山本祐司
2020.10.09 05:20
応用生物科学部・農芸化学科・教授
「非アルコール性脂肪肝(NAFLD)の玄米摂取による改善効果とその分子メカニズムの解析」
NAFLDは生活習慣の乱れにより肝臓中に脂肪が蓄積する原因不明の健康問題である。NAFLDは慢性炎症疾患であり、その後に肝癌を発症するなど極めて重篤な病気へと進行することから、その原因究明と予防について研究がなされている。本発表では、玄米摂取によるモデル動物を用いた予防効果およびその分子メカニズムについて発表する。
研究テーマ
・結節性硬化症原因タンパク質TSC2の機能解析
・メタボリックシグナルによる癌の発症メカニズムの解析
・食品成分による生活習慣病予防のメカニズムの解析
生活習慣病は基本的に生活習慣の乱れから生じ、糖尿病や脂質異常症や動脈硬化症など様々な病気に直結している。私たちの研究室では、そのインスリンシグナルなどの細胞内シグナル伝達機構や脂質代謝を制御する転写調節がどのように関わっているかを明らかにし、また食品成分などにこれらを改善できる天然有機化合物が無いかを、網羅的スクリーニングにより同定を試みている。また、インスリンシグナルの仲介因子であるTSC1/2の機能不全によって発症する家族性腫瘍である結節性硬化症に着目し、モデル動物を用いながらメタボリックシグナルと発癌メカニズムの関係性に着目し、解析を行っている。