韓国のアイドルはレベルが高いというが…
韓国国内でも、アイドルとアーティストは一応ジャンル的には分かれていて、アイドルは比較的小馬鹿にされる割合が多い。大したことのできない(実力はない)のがアイドル…と言う風に。 確かに舞台でキラキラ輝き笑顔を振りまくアイドルたちは、パッと見優れたルックスと愛嬌を振りまいていればいいんだろう…と思われがち。だが、徹底されたトレーニングを数年に渡り受け、それに耐え抜いた末にデビューしているアイドルの中には、一般的なアーティスト枠にいる人たちに引けを取らないどころか、実力的に上回っている人も少なくない。
今は特に、貰った楽曲を覚えてそれに合わせて踊って歌うだけではなく、自主制作アイドルが幅を利かせてきている。もちろん、すべての作業を行うわけではなく、裏方の大人たちの手も加わっているわけではあるが、それを言えば作曲家もチーム制でやっているところも多く、マスタリングなどはお手上げで主軸になる作曲しかやらない(やれない)人も普通にいる。
ステージに立っていない時の彼らを動画で配信している事務所も多く、そういうものを覗き見ると、自分で音楽ソフトを使って曲を作る、楽器を使って作曲する、常に言葉をメモっては作詞する…と、やってることは普通のアーティストと違わない。日本の表立ったアイドルがこれをやっているのは今もまだ滅多に見かけない。
韓国ではヒップホップブームということで、ラッパーの知名度も如実に上がってきているが、今やアイドルラッパーも鼻で笑えない時代になってきている。ぶっちゃけ実力的に見ても、アンダーグラウンドから出てきたラッパーと、数年訓練を積んできたアイドルラッパーにたいして実力の差が感じられない時もある。 となると、顔もそこそこ整えてあってラップもうまくて愛嬌も振りまけてのアイドルラッパーの方が価値があるように思えてくる。
アイドルだからラップは適当にしか練習してません…ということは少なく、多くのアイドルラッパーはデビューの入り口をアイドルにしているだけで、自分なりのラッパーとしてのアイデンティティをしっかり確立している人が多い。なにせ、アイドルを養成する事務所には、それらを育てるプロフェッショナルがバックについている。がむしゃらに独学でラップを練習して這い上がってくるアンダーグラウンドのラッパーよりも、時に実力が上回るのはむしろ至極当然な気さえする。
と、ここまでが前置きと言うとぐったりされそうだけど(笑)
今回の主軸はラップではなくてだね、韓国のアイドルはレベルが高いと言われることが多い。確かに出てくるグループあれこれと実力の高いグループがたくさんいるので、もう「韓国人」がそもそも体格とか骨格的にそういうレベルが上がりやすい基礎を持っているんじゃないか?なんて思うようになってたんですよ、いつの間にか。
だけど…やっぱりそういうわけじゃなかったというのをぜひご確認頂きたく…。
こちら、今年の3月に人知れずデビューしたHolicsというガールズグループなんですが、ご覧のとおり…それはもう頼りのない歌唱力と、若干見ているこちらが照れてしまいそうなラップ、10年くらい昔の映像なのかと思わせるほどの素朴さ(?) これでも軽いお直しはしているけど、それでもこれぞ韓国人!というタイプのお顔たち。そうですよ、街を歩いている子たちの中から気持ち気になる子たちをピックアップしたらこんな感じになるでしょう。
何が言いたいかというと、韓国のアイドルを目指す子たちの多くはおそらくこのレベルだということです。ある程度知名度のある事務所から出てくるアイドルたちは、1級のトレーニングを受け、さらにそれに耐え抜き、トレーニングに比例しきちんと実力が上がる子の中から更に砂金を探すかのごとくふるいにかけられ続けた、ほんの一粒一粒で構成された特殊部隊なんだということ。今更なにを当たり前のことを…と言われそうだけど、彼らがどれくらい過酷な状況を乗り越えて来てのデビューなのか?というのが、年間何百組と出てくるアイドル飽和時代の今は、若干忘れがちになってしまうことも多いですから。こんなに出てくるんだから、若者の半分くらいはホイホイアイドルになってデビューしてんじゃね?くらいに。でも、そんなことはないですよ当然!ということです。
そこで脱落してきた子たちを拾って、なんとか安価に輩出して少しでも儲けられないかな?と画策する超弱小事務所などから出てくるグループは、言葉は悪いが”出来損ない”の実力不足の子たち。デビューできただけ本人たちは少しは気持ちが満たされるかもしれませんが、砂金だけでも溢れていて、同じ砂金のはずなのにタイミングや仕掛け方のちょっとしたミスで没落していく…そんなアイドル氾濫時代に当然勝ち残れるはずもないのは目に見えています。可哀想だけども。
こういう子たちをひたすら地道に応援するのもいいけど、今表舞台である程度の存在感を示しながら活動出来ているグループの子たちの、その貴重さをもっと噛みしめて噛みしめてかみ砕くほどに味わいながら、K-POPライフを満喫して欲しいものです。