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ヒートショック防止の予備暖房 浴室換気乾燥暖房機

2020.10.29 03:00

ヒートショックを防ぐための導入が急増

「浴室換気乾燥暖房機」は、浴室内の換気機能だけでなく、暖房機能・乾燥機能等を兼ね備えている設備機器のこと。1980年代に登場し、今では「予備暖房」「涼風」「24時間換気」「ミストサウナ」「風乾燥」などの機能が付いた機種も増えて、多機能化が進んでいます。

浴室換気乾燥暖房機の普及に拍車をかけた大きな要因は、家庭内事故の中でも特に問題となっているヒートショックです。対策として入浴前に浴室内を暖めて脱衣室と浴室内の温度差を解消することの重要性が叫ばれるようになり、「予備暖房機能」を持つ浴室乾燥暖房機の需要が一気に広がりました。また夏ののぼせ防止に有効な「涼風機能」も快適かつ安全に入浴するための機能です。

「乾燥機能」は乾燥時間の短縮や節電化が年々進んでいます。近年、雨に限らず花粉・大気汚染・また高層マンション事情などで洗濯物を室内で干す家庭が多くなったことから、各メーカーでは乾燥機能への取り組みに力を入れています。

「風乾燥機能」は、送風と温風を使い分けてゆっくりと衣類を乾燥させることで節電効果を上げています。「ミストサウナ」は、お湯を霧状に噴射る機能です。40℃前後と通常のサウナと比較して温度が低いため、息苦しくないのが特徴です。



商品選びのポイント

利用エネルギーによるコストの違い

商品選びのポイントは、ガスと電気のどちらのタイプを選ぶかという点です。給湯システムなどと共にトータルで考える場合は、光熱費を比較して選ぶ必要があると言えます。単体の場合は、施工が比較的簡単な電気を選ぶケースが多いようです。



1分間で理解する浴室換気乾燥暖房機

《チェック1》 

ヒートショックとは?

ヒートショックとは急激な温度の変化で体にダメージを受けること。人間の血管は、暖かい場所から寒い場所へ移動すると、熱を逃がさないよう収縮し血圧が上昇します。とくに冬場の入浴は、危険。裸で寒い浴室に入ると血圧が上昇。今度は湯船に入ると逆に血圧が低下するとともに、発汗作用で水分が失われ、脳梗塞などのリスクが高まります。


《チェック2》 

浴室換気乾燥暖房機 3つの設置タイプ

浴室換気乾燥暖房機には、設置位置によって3つのタイプがあります。「天井埋め込みタイプ」と「天井取り付けタイプ」と「壁付けタイプ」です。

ユニットバスには天井埋め込みタイプが、在来浴室には壁付けタイプが一般的です。ユニットバスに後付けで天井に取り付ける場合、天井裏の懐の高さが足りない現場では、埋め込みではなく天井取り付けタイプを取り付けます。


2室換気と3室換気に注意

換気には浴室のみ換気する1室換気タイプの他に、風呂と洗面所など、2つの部屋を同時に換気している2室換気タイプ、また風呂と洗面所とトイレの3か所を同時に換気する3室換気タイプがあります。トイレの換気を作動させると浴室や洗面室も作動する場合は3室換気です。マンションは3室換気が多くなっています。浴室換気乾燥暖房機を発注する際、2室・3室換気の場合はダクトを接続する穴の数が多くなるため、指定をする必要がありますので注意が必要です。



トレンド

従来、「浴室を乾燥する」「雨の日などの衣類乾燥に使用する」といった用途が主流でしたが、近年は、予備暖房、つまり、ヒートショック防止のために導入するというケースが増えています。人の入退室を自動で感知し、温度を変化させるなど、ヒートショックを防ぎながら、快適に過ごすための機能が充実してきています。また、ミストサウナ機能や除菌イオンを発生させ、浴室のカビ発生を防ぐ機能などもあります。