大人を魅了する赤 - ワインレッド
深みのある、パープリッシュな大人の赤「ワインレッド」。
色名の「ワインレッド」(JIS慣用色名 マンセル値 10RP 3/9)は、一般的な赤ワインの色を表しています。
時間を経るごとに熟成し、味わい深くなるワイン。
赤ワインの「赤」の色をつくりだしているのは、ポリフェノールの一種であるアントシアニンという色素です。アントシアニンは時間とともに減少するため、熟成が進むとその色は徐々にレンガのようなオレンジがかった色へと変化していきます。
赤ワインを由来とした色名には「ワインレッド」の他に「ボルドー」「バーガンディー」があります。
「ボルドー」とは“ワインの女王”といわれる、フランス ボルドー産の赤ワインのような色のことで、「ワインレッド」よりも深みのある赤(JIS慣用色名 マンセル値 2.5R 2.5/3)。
「バーガンディー」は“ワインの王様”といわれる、フランス ブルゴーニュ地方でつくられる赤ワインに由来する色名で、「ボルドー」よりもやや暗い紫みの赤を指します(JIS慣用色名 マンセル値 10RP 2/2.5)。
ただしこれらは、あくまでもワインの色に例えた色名であり、実際のワインの色は、必ずしもそうではないようです。
例えば、毎年11月第3木曜日に解禁されるボージョレ・ヌーヴォーは、色名「バーガンディー」の由来であるワインの産地と同じ、フランス ブルゴーニュ地方でその年に収穫された葡萄からつくられる新酒のこと。「ルビーのよう」とも評されるその鮮やかな色のワインは、「バーガンディー」色とは趣が異なります。
ニュース等でも取り上げられるほど楽しみにされている方も多いボージョレ・ヌーヴォーは、フレッシュな味わいが特徴で、熟成させるのではなく新鮮なうちにいただくのがおすすめだそうです。
ちなみに、ボルドー産のワインとブルゴーニュ産のワインは、色や味わいだけでなく、ボトルの形も違います。その理由を調べてみると、ワインを熟成させることで起こる成分の変化や、熟成のための貯蔵環境と関係があるようです。
知的な好奇心をくすぐられるのも、ワインの魅力のひとつかもしれません。
(SATOMI)