Ameba Ownd

アプリで簡単、無料ホームページ作成

Fuya Photo

後輩がLeica M9-Pを買った話

2020.10.07 13:49

人間は寂しくなったり、ストレスを感じるとペットを飼う傾向にあるそうだ、


弊社の新人で私の後輩である「T原君」

彼はストレスが溜まると買い物をして消化するという


何が原因でストレスが溜まったかは存じ上げないが、

この度、大きな買い物をしたそう


果たして一体何を買ったのだろうか...


次回、「後輩がM9-P買った話」

デュエル、スタンバイ


さて、Leica M9-Pである


M10の記事でも書いたが、M9の立ち位置は、

1954年に発売されたM3

2006年にデジタルのM8が登場

2008年にM8.2

2009年にM9が登場

2011年にM9-Pの登場

となる


M9-Pとは

M9をベースに背面液晶にサファイヤガラスを採用し、Leicaバッジも外されたプロフェッショナルモデル



センサーはKodakと共同開発したフルサイズCCDセンサー

M8はAPS-HサイズだったがM9、M9-Pではフルサイズ

両者ともにでローパスレス

その画質はよく、「油絵」と称される

破綻寸前の限界まで突き詰めた色乗り、どこかポジフィルムを思わせるような発色

M9の画質については同世代のデジカメと大きく異なる設計がなされており、今でなおファンは多い


重量は600gと軽量

M9は580g

M9-Pでは600gになるが、M型レンジファインダー機の中ではトップクラスに軽い

参考までにM10は660g


レンジファインダー横にはブライトフレーム用の採光窓がある

また、フレームセレクターが付いている

「P」モデルなのでLeicaバッジは無い



モニターは2.5型 TFT液晶で23万ドット

右側には十字ダイヤルとメニューボタン

左側には再生、削除、ISO感度ボタン等が並ぶ


M9の液晶は正直言って使い物にならない

実用レベルでは構図、露出の確認が限界である

背面液晶でフォーカスが合っているように見えても、家のPCで確認すると全て前ピン、なんてこともザラである



「P」モデルなので軍艦部にロゴが刻印されている



ホットシュー横には「LEICA M9-P」のロゴ



マウントには6bitコードのセンサーが装着されている

M9になってマニュアルでレンズを設定できるようになった



右側面にはUSB端子がある

またストラップの吊り環による傷から守ガードも装着されている

電源スイッチは「S」、「C」、「タイマー」の3種類

電源を入れる際に勢い余ってシングルから連写に入ってしまう事がある



例によって写真はサイド光1灯

三脚穴のダボは合成で消している


・シャッター機構

M9は分離シャッターモードを選択する事ができるのも大きな魅力

シャッターボタンを押すと幕が降り、撮影、普通のカメラであれば即座にシャッター幕の巻き上げがなされるが、M9の幕はそこで止まる

再び幕を上げチャージするにはシャッターボタンを離せばいい

シャッターボタンを押すと「コトッ」と鳴り、撮影、

指を離して「ジーッ」と鳴りながらチャージする

人混みのスナップではこの分離シャッターモードにしてサイレント撮影に努める

カメラを構えてシャッターを切ったらカメラを腰付近まで下ろして巻き上げる、そんなリズムが非常にフィルムライクで趣がある

さらには分離式を採用することで手ブレを抑える効果も期待できる

個人的には1/焦点距離の半分ぐらいまでであれば手ブレを抑えつつ撮影が可能



M10との外装比較



厚みはM10に負ける

M9を触って改めてM10薄いなぁって思う

また、巻き上げノブ風のISO感度ダイヤルもM10の特徴





しかしながら、M9の発売は2009年

11年も前に作られたカメラなのである

CanonならEOS 5DmarkⅡ、Nikonで言えばD300s、SONYならα900あたりと年代がかぶる

今でなお11年前のデジカメに30万円以上の値が付き、主力カメラとして使用している人も少なくない事はデメリットよりもメリットの大きさを物語っている

作例

雨だったが適当にスナップ

レンズは記載がない限りSummilux 50 ASPH

↑ Voigtländer Nokton 40mm f1.4

↑ Voigtländer Nokton 40mm f1.4

↑ Voigtländer Nokton 40mm f1.4




・高感度耐性

お世辞にもM9のISO感度耐性は高いとは言えない、

1800万画素とピッチには余裕があるものの、ISO800を超えると盛大にノイズが出てくる

また、ISO感度上限も2500


・バッテリー

これに関してはかなり致命的

一日中撮影しようとすると予備も合わせて3つ以上のバッテリーを持ち歩く必要がある

外光を利用する採光窓を使ったブライトフレーム表示ならバッテリー持ちにも寄与しそうだがLED方式のM240やM10よりもはるかにバッテリーは持たない



・RAW画質

また、Jpeg画質とDNG現像にかなり差があった



こちらは元画像


こっちはJpegとDNGのストレート現像

DNGの方が発色が強く、シャープネスも高い

発色についてはおそらくLightroomのカラープロファイルの影響か




T原君レンズ問題

私がそうであったようM型レンジファインダーを購入すると金欠ゆえにレンズにまで予算が回らない場合がある


T原君は中古で2万円のNokton 40/1.4を選択していたが、早くも「Summiluxほしい」と嘆くようになった


最初に選ぶLeicaレンズとして私の独断と偏見で選んだものがこちら


・Voigtländer NOKTON 35mm f1.2 Ⅲ VM

f1.2の明るさを持ち、0.5mまで寄れるレンズ

しかしながら全長5cmとコンパクトな設計

13万円程度で購入できる手軽さ


・Leica Summaron 35mm f3.5 L

通称サンハン・ズマロン 中古市場で6万円ほど

Lマウントレンズでf3.5だが、コントラスト高めで堅実な描写とくびれたデザインが特徴


・Zeiss C Biogon 35mm f2.8 ZM

中古価格で7万円ほど

コンパクトな躯体と歪みない画角、パキッとした絵が特徴な1本

私が最初に買ったレンズはこれだった


・Summicron 50mm  f2 4th

超王道50mm

ベストセラーなだけあって私の周囲にもユーザーが多い、中古市場も25万円強とこなれた価格


・Summilux 50 f1.4 ASPH

50万円ほどだが、これ買っておけば間違いない

私の今の常用レンズ


まとめ

バッジ無し

採光窓あり

フレームセレクターあり

私が思うライカらしい見た目


Kodak製のCCDから吐き出される強烈な絵

40万円を切るこなれた価格


今からライカを購入するならM9-Pいかがです?