「Foster&Son」のシューツリー、歴史を物語る
1840年創業の「Foster&Son」は二つの世界大戦を超えて、
持続的な経営をしてきた。
(写真元:WS Foster&Son Limited)
社史によれば、1941年の第二次世界大戦で当主の
フォスター氏を失うも、敷地を爆撃で失ったチャールズ
チェスター氏と事業を合併する。
そして事業の再起をかけた場所が、5イーグルプレイス
ワークショップ。そこからすぐに移転したのが、
5デュークオブ・ヨークストリート・セントジェームス
であった。
その後、1966年に83ジャーミンストリートに
ショップ&工房を移し、現在に至っている。
写真のシューツリーに付けられたロゴには、
『Foster&Son 5.DUKE OF YORK ST.』と記されている。
然るに、このシューツリーは1945年前後~1965年
の間に製造されたもの。
さて英国の名門シューメーカーであった、「Peal&Co」は
400年に渡る伝統の幕を1965年に下ろした。
この名門ブランドは、「BrooksBrothers」に引き継がれた
が、靴の製造はEdwardGreen、Crockett&Jones、
Church's、Cheaney、AlfredSargent、Loake、という
英国を代表するシューメーカーに製造を委託していた。
(米国のALDENやAllenEdmonds、近年ではイタリア
のメーカーが担っている)
一方、「Peal&Co」のロゴマークは、同社から
「Foster&Son」に移ったテリー・ムーア氏(後に
伝説の靴職人と呼ばれる)達と共に移動した。
1965年は、このような英国の靴業界で大きな出来事
があった年である。
この年に生まれた私は、それ故に「Peal&Co」
「Foster&Son」にとても強く惹かれる。