もデフォルトでは肩にオートボットのインシグニア(最近はそういうみたいなので、以後、エンブレムから呼称を変えます)があるので最終的な所属はオートボットになるのだろうと思います。 しかし、パッケージに描かれているのはディセプティコンマーク。確か傭兵という設定でしたから、最初はディセプティコンとして登場し、のちにオートボットに寝返る・・ということかな? 背面。 ビーストモードのウイングがたたまれた状態など、こちらも基本のパーツ配置はオリジナルを踏襲していますが、新装備としてブースターが追加されています。 個人的にはスカートのようにお尻を隠すウイングが好き。 肩のインシグニア(最近はあまりエンブレムとは呼ばないようなので、今後僕もそう呼ぶことにします)はデフォルトのオートボットから、 パネル状のパーツを閉じることでディセプティコンに変更することができます。 つまるところ今回のダブルディーラーはロボットモードでもオートボットとディセプティコンの立場を使い分ける、ということですかね。 詳細はネットフリックスで配信されるアニメ、トランスフォーマー ウォー・フォー・サイバトロンの第2章、アースライズを観てみないことにはわかりませんね。 ちなみに、ネトフリ契約してない僕はシージもまだ観てません・・BD出たら買って観ます。 さて、ゴッドオンギミックは再現されていませんが、その代わりにシージ カセットロン、ランブルとラットバットのリカラーで、ダブルディーラーの2体のパワーマスター(日本では1人の少年、クラウダーが2つのマスターブレスで2つの姿を使い分けていましたが、海外ではそれぞれ別人という設定)ノックとスカーを再現、同じくリカラーのフレンジー、ウイングシングとの4体セットで海外版ジェネレーションセレクトとして限定発売されています。 今のところ日本で発売される気配はないのですが、ともかくもそのカセットロンを使ったゴッドオンギミックの代替ギミックが仕込まれているのです。 というわけで、ランブルとラットバットを使ってそのギミックを再現したものがこちら。 胸部パーツを裏返したところにカセットモード(?)に変形したランブル(またはノック)がぴったりと収まるようになっています。 ちなみにダブルディーラー、こんなふうに両手を腰に当てた格好でパッケージングされています。なんでや?(笑) もちろん、ほかのシージ カセットロンも取り付け可能。このままカセットロンを付けたまま、胸部パーツを元の向きに戻すこともできます。 そしてさらに、腹部のアイアコーンらしきディティールのあるパーツを外し、カセットロンに備わっている5㎜軸を起こしてそれをはめ込むことで・・ なんとなくゴッドマスターがゴッドオンしてるふうに見える! いや、実際これが完成形だろうと思うのですが、説明書では一切言及されていません。 そして、なんで端からノックとスカーをセットにしなかったんでしょうか? 百歩譲って別売でもいいけれど、なんで限定なのか? あ・・いや、すみません。是非とも日本でも発売してください。むしろフレンジーが欲しいんです・・ ただこの状態、胸部パーツは固定されず、しかも若干浮いた状態になります。 なんというか・・複雑な事情があったのかもしれませんね。付属武装キャノン砲 大型ミサイルの後端が分離したキャノン砲タイプの武器。 正式名称がわかりません・・日本版オリジナルトイでの名称もよくわからなかったので、ほかの武器も含めて形状イメージから仮の名前呼ぶことにします。 かなり大型でそこそこ重さもある武器になっています。 とくにギミックはありませんが、5㎜軸と5㎜穴、3㎜軸が複数設定されており、いろいろとカスタマイズできる余地があります。ミサイル 大型ミサイルの前半部分ですが、前半だけでも見たまんまミサイル。 右肩に装備します。 こちらもとくにギミックはありませんが、成型色のみだった後半部分に較べるとカラフルに塗装されており、やはり複数の5㎜穴、3㎜軸があります。 そして右肩にはもう1種類、レーダー、あるいは光学系の武器? を装備。・・うん、なんだろう、これ? 表面の一部はグレーで塗装されており、上部に3㎜軸、左右側面に3㎜穴があります。レーザー砲 デフォルトでは左肩に装備。 砲口部分は3㎜軸になっています。小型ミサイル 7連装タイプのミサイル。 2つ付属し、左右の脛側面に1つずつ取り付けます。背部可動式ブースター ビーストモードで尾羽になるパーツで、ロボットモードでは頭部の後ろから伸びるジョイントに取り付けます。 一応ブースターと呼びましたが、左右の可動するパーツにはとくにブースターっぽいディティールはないんですよね・・ その可動パーツはボールジョイント接続でグリグリ動きますが、かなり緩めです。ビーストモード 巨大なミサイルを背負ったメカイーグルにトランスフォーム。 超神マスターフォースの展開当時は、総じてけっこう大味なアイテムが多かった時期で、ダブルディーラーもそのひとつだったわけですが、そんなオリジナルの雰囲気がけっこう忠実に再現されているように思います。 たぶん、今の技術ならもっとプロポーションのいいメカイーグルにできると思いますが、あえてそうしなかったのでしょう。 なお、従来の設定ではディセプティコン側にいるときはこの形態になっているのですが、今回はどうなんだろうなぁ・・あくまでトリプルチェンジャーとしての1形態に過ぎない気がします。 ディセプティコンマークどこにも見えないし・・ メカイーグルといっても、頭部やウイングなどはけっこう生物的なデザインになっていて、同じく超神マスターフォースに登場したシーコンズや、前作のヘッドマスターズに登場したファイヤーボットなどと似た雰囲気です。 変形はおおよそオリジナルトイを踏襲しているものと思われますが、おそらくは今回の独自仕様だろう膝関節を縮める過程が少々厄介。 先にも言ったように可動式ブースターが尾羽になるのですが、基本的にミサイルも含めた固定方法になっています。まぁ、一応ミサイルなしでも取り付けることはできる緒ですが、ほぼ乗せているだけ、という感じです。 レーザー砲とセンサーは脚部内側に取り付け。 ぶっちゃけ収納状態のロボットモードの拳に持たせるだけなのですが、軸が短いため取り付けづらいです。 もちろん、ビーストモードでもゴッドオンごっこ(笑)は可能。 今度はスカーの代わりにラットバットを取り付け。 ビーストモードでの胸部パーツの向きはこれが正式で、画像右下の六角形の穴が空いたパーツ(ビークルモードの運転席の一部)で引っかけて固定しているという、なんとも雑な処理になっています。ビークルモード ミサイルトレーラーにトランスフォーム。 トランステクターとしての基本はこの形態でこれにノックが合体(ゴッドオン)とオートボットもロボットモード、スカーが合体するとディセプティコンのビーストモードに変形するというのがオリジナルの設定です。 変形は腕や脚をたたんで収納するくらいのシンプルなもので、やはりオリジナルに近いものと思われます。 ただ、個体差だろうと思いますが、腕の変形がかっちり決まってくれません。 肩の基部ごと後ろに回すのですが、設計がタイトなのか軸打ちが歪んでいるのか収まりが悪く、軽く浮いてしまいます(ビーストモードでも同様)。 同じようなことがアストロトレインのコンテナパーツでもありました(あちらは展開したときにやはりパーツが浮いてしまって真っ直ぐ開けない)が、今回は本体だしなぁ・・ 大型ミサイルを基部パーツごと真上に起こし、後部に取り付けた可動式ブースターの各パーツを展開することでミサイルの発射台モードにも変形できます。 基地モードとするほど大きな変化ではありませんが、開いたパネルパーツ(ビーストモードの尾羽)には例のジョイントがあり、ほかの基地系アイテムとの連結がかのうになっています。比較画像 超神マスターフォースにおけるサイバトロン、デストロンの両リーダーと、それぞれに属しているときの姿で。 まずはスーパージンライ(レジェンスEXゴッドジンライ版)と、ロボットモードで。 ERオプティマスは別として、WFCトリロジーのリーダークラスとしては初めて合体、あるいはアーマーアップギミックと呼べるものがないダブルディーラーですが、やはり過去シリーズのリーダークラスと較べるとかなり小さいです。 レジェンズ版のスーパージンライも当時はそんなに大きくないな、と思ったものですが、こうして並べて見るとでかい・・ 同じくレジェンズ版のオーバーロードと、ビーストモードで。 オーバーロードもけっこうでかい・・ ビーストモードのダブルディーラーとのサイズ感はちょうどいいような気もします。 それぞれビークルモードで。 ジンライのトレーラーとの並びは、やはりスケール感が妙なことになっていますが、メガジェットとギガタンクと挟まれてる画はいい感じ。 LG-EX ゴッドジンライのレビュー LG オーバーロードのレビュー シージ アストロトレインと。まずロボットモードで。 アストロトレインもリーダークラスですが、本体はボイジャークラスとしても少し小柄なので、体格にはけっこうな開きがあります。 ビークルモードで。アストロトレインはSLモードでコンテナも連結して。 当然ですが、トータルのボリュームはほぼ同じです。 スケール的にも、案外同じようなものなのかも・・ 基地モード(?)でも。 なんとなく似たシルエット・・ シージからこっち、なにかしらを打ち上げるキャラが多いのは面白いですね(笑)。 SG アストロトレイン レビュー レジェンズの時に、なぜかヘッドマスターとして頭部だけ発売(キックバックとのセット)されたクラウダーのヘッドモードと。 青いフェイスに黒いヘルメットという基本要素は共通ですが、ヘルメットの形状が変わり、顔付きも今回のER版のほうが厳めしい感じに。 オリジナルに近いのはレジェンズ版のほうですね。 というか、顔だけ見ると今回のダブルディーラーはけっこう別人です。 ちなみに、ヘッドマスター クラウダーのロボットモード時の頭部(ややこしな・・)は、ビーストモード時のイーグルの顔がモチーフになっています。 TFLG キックバック&クラウダーのレビュー 以下、画像 まずはロボットモードで。 腰の回転、足首の内側へのスイング等、シリーズの基本仕様はしっかり押さえられています。 拳も回転可能なのですが、手持ち武器の軸がおしなべて短いために前腕に干渉し、結局正位置でしか上手く保持できないのは残念なところ。 デザイン上、一見してどう動くのかわかりにくい脛(膝)ですが、そのまま普通におよそ90曲げることができ、立て膝も可能です。 変形のための可動を使えば内側にも曲げることができ、足首の可動も併せればハッタリの利いた大股開きでの自立もばっちり決まります。 また、腕は肩基部のロックを外せば全体を前方に引き出すことも可能です。 ただ一方で、付け根の回転軸の位置が低いため、ポーズによっては肩が外れたみたいに見えてしまうという・・ スタンド対応穴は股下にあります。 例によって3㎜穴、しかもちょっと緩め・・ オプションを全部合体させて大型武器にしてみたり、 ブースターやウイングを展開してみたり、 本来なんの関係もないカセットロンを全盛りしてみたり。 リーダークラスは伊達ではないプレイバリューでいろいろと楽しめます。 ビーストモードでも。 この形態でも口の開閉だけでなく首やウイング、脚が可動し、ある程度のアクションポーズをとらせることが可能です。 スタンド用には腹部にたたんだまれたジョイントパーツの5㎜穴が使えます。 大型ミサイルはお腹に抱えるような位置で取り付けることも可能。 あまり安定感はないですが。 ダークイングスとの編隊飛行イメージで。 ビークルモードでも。 もちろんこの形態でもカセットロンを取り付けることはできますが、なんとなくロボットモードのまま座らせてみました。 発射台モードでにして、オーバーロードの基地モードと連結・・ はできないんですね。 レジェンズ以前とシージ以降の基地系アイテムのジョイントに互換性がないことに、今さら気付きました・・ 最後に、ビーストモードを少し弄ってグリフォンっぽい形態に。 まぁ、誰しもがやるアレンジでしょうね。 以上、“ER ダブルクラウダー” でした。 アースライズで唯一となる完全新規のリーダークラスアイテムとして選ばれたのが、まさかのゴッドマスターとは意外でした。 アニメでも、第4作の超神マスターフォースから作風や世界観がけっこう変わっていたような記憶がありますし、ここでラインナップされてくるとは思わなかった。 何度も言っていますが、正式にゴッドオンギミックが再現されてないことも含め、今ここで彼を持ってくる必要性が・・ あぁ・・でも、ギャラクシーアップオプティマスなんて例もあったか。 実際、同じキャラばっかり何度もリメイクされるよりは、たまにはこういう変化球を織り交ぜてくれるほうが飽きが来なくていいという側面もありますね。 とくに今回のダブルディーラーの場合は、ギャラクシーアップオプティマスのようなパーシャルでも、クロスヘアーズのような強引なリカラー頭部換えでもなく、完全新規でオリジナルデザインをほぼ再現してくれたので、その点では素直に嬉しかったです。 単体のトランスフォーマートイとして見ると、トリプルチェンジャー・・発射台モードも含めればクアドラプルチェンジャーとなる本体に豊富な武装と、非常にプレイバリューの高いアイテムになっています。 ただ、僕の手許に届いたものは間接や変形のための可動部の精度がやや悪く、保持力や変形の収まりがあまりよろしくありませんでした。 アストロトレインもそんな感じだったなぁ・・本来的はよいものであるだけに、少々残念です。 また、ゴッドオンの代替ギミックとしてカセットロンを利用するアイデアは苦肉の策だったのか、しかし見事な発想の転換という気はします。 しかし、せっかくのアイデアも肝心のノックとスカーが限定販売というのが・・今のところ日本で発売する気配もないですしねぇ。 だからこそ説明書でも一切言及がないのだと思いますが。 というかダブルディーラー、アニメ第2章に登場するんですよね。 ということはこれ、WFC名義で発売される可能性ありますね。そのときにノックとスカーがセットになるとか? それはちょっと勘弁してほしいんですが・・ といったところで、今回は終了。 またのご訪問を。