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過去の出来事

和俗童子訓7

2020.10.09 08:34

貝原益軒著『和俗童子訓』7

凡小児をそだつるには、もはら義方(ぎほう)のをしえをなすべし。姑息の愛をなすべからず。義方のをしえとは、義理のただしき事を以、小児の、あしき事をいましむるを云。是必後の福となる。姑息とは、婦人の小児をそだつるは、愛にすぎて、小児の心にしたがひ、気にあふを云。是必後のわざはひとなる。いとけなき時より、はやく気ずいをおさへて、私欲をゆるすべからず。愛をすごせば驕出来、其子のためわざはひとなる。


【通釈】

およそ小児を育てるには、義方の教えを中心とするのがよい。姑息な愛をかけてはならない。義方の教えとは、義理の正しい事によって小児の悪い事を戒めるのをいう。これは必ず後の幸福となる。姑息とは、婦人が小児を育てるのに、つい溺愛して小児の心に従い、気に入られるようにしてしまうのをいう。これは必ず後のわざわいとなる。幼い時から早く気ままにするのを抑えて、私欲を許してはならない。愛をかけすぎれば傲慢となり、その子にとって禍となる。