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日本庭園       The japanese gardens

「旧楠本正隆屋敷」長崎県・”Kyu kusumoto Masataka Yashiki”Nagasaki-pref.

2020.10.15 14:51

「旧楠本正隆屋敷」長崎県/”Kyu kusumoto Masataka Yashiki”Nagasaki-pref.

幕末、大村藩は小藩ながらも倒幕へ多大な貢献を果たし、中でも楠本正隆はその中心人物の一人として明治政府樹立後は新潟県令(知事)や東京府知事などを歴任し衆議院議員および衆議院議長を務め日本の地方・首都そして国家の近代化に大いに貢献しました。明治3年(1870)、大村に建てられた旧楠本正隆屋敷は江戸時代の武家屋敷の様式を踏襲する大変貴重なものです。しかし楠本正隆はこの屋敷の完成後すぐに新潟県令として離郷し、その後も多忙な人生を送り大村に帰ることはありませんでした。しかし屋敷と庭園は大村の人々によって大切に守られ現在に至ります。惜しいことに平成28年(2016)の熊本地震で庭の池の底に亀裂が入り私が訪問した平成30年7月の時点では池は干上がっていました。1日も早く修復され庭が本来の美しい池泉庭園としての景観を取り戻すことを願います。

旧楠本正隆屋敷は大村の高台に位置する武家屋敷群の一画にあります。式台(籠を直接横付けして草履を脱ぎ履きすることなく出入り出来る高貴な人専用の式台がついた特別な玄関、明治以降は車寄せに取って代わられ式台は消滅した)から座敷に上がると、客人はまず正面に植えられた目出度い松に迎えられます。座敷は天井が高く端正な書院造の設えです。欄間には華美な欄間飾りなどはありませんが、二種類の幾何学的かつ簡素なデザインの障子がはめ込まれ数学的で知的な美を生み出しています。付け書院の障子もやはりシンプルな絣のようなデザインで、障子を開くと外には端正な柚木型灯篭があり絵画的ですす。庭は大立石や石塔をいただく築山を背景にした池泉廻遊式で、池には三つの島が浮かび二島には松が植えられ、もう一島は二つの橋の中継ポイントとなっています。また、真っ白な石灰岩がアクセントになった護岸石組など庭内には多様な石が配されバラエティに富み見る者を飽きさせません。この庭は高名な京都の禅寺の庭でも実業家の贅沢な庭でも町家の雅な坪庭とも違い、侍だけが創出できる庭です。邸内から眺める庭は特に美しく書院造の座敷と一体化し、武家特有の高潔な美学に満ち、極力贅沢をおさえ質素でありながらも客人を出迎える極上の設えとなっています。座敷に入った瞬間その美しさに感銘を受ける人も多いのではないでしょうか。式台玄関の右横には露地の門があります。茶会に呼ばれた客人は門をくぐって母屋の外を回り飛び石伝いに座敷に面する庭へと導かれ腰掛待合に至ります。腰掛待合からは二つのルートがあり、池にかかる橋を渡って母屋とは別棟の離れの座敷へ、池の手前の飛び石を進んで母屋の茶室へ、招かれた内容や催される茶会によって動線の使い分けがなされています。この旧楠本正隆屋敷は明治3年の作ですが完璧に江戸時代の上質な武家屋敷の様式を踏襲しており一見に値します。大村市の海上にある長崎の空の玄関・長崎空港からもタクシーで行ける距離ですので長崎観光の際に時間を作って是非お立ち寄り下さい。また庭園の管理に関しては、高い精神性と技術を持つ京都などの庭師ならこの庭が持っている本来の美しさをもっと引き出してくれるのにな~と思わずにはいられませんし、そもそも邸内に何箇所かある手水の水が放置され筧も破損しており客を迎える心尽しのホスピタリティに欠けているのは改善すべきと思いました。ともかく池の修復を一刻も早く実現してほしいですね。

◼︎住所:  長崎県大村市玖島2-291-4

◼︎開館時間:午前9時から午後5時

◼︎料金:  大人(高校生以上)200円

      小人(小・中学生)100円

◼︎休館日: 毎週月曜日 (月曜が祝日の場合は開館、翌火曜が休館)

      年末年始(12月29日~1月3日)

◼︎アクセス:JR大村駅からタクシー、もしくはバス(上小路バス停から徒歩5分)

      長崎空港は大村にあります、空港からもタクシーで行ける範囲です。

It' Samurai's garden. This is the expression of the samurai's noble spirit. Samurai himself was a living art work.

In the late Edo period, the Omura clan/大村藩 of Kyushu Nagasaki fought against the Edo shogunate /江戸幕府 and made a big contribution to the establishment of the Meiji Government/明治政府. Kusumoto Masataka/楠本正隆 was the leader of the Samurai members of the Omura clan. In the Meiji era he became Governor of Niigata Prefecture and Tokyo Governor, contributed to the modernization of Japan, and lastly served as Chairman of the House of Representatives. His residence and pond garden remain in Omura city, Nagasaki prefecture. Sadly, a crack occurred at the bottom of the pond due to the Kumamoto earthquake in 2016 and the water has run out. I wish it to recover quickly. There is no water in the pond, but the garden seen from the mansion is very beautiful.The room and the garden are one and it expresses the noble aesthetics of the samurai. Worth seeing is very high. If you travel in Nagasaki you should definitely visit. "Kyu Kusumoto Masataka Yashiki" is a distance that you can take a taxi from Nagasaki Airport. It is closed on Monday. Visiting fee Adult 1 person 200 yen.

◼︎ Address: 2-291-4 Kushima, Omura City, Nagasaki Prefecture

◼︎ Opening hours: 9:00 am to 5:00 pm

◼︎Fee: Adults (high school students and above) 200 yen

Children (elementary and junior high school students) 100 yen

◼︎ Closed days: Every Monday (Open if Monday is a national holiday, closed on the following Tuesday)

Year-end and New Year holidays (December 29-January 3)

◼︎Access: Taxi or bus from JR Omura Station (5-minute walk from Kamikoji bus stop)

Nagasaki Airport is located in Omura, within easy reach of the airport by taxi.