今日のサルスベリ
https://gptelemann.wordpress.com/2007/09/19/%E7%85%A7%E3%82%8C%E3%81%BE%E3%82%93%E5%90%9B%E3%81%AE%E4%BF%B3%E5%8F%A5%E6%AD%B3%E6%99%82%E8%A8%98%E3%80%80%E3%80%8C%E7%99%BE%E6%97%A5%E7%B4%85%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%AB%E3%82%B9%E3%83%99%E3%83%AA/ 【照れまん君の俳句歳時記 「百日紅・サルスベリ」】 より
太陽に届けとばかり百日白 照れまん
( たいように とどけとばかり さるすべり )
今回は百日紅(さるすべり)を撮って見ました。
太陽の光大好きサルスベリ 照れまん
俳句歳時記では、「百日紅」 は 夏の季語。サルスベリ と読むが ヒャクジツコウ とも読む。
傍題に、「紫薇」(しび)・「怕痒樹」(はくようじゅ)・「くすぐりの木」・「白さるすべり」などがある。
昔から赤と白の花が多く、白花百日紅の場合、俳句では字数が限られている為、最近では百日白と書いてサルスベリと詠むことが許されている。新しい歳時記には掲載されているようです。但し、これは俳句の世界だけの書き方ですので、俳句以外では通用しません。
百日紅百日白と大雨中 星野立子
上の句は、ひゃくじつこう 、ひゃくじつはく と読むのでしょうか。
最近ではどんどん品種改良され、紅・白だけでなく、いろんな色の花を咲かせてくれるようです。
しかし、サルスベリとは変わった名前ですよね。百日紅と書いてサルスベリとは、なかなか読めません。
サルスベリとは古来より、ヒメシャラ・リョウブ・石榴(ザクロ)などを総称して呼んで
いたようです。
江戸時代に中国より渡来した百日紅は、幹肌がすべすべしたシャラノキに似ている
ところから、多くの寺院の境内に植えられました。それが次第にあちこちの屋敷に植えられるようになり、幹の感じからこの木がサルスベリと呼ばれるようになり、いつしか、この呼び方がこの木に定着したようです。
百日紅 (ヒャクジツコウ)とは、文字どうり百日の長きにわたって咲き続けると
いう意味ですよね。
木肌がどうしてこんなにすべすべしているかと言うと、野生の時代、草や木の蔓が
蒔きつくのを振り払う為、自分の木肌(樹皮)を剥がれ落として防いでいたようです。下には、新しい樹皮が用意されてます。
それでこの木にはあまり蔓が巻きつけなかったといいます。面白いですね。
続いて蕾を見て見ます。六角形をしています。これが花の萼(ガク)です。
上の②の写真は六角形のドームがもう少しで開くところです。
これが開きますと、まず白い花びら(花弁)が出てきます。
その次に雌蕊(めしべ)が出てきます。めしべはぐっと曲がって内側を向きます。
続いておしべが出てきます。 今、正におしべが出ようとしているところです。
完全にガクが開きおしべが出てきました。
おしべは2種類あります。
黄色い葯(やく)を先端に付けた沢山のおしべが中央にあり、そのまわりに
ひょろ長い六本のもう一つのおしべがあります。
これは中央の花粉に蜂などをおびき寄せ、長いおしべの先の花粉を虫の羽
など背中に付かせ、めしべの受粉を確実にするように、2段階の構えになって
いるようです。一つの花は六角形に花びらを開きますが、これが無数に集まり一叢の花に
なります。
やがて、花ビラは散り始めます。
3枚の花びらが散ってしまい、ドーム(がく)が次第に閉じられています。
がくは完全に閉じられ、やがてこの中に種が出来ます。
中国南部原
被子植物門・双子葉植物綱・バラ亜綱・フトモモ目・ミツハギ科・サルスベリ属・サルスベリ 英名 : Crape myrtle
中国では紫微(宮廷)に植えられていたことから、紫薇と呼ばれているとか。紫微(しび)とは、紫微垣(しびえん)の略。
古代中国の天文学で北斗星の北にあり、天帝の居所とされた星座。小熊座を主とした星座群。転じて天子・天位にたとえる。紫微宮など。そこに植えられて居た花なので、紫薇(しび)。
散れば咲き散れば咲きして百日紅 千代女
炎天の地上花あり百日紅 高浜虚子
ではもう一度、花と全体
夕闇迫るサルスベリ
百日紅雀かくるる鬼瓦 石橋秀野
百日紅学問日々に遠ざかる 相馬遷子
上二句とも、歳時記には 百日紅 に ひゃくじつこう とルビが振ってあります。
では最後の一枚。
最後は夜の 百日紅 でした。
きょうは我が家の百日紅(百日白・サルスベリ)の一日をお送りしました。
https://hanabun.press/special/iroiro0726/ 【きょうのサルスベリ】 より
サルスベリが雨に濡れて低く咲いていました。
台風で根こそぎ倒れたサルスベリを、もう要らないというので、切り株をもらってきて、庭の隅に植えておいたのが咲いたのです。ひこばえがついていたからそのうち伸びる思っていたら、びゅんびゅん伸びて二年目のこの夏、花をつけました。
白いサルスベリはシロバナサルスベリという名前らしく、花は赤いのが基本。サルスベリは和名で、別名を百日紅(ヒャクジツコウ)といい、漢名にも百日紅の名前があるようです。百日かどうか夏じゅう咲き続け、赤い色は濃い青空と白い雲に映えて、暑さがいや増します。白い花は黒い瓦屋根によく似合って、涼しげです。梅雨明けを告げるようにぱあっと咲きますが、今年はなかなか梅雨が明けないので、雨の中で咲いてきました。白い花なら雨も似合います。
サルスベリが高いところで揺れている様子は知っていても、花の一つひとつを見ることはこれまでありませんでした。幸いにも今年は目の高さで咲いています。花びらはしわしわで六つが離ればなれについていて、雄しべには黄色い葯がたっぷり乗っています。調べるとこれは見せかけの雄しべで花粉はなく、ただの虫寄せとありました。英名はCrape myrtleといい、クレープはパンケーキではなくてコットンクレープなど「しぼ」のある布からきているようです。
和漢洋の花の名前をくらぶれば。漢人は時間軸で花木を眺めてその名をつけ、英人は接写するように花を見てつけたことになります。では、和人は。なんとしたことか花を見ずに幹を見ていたのです。「つるつるして猿が滑りそう」だからサルスベリとは。日本には江戸時代に入ってきたらしく、江戸っ子のおっちょこちょいの植木屋が、花より幹を売りにしてそう呼んだのでしょうか。あるいは材木屋か、大工か。うーむ、目のつけどころが違う。
散れば咲き散れば咲きして百日紅 千代女
千代女は江戸中期の俳人、さすがの観察眼です。百日というものの、じつは花は一日花。朝に咲き夕べには散る。つぼみが連日次々に咲いていくので、ずっと咲いているように見えるのでした。杉浦日向子さんは、作品「百日紅」の題を、この句から採ったそうです。その花のしたたかさに、主人公の北斎の娘の像が重なったと。
赤い花で句を読めばしたたか。白い花で読めばはかなくもあるけれど、文字通り紅で読むべきでしょう。炎天が待ち遠しい。杉浦さんが亡くなったのは、七月のサルスベリの花が咲くころでした。