水コン・ファイナリストインタビューVol.3 柴真緒さん
今回は水コンファイナリストNo.3の柴真緒さん(理学部生物学科・3年)にお話を伺いました!
_水コン出場へのきっかけ
水コンに応募した理由は大きく分けて3つあります。
1つ目は「努力は成長へ、成長は魅力へ」というコンセプトに共感したからです。そのように感じたのは、私自身が「従来のミスコンは、可愛さなどの外面の画一的な美しさだけを求めているんじゃないかな」という疑問を感じたためです。一方で水コンには内面も外面も大切にするというコンセプトがあります。今年のコンセプトも「努力は成長へ、成長は魅力へ」というものだったので、私自身が努力して外見だけではなく内面も魅力的な人に近づいていくのを皆さんに見て頂くことで、水コンの良さを体現して伝えられるんじゃないかなと思ってエントリーしました。
2 つ目は、自分のことを知りたいと思ったからです。私は将来やりたいことや夢、目標が明確にありません。水コンでは自分を発信することが多いと思っていて、自分のことを他の人に伝えるためには自分のことをちゃんと分かっていないといけないなと思うし、水コンの活動で自分磨きをしていく中で、自分にはどんなことが向いているのかを確かめたいと思いました。
3 つ目は、私も徽音祭に関わって盛り上げたいなと思ったからです。毎年何らかの形で徽音祭に関わらせてもらってきて、1 年生の時は実行委員として活動したり模擬店を出したりしました。2 年生の時も、ネパールにスタディツアーとして参加した時の学術発表を行い、いろいろな方からフィードバックを頂き刺激を受けました。このように今まで楽しんできた徽音祭で、私ももっと主体的に徽音祭に関わり盛り上げていきたいと思いました。
_ファイナリストに選ばれての感想
面接の手応えとして正直ファイナリストに選ばれるとは思っていなかったので、メールを頂いた時にはとても驚きました。ミスコンのあり方について考えることが一番の目標だったのですが、それに対する知識は自分の中で足りていないと強く思っていたので大丈夫かなという不安もありました。そのためにジェンダー関連の知識をつけたり、自分の外見にあまり自信がなかったことからメイクの研究や筋トレを始めてみたりしました。
_水コンの活動で楽しいことと大変なことは何ですか?
楽しいことは、自分の良いところや見せたい自分について日々考えたり、身の回りに面白いことがないか探したりすることです。このような「SNS で発信できること」を探すのも楽しいですし、それに対する様々な反応やコメントを頂けることも楽しいです。
大変なのは、SNS で発信をする時に誰かを傷つけてしまっていないか、誤解されないか考えなければいけないことですが、その分反応して頂けた時は嬉しいです。
_柴さんの興味のある学問分野と社会問題について教えて下さい。
私は生物学科なので、植物に興味があります。散歩をしている時、「これ何の花だろう?」などと考えたり、自分で調べたりすることが好きです。興味のある社会問題はジェンダーに関する問題のうち、女性の地位や、女性がどういう風に社会で扱われているかなどといった問題です。自分が今後働く中で関わっていくことでしょうし、ジェンダー問題への興味が水コンに関心を持つことにもつながりました。
_今まで読んだ本の中で、おすすめの本を教えて下さい。
Instagram で紹介した『窓際のトットちゃん』は昔から読んでいるとても好きな本で、過去の投稿の中でも魅力を語っているのでぜひ読んで欲しいです。
また、ジェンダー関連の小説で親しみやすく良かったなと思ったのは、『82 年生まれ、キム・ジヨン』という本です。読んだことがある方も多いのではないでしょうか。私がまだジェンダー問題に詳しくなかった頃にこの本を読んで、「自分は無意識の内に生きづらい社会の中にいたのかもしれない」と気づくことが出来ました。読みやすく、ジェンダー問題に関心を持つきっかけとなるかもしれない本なのでおすすめです。
_柴さんが生物学科を受験したきっかけは何ですか?
幼い頃から博物館に行くことが好きだったり、「地球を守りたい」という漠然とした夢を持っていたりと自然に興味を持っていました。そして、地球を守れる仕事について調べた時に、レンジャー(国立公園などで自然保護を行う仕事)などの職業にも興味を持つようになりました。また、単純に中高の生物の授業がとても好きでもっと生物を学びたいと思ったこともきっかけの一つです。
_過去の経験の中で、印象に残っていたり、現在にも活かされたりしていると思うものは何ですか?
受験期に沢山勉強して、お茶大に合格したことは大切な経験です。また、去年の夏に、お茶大の国際共生社会論実習のスタディツアーでネパールに行きました。スタディーツアーでは、自分で一つテーマを決めて現地でそれについて調べる必要がありました。私は「ネパールにおける女性の地位」というテーマに決めたのですが、ネパール内でも都会と田舎で地位の格差が大きいと感じました。例えば、田舎では女の人が窓のない、土で塗られた壁の家に住み、仕事で牛を引いているのに対して都会ではビルなどが多く立ち並び、電気も利用可能であるというような格差を目にしました。
また、ジェンダーギャップ指数による評価は日本の方が若干高かったものの、政治部門での評価を比べると日本よりもネパールの方が高いというように客観的に見たネパールが予想以上に発展していることに気づきました。女子大に入って初めて、そういう問題について関心を持つようになりましたね。また、親元から離れてお金持ちの家に住み込みで働き、稼いだお金で勉強をして残ったお金は実家に送っている小学生を見て、社会問題により興味を持つようになりました。
_お茶大生、 Ocha Journal読者へのメッセージ
私はファイナリストとして水コンの活動を行う中で、水コンに関して本当に良いものなのかについては考える余地があると思うようになりました。そのため、今後は水コンやミスコンのあり方についても考えていきたいと思っています。お茶大はジェンダーの研究が盛んで、関連した授業も沢山あり、触れる機会も多いかと思います。私自身、お茶大に入って女性としての将来の過ごし方などに強い関心を持ちました。これからも更にジェンダー問題に関して考えを深めていきたいと思いますし、お茶大生の方にとっても私の活動がそういった問題について考えるきっかけになったらとても嬉しく思います。
私はこのインタビューを通して、外見だけでなく内面も魅力的な人になるために努力する柴さんの姿勢に心を動かされました。柴さんは水コンの活動の中で自分自身と向き合うと同時に、ジェンダーをはじめとした社会問題を考えている、と仰っていました。また、柴さんは普段から SNS を通して、水コンのあり方や水コンに出場する意味について常に探究し発信していらっしゃいます。このように、内面から魅力的になるための努力を惜しまない柴さんは、まさしく今年の水コンのコンセプト「努力は成長へ、成長は魅力へ」を体現する存在なのではないでしょうか。
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(ライター:ムカイ)