BLOG|Day41「人生のご褒美みたいなもの」
10月11日(日)で、舞台「みどりの山」は終わりました。
たった41日間のかけがえのない日々でした。
10人の俳優と、その何倍もの支えてくれたスタッフと、その何十倍何百倍のお客様と共に過ごした日々でした。
この期間の間に出演させて頂いた「刑事7人」や「林先生の初耳学」の放送があったり、「ミッドナイトスワン」のブログを多くの方に見て頂けて、とても嬉しかったです。
(初耳学の動画は、YouTube公式アカウントで現在36万回再生超え…!)
ある時、ある関係者がぽつりと控えめに笑いながら教えてくれました。
「あんな大きくて広い舞台に行くのは初めてで、今まで頑張ってきた人生のご褒美みたいなものなのかなって」
人生の中で、こんな瞬間に出会えるチャンスはきっとそうなくて。
誰かがそんな瞬間に出会うことも、そうなくて。
この舞台、絶対成功させたいって強く思いました。
これが頑張りすぎてしまって、少し空回ってしまっちゃったのは内緒にしときたい。
三鷹 星のホール
三鷹星のホールは、とても素敵な劇場でした。
あんなに広い舞台で多くの人に見られる中、芝居ができるなんてとても幸せでした。
客席もソーシャルディスタンス以上に距離を取っていても、舞台の大きさに比例したら、大劇場に比べて近い客席で、きっと芝居の隅々まで見ていただけたはず。
横に広く高さもあって、奥行きは縦横ほどない。
こんなに素敵な場所は、会話劇にぴったしで。
あの距離感で、あすこさん(阿波屋鮎美)と対峙して会話できたことは、俳優として大きな財産です。
感染症対策
感染症対策も、とても厳しく管理されていて安心でした。
でも何より、全員がこの公演を成功させたいと思っていたからなのは間違いない。
帰り道、同じ電車やバスに乗っても、言葉を交わさず、降り際に、大きなバイバイだけ。
稽古場や劇場近くの美味しそうなお店を見つけても、「美味しそうだね」「うん。美味しそう」だけで、誰も一緒に行こうなんて言わないし行ってなかった。
寂しいけどね。
必要最低限しか喋らなくて、どんなものが好きなのか、休日は何してるとか、何も知らない。
でも、もっと大変だったのは間違いなくスタッフの皆様。
誰かが少し触っても、すぐ消毒。また誰かが触っても、すぐ消毒。座席の近くで作業したら、またその座席は消毒。もちろん自分の体調管理も併せてだから、これは大変大変、この世は地獄です。(劇中の西さんのセリフをお借りしました。)
感染症対策は公演が終わってからも、まだ続いてて。
本当に今は気を付けながら、祈るばかりです。
演劇するために集まっていた
あわやさん(阿波屋鮎美)がTwitterでつぶやいていた、「演劇するために集まっていた」って言葉通りの日々でした。
演劇しかしてなかった。
とても幸せな日々でした。
稽古場はオープンで、ハラスメントなんて一切なかったし、「みどりの山」で出会った方は愛が深くてプロフェッショナル。
稽古場も広くて、換気もしっかりしてて。
ご飯食べるときは、距離をとるためにみんな視界から消えてました。
ただ机の上に残る私物たち。
稽古再開始の時間に戻ってくる人たち。
恐ろしいくらいに演劇しかしてなかった。
劇評や感想
注目されているMITAKA“Next”Selectionには、多くの演劇人の方が足を運んで下さった印象です。
代理出産という難しいテーマ。
立場や考え方によって意見が対立しやすいテーマだと思います。
様々なご感想を頂きました。
「みどりの山」から、考える種が1つ増えてくれれば作品として意義があったと、参加者の1人として思う終演後の日々です。
厳しいで有名な男子校で育った自分としては、出産というテーマについて考える時期が比較的遅かったことが、他の人との差を感じれてより良く考えさせて頂く機会でした。
当日パンフレットに記載させて頂きましたが、
2022年2月2日(水)〜2月27日(日)
お布団
CCS/SC 1st expansion:ナイトドミナント《夜を治める者》
に出演を予定しております。
1年以上も先の話ですが、
あっという間にできるように、
多くの方や作品に出会い続けて、レベルアップし続けます。
まだまだ書きたいことがありますが…
1番の想いは、
Pityman「みどりの山」が、これからも多くの方に気にして頂けますように。
脚本・演出:山下 由
2020年10月2日(金)〜11日(日)
≪あらすじ≫
最近はよく母のことを思いだす。
阿波屋鮎美、北村美岬、黒木龍世、小林涼太(ピストンズ)、齋藤亘、藤井治香(le 9 juin)、藤田りんご(Pityman)、村田正純、吉岡あきこ、四柳智惟