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じゅんじゅんホームページ

高円寺きど藤

2020.10.08 03:55

立ち飲み屋さんが大好きである。

最近はお洒落なお店も増えてきたようだ。

私の好みの立ち飲み屋さんは、1に安価、2に照明、3に距離感、である。


まず1に、安いこと。

いわゆるセンベロ。

千円でベロベロに酔える、という店の事である。

スピリタス(96度のウォッカ)でも無い限り千円でベロベロにはならないが、良い気分にはなれる。

※注※世間一般のベロベロ≠じゅんじゅんのベロベロ


2つ目は、照明。

オフィスのような青寄りの白い電気だと、なんだか酔いが覚めてしまう。

暖色系で、少し暗めが好き。

安くても煌々と明るい酒場は、何となく避けてしまうので、自分にとって重要なポイントらしい。


3つ目、距離感。

立ち飲み屋さんには1人で行く事が殆ど。

私が至福を噛み締める、大事な時間なのだ。

店員さん、常連さんが居たとしても、話したり、打ち解けたりはしたくない。

気取ったり、毛嫌いしている訳では勿論無くて。

ただ、波風が立たない夕凪のようなこの瞬間を、大切にしたいのだ。

グイグイ話しかけてくる呑み屋さんは、あまり行きたいと思わない。(忘れられた頃にコッソリ行く。)

あまり深入りし合わないからこそ、当たり前かもしれない入店時の「いらっしゃい」や、退店時の「ごちそうさまです」が心にあたたかく感じられる。

カウンターで名前も素性も知らないスーツ姿のサラリーマンと肩を並べて食べ呑み、端に置かれたTVに目を向ける。

勿論、話をすることはない。

けれども私には、この空間や時間、美味しさを共有している隣の知らない誰かが、とても親密で親愛なる人間だと思えるのです。

親しくなる事は悪いことではない。

ただ、近付き過ぎて壊れてしまうものも、実は山程あるのだ。

私は、大切な人や場所こそ、程良く、長くお付き合いしたい。

そう思っています。

高円寺にきど藤という立ち飲み屋さんがある。

ここはいくつかルールがある。

きど藤で検索するとたくさん出てきます。

厳しい的な話を見聞きしてたので、私も初めて行った時はすごく緊張した。

でもいざ入ってみると、全然普通の立ち飲み屋さん。

ルールも、泥酔して来店しないでねとか、匂いのキツすぎるタバコはやめてね、とか、当たり前のことばかりだ。

お2人で切り盛りされているので、いきなり沢山注文したりはNG。

でもこれも様子を見ていたら、言われなくても察しのつくルールである。

タッチパネルの居酒屋さんではなく、店にも呼吸があるのだ。

寧ろそこが大衆酒場の醍醐味ではないだろうか。

カウンターの空いているところに立ち、荷物を足元のフックに掛ける。

10円以上の小銭をカウンターの上に出す。

多くの立ち飲み屋が、このキャッシュオン形式である。

注文すると、提供時に店員さんが代金をそこにある小銭から取ってくれる。

1000円札ならまだ渋い顔はされないが、万札は確実に良くない。出来れば小銭を持って行くのが良いだろう。

前にあった隣のカウンターへ続く窓に日本酒自販機が置かれ、お店が縮小されていた。

こんなところにまで余波が。

大変な中、お店を続けていてくれて、本当に本当にありがとう。

気付いた時に来よう。

お金落とそう。

ここには無くなって欲しくない。

サッポロラガー赤星。

赤星ですよ赤星。

しかも中瓶なんと390円。

呑兵衛なら、特にビール好きならば飛び付かない訳がありません。

瓶ビールをグラスに美味しく注ぐには、まずドバッと泡を立てるように注ぎます。

泡が落ち着いてきたら、泡がグラスのふちにくるまで細く静かにビールを注ぐ。

更に少し泡を落ち着かせ、最後に再び細く、出来れば高い位置から注ぐ。

するとどうでしょう。

7対3の黄金比に加え、このこんもりした泡。

見よ!!って感じ。

これをカウンターで1人で作るのが至福なんじゃい。

ちなみに注ぎ方はサントリービール工場の見学した時にご享受賜った。

ビール工場見学、最高だよね。

タダで見学できて、最後にビールも呑めるのです。

今は中止してるのかな。

また行きたい。

数ヶ月に一回くらいの来店頻度なのだが、店員さんに顔見て「あ、いらっしゃい」という反応をされる。

お、覚えられている、のか。

距離感が云々という話をしたが、こういうのはすごく嬉しいのだぞ。ツンデレかな?

いつも食べるとりわさ。

なんと250円。

柔らかな鳥身に、キリッとした山葵。

最高です。控えめに言って、最高です。

とりわさ写真にちょっと見切れてたこの子は私のお財布。

コリラックマがまぐち。

4〜5代目くらい。

絵柄違いで、新品のストックがあります。

酔っ払ってすぐ大事な物を紛失するので、紐付き。

数年前にお姉ちゃんが「じゅんすぐ失くしちゃうからこれあげる!」と、ゲームセンターで取ってきてくれた。

鍵と携帯と財布は、無くすので首から下げる。

最近やらかしてないので油断してポケットに入れている事が多い。

首、凝っちゃうんだよ。

財布の中身が多いわけではなく、三つも下げてると、という意味である。

中身が多いわけではない。(大事な事なので2回言ってみた。)

赤星をおかわりして、これまたいつも頼む肉豆腐。

180円。

豆腐半丁、このボリュームで、180円。

熱々で寒い夜にぴったり。

熱燗呑みたくなっちゃうよね。

一口より少し小さいサイズに箸で切り、汁に付けて食べる。

これは無限に呑めるのではないだろうか。

つまみがあと少しあるからもう一杯呑もう→酒があと少し残ってるから何かつまみ頼もう→この無限ループが始まると最後。

回遊魚のように呑み続け、閉店するまで帰れなくなる。

昨日はここで区切りが良かったのでおしまい。

空いた皿とグラスをカウンター上に上げてテーブルを拭き「ごちそうさまでした」と言って店を出る。

赤星390円2本、とりわさ250円、肉豆腐180円。

締めて1210円也。

レコーディング頑張ったご褒美。

帰りにSEIYUで氷結シャルドネを買って帰宅。

呑みかけで爆睡。

疲れてたのかな。

久々にひとり立ち飲みを堪能した夜だった。

きど藤、高円寺に来た際には是非。