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甲斐犬 源狼犬舎

動物愛護管理法2021年以降の改正について

2020.10.13 09:00



動物取扱業者を規制する動物愛護管理法が強化されつつありますが来年度にもまた新たな規制が入りそうです。


現在環境省から「動物の適正な飼養管理の具体化」について案が出され繰り返し検討をされている所ですが、正式決定は秋以降になる見通しのようです。

決定されれば、以降の可決を以て、2021年度の改正となると思われます。


内容については多くありますが、下記4つが特に大きく当犬舎には関わってきますので現在(案)として出ている部分の一部を以下に具体的に記載しますが、まだ検討の段階ですので、内容については考察や推測が含まれます。


●飼育頭数の規制

●飼養設備の具体化

●交配、出産の制限

●動物の飼養又は保管をする環境の管理に関する事項


これらを個別に具体的に見ていきます。



●飼育頭数の規制

飼育頭数の制限については、従業員1人あたり繁殖犬は15頭、販売犬は20頭。

繁殖犬は繁殖をするブリーダーや犬舎等が該当すると思われ、販売犬については繁殖を行わず販売のみを行うペットショップの様な形態だと思われます。

繁殖犬の場合の従業員とは動物の世話をする8時間勤務を基準とした従業員という事で例とすると販売や事務作業等を行う従業員は人数に含まれません。


●飼養設備の具体化

飼養設備の具体化については、「運動スペース分離型」「運動スペース一体型」の二つに具体的に分けられ数値化されます。

「運動スペース分離型」は寝床や休息場所となるケージと運動スペースを分離する設備。

室内でケージで飼育しているようなケースや屋外犬舎でも新基準(案)を満たさないケースが該当すると思われます。

「運動スペース一体型」は寝床や休息場所と運動スペースを含む一体型の設備。

屋外の大きな犬舎で飼養しているようなケースが該当していると思われ屋外犬舎で飼養しているだけでは該当しません。



「運動スペース分離型」の具体的数値

★縦:体長の2倍 横:体長の1.5倍 高さ:体高の2倍 を必要とする。

 「運動スペース一体型」の基準(後述)と同一以上の広さを有する運動スペースを確保し
 1日3時間以上運動スペースに出し運動させることを義務付け

★運動スペースは、常時運動に利用可能な状態で維持管理することを義務付け

 現行の市販ケージの場合、中型犬以上では要件を満たす事はかなり厳しい状況です。


「運動スペース一体型」の具体的数値

★分離型のサイズの床面積の6倍×高さが体高の2倍(2頭まで飼養可)
 3頭以上飼養する場合は、1頭当たり3倍の床面積



●交配、出産の制限

★牝犬の出産年齢は原則6歳まで

★牝犬の出産回数は原則6回まで

但し7歳の時点で出産回数が6回に満たない場合は7歳まで出産可能。

出産回数が6回になれば、7歳に達していなくても次の出産は出来ません。



●動物の飼養又は保管をする環境の管理に関する事項

★動物の健康に支障が出るおそれがある状態(寒冷時や高温時に動物に発現する状態)の
 禁止、温度・湿度計の設置を義務付け

★臭気により環境を損なわないように清潔を保つことを義務付け

★自然光や照明による日照サイクルの確保を義務付け



これら以外にも案として挙がっている事は多くありますが、大きく関わるところを抜き出してみました。


現在当犬舎では室内飼育、そして本業は別にありますので、常勤の8時間勤務でなければならないという事になると通常の生活が成り立たないという問題が発生します。

現在、日中は仕事をし、夕方から日付が変わる頃迄、時にはそれ以降も全頭の犬の個別管理や運動に時間を費やしていますが、、、


飼養設備が現状の設備で満たせなくなった場合、最低限の大きさの設備に変えたとしても1日に1頭あたり3時間の運動時間を確保出来るのか?

この条件を満たす事はほぼ不可能です。


では3時間の運動の義務から外れる、「運動スペース一体型」の大きな犬舎を屋外に作る、或いは専用の運動場を作るという事になると東京では西部の奥の方でなければ先ず不可能でしょう。

例え作れるスペースが有ったとしても、近隣への配慮の問題も出てきます。

東京も昔は犬は外が当たり前でしたが、今は行政が室内飼育を推奨している時代であり外で飼育されている犬を見かける事はこちらの地域ではほぼありません。


もしこの通りに法改正が成れば来年からどうするのか、廃業か継続か、継続の場合はどのように実現するのか、東京以外なら続けていく事が可能かもしれません。


ペットショップも繁殖者もかなり厳しくなると思いますし、廃業する動物取扱業者が多く出るのではないかと想像出来ます。