遠く離れたニューヨークで東日本大震災に想いを馳せる意義〜追悼行事を通じて感じた日本人としての結束力〜
こんにちは。Crossoverの起業家支援プログラムに参加し、2か月間ニューヨークに滞在をしました木村薫子です。
2020年は豪雨災害、2019年は台風による甚大な被害など、日本では災害が多く発生しています。
阪神・淡路大震災や東日本大震災においては、その教訓を忘れないため、犠牲者を追悼するための行事が開催されています。実は、このような震災関連の追悼行事はニューヨークでも、毎年開催されています。
海外でも、日本の震災について考える行事が開かれていることは、世界中で同じ思いを共有する仲間がいることを実感でき、日本人として心強く勇気が湧くものです。
また防災という観点からも、それぞれの地域の強みを生かして協力し合えば、減災や防災に向けての画期的な解決策が生まれるきっかけになるかもしれません。
今回の記事では、ニューヨークで開催されている追悼行事について、実際に参加した感想とともにご紹介していきたいと思います。
ニューヨークでいきる県人会のつながり。故郷への想いを新たにする追悼行事の意義とは
滞在中に、日本の震災関連の2つの追悼行事に参加をする機会がありました。
ニューヨークでは、日本各地の県人会が活発に活動していて、わたしは自分の出身地である宮城県と、祖母の家がある福島県の県人会と連絡をとることができました。
そのつながりから、ニューヨークで開催される東日本大震災のチャリティーコンサート(CUPA新春GALA~日台米親善ファンドレイジング コンサート「歌の架け橋となって」)について知り、参加することができました。
また、すでに帰国してしまっていたため参加できませんでしたが、毎年3月には「TOGETHER FOR 3.11 東日本大震災 追悼式典」が開催されていることも知ることができました(2020年は新型コロナウイルスの影響で中止)
加えて、JaNetの活動で、阪神・淡路大震災の追悼式典に参加することもできました。
わたしがこれらに参加してまず驚いたことは、出身地がもたらす連帯感の強さです。異国の地で出会う同郷の人々は、はじめて会うにも関わらず、どこか懐かしさを感じさせてくれます。
そのように無意識のうちに生まれる同属意識が、母国とは文化も言語も違うこの地で共に頑張っていこうと、不思議なほどの結束力をもたらしてくれるのかもしれません。
また、震災を乗り越えてきた過去を共有し、今まで育ててくれた家族や友人がいる故郷のために、今この地で全力を尽くしていこう、還元していこうと想いを新たにする機会が、このような追悼行事なのだと思いました。
追悼行事を通じたつながりが、減災・防災へのきっかけに〜地域を越えた対策へ〜
常に災害と隣り合わせの国、日本。未曾有の被害により、今もなお癒えない傷を抱えている人々は大勢います。
わたしは、日本から遠く離れたニューヨークから、被災した方に深く想いを寄せることは、大変意義のあることだと考えます。
どれだけ月日が経っても震災を決して忘れないこと、それぞれの状況でできることを考えて減災・防災のために行動することは、減災・防災を願い、対策こそ重要であることを示す、前向きなメッセージともなります。
日本国内だけではなく異国の地でも、その日を振り返り、教訓を思い返し、そしてそれを未来へと繋げようと心に刻む人たちがいることを、日本にいるより多くの人に知ってもらいたいです。
なぜなら、世界中で「日本における減災・防災」という同じ目標に向かう仲間の存在に勇気付けられ、地域を越えた交流が生まれるかもしれないからです。
そしてそのようなつながりにより、新しい解決策も生まれるかもしれません。
ぜひ、国内だけでなく、海外でどのような追悼行事が開かれているのか、どんな思いでどんな行動をしている人たちがいるのか目を向けていただきたいです。そうした気づきが、震災のために行動する一歩になると考えます。