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「役に入り込む?」のこと。

2020.10.09 11:09

栃木での2日間の撮影と、4日間の滞在が終わり、東京に帰っております。


正直、なかなか過酷な時間でした。

でも、頑張った。


頑張るのは、当たり前だけど、

それはそれとして、頑張ったよ。



僕も高校演劇からはじまり、8年くらい演技をしてきたけれど


そんなにやってきたのが信じられないくらいに

未だに演技ってよくわからん



だけど、今日の現場を経験して気づいたことは


役を演じるとき、大きく2パターンあって


ひとつは、段取りとか見せ方とか表現方法を自分なりに計算しながら、演技するときと


もうひとつは、

その気持ちに入り込んで、自分の操縦士になったような感覚になって、頭では、ほとんど何も考えず、ただ体の動きだけを操作して、その役を演じるときと


あるなあと思いました。



ゾーンに入るって言うのでしょうか

とんでもない驚異的な集中力がその瞬間働いて、体が乗っ取られたような感覚になるときがあるんです。


それが今日でした。


あと、ちょうど先日オンエアされた「俺たちはあぶなくない」で演じさせていただいたUber Eatsの兄ちゃんの役。


この2回だけ。



これは、入り込もうと思っても、入れるものではなく

その、とんでもない集中力が働いたとき、突然その瞬間が訪れる。



ちなみに、今回の栃木での撮影は、時代劇で、槍を持って出撃するようなシーンがあったのですが


本番、走ってる最中、泥が自分の目元にかかったあたりで、まるで自分の中の何かが燃えるように、アドレナリンが一気に上がって


「殺してやる!」という気持ちになりました。



いままで、私生活でも、役でも、そんな気持ちになったことはありませんでした。


初めてでした。



そこからは、その殺気に身を任せるだけ、でした。

不思議な瞬間です。こわいくらいに。


だけど、ヒートアップしても、操縦士の自分はあくまで冷静なのです。


周りに危険がないかとか、次の動きの段取りはどうだったか、とか、ものすごく冷静に見ているのです。


自分がふたりいるような感覚です。



役に入り込む、それこそが、役者だ。

という価値観もあるでしょうが


僕は常に入り込みすぎないように注意しているのです。


ライブなどでも。



周りが見えなくなるのがこわいからです。



入り込むことで、独りよがりになったり、あるいは、自分がどう映っているかを考えなくなったら、それは良くないことですし


悪い意味で俳優気分になって、自分の演技に酔いしれちゃったりしたら、それはもう最悪です(笑



だから、入り込む瞬間が、必ずしも正解とは限らないなと思うわけです。



常に、自分はこの人物を"演じているんだ"という感覚を必ず持っていないと


ホントにイタいひとになりそうだから。



なんか、

最近まで、自分にしかやれないことってなんだろうって考えていたのですが


それはそれで大事だけど、

"誰でもできるようなこと"がちゃんとできることも、ものすごく大事だなと思いました。



本当に日々勉強です。

本当に、謙虚ぶるわけじゃなくて、

本当に分からないことだらけです。


だから、「芝居ってのはさあ〜」なんて語れる立場では全然ないんですけど



ただ過酷で大変だっただけじゃなくて、

ひとつでも多くのものを得て、持ち帰って、自分の血肉にしていきたいものです。