作詞のハナシ-ワンコーラスで完結させろ-②
最初に。
これは、私が今まで関わってきた作曲家さんや作家さん、
そして及川眠子さんのご本やその他の様々なところで吸収し
自分の感覚に合ったものを好んで用いているやり方なので、
「違うよー」とか「合わないなぁ」と思った方はそっとページを閉じてください。
創作は自分の感覚がとても優先される行為だと思っています。
ご自身の感覚を信じてください。
ただ、作詞作曲について学べば学ぶほど、
作家さんの努力や途方もない苦労が偲ばれて、
なにより面白さにのめり込んでいる自分がいるので、
その面白さや裏側をちらっとでも垣間見せたくて、想いがあふれたときに書いています。
あまり一般には知られていないジャンルで、メジャーアーティストさんの「コンペ」というものがあります。
関ジャム という音楽系の番組ではテーマとして扱われることもあるので以前より認知している方は増えてきました。
ちなみに、2020.7/19 O.A.の
今井了介さん、丸谷マナブさん、河田総一郎さんの回はとても勉強になった回でした。
ただ、音楽関係以外のお友達に「コンペのお手伝いをしている」と伝えても、
きょとん
とした顔をされます。
コンペ曲の仮詞、仮歌のお手伝いをして学んだことはたくさんあって
その一つに
「言いたいことは1コーラス(1番)で完結させる」
というものがあります。
コンペ曲の募集は基本的に1コーラス、もしくは1ハーフです。
コンペに採用されればそこからフル尺を創ります。
つまり、伝えたいことや主題はその中に納めなければいけないということ。
そしてこれは、メジャー、インディーズに限らず、
全てのSSW(シンガーソングライター)さんに通ずることだと思いました。
料理でたとえるなら、
1番だけで充分「美味しい」ものとして成立させなければいけないのです。
2番は、その美味しさをさらに引き立てたり味に深みを出したりコクを出す為の、
いわば「調味料・薬味・スパイス・隠し味」的な。
あるいはそれは「盛り付けるためのお皿選び」だったり、
「お食事をいただくためにテーブルにお花を飾る行為」だったりすることもあります。
もう一段階深いところのお話で、
「表現は足し算ではなく引き算」
(お料理の世界やお芝居の世界でも似たような考えがあると思います)
を最終的には目指して向かうわけですが、
とにもかくにも1コーラスに命をかけるべきだと、私は思うのです。
先日、10/8にいつもお世話になっている北参道グレープスさんの「新曲 書き下ろし企画」に出演させていただきました。
テーマは「おにぎり」。
おにぎりをもとに、各アーティストが1曲書いてきたものを披露するという主旨で、
ああ、これはまさにコンペのようなものだな
と私は勝手に思い、
そのアプローチから楽曲を制作していき
「Day Tripper」という新曲を創りました(テンポ170)。
その裏話は他のブログでもちょこっと呟いたので、もしよかったら読んでみてください。
ちなみに、今ちょっと気に入っているので10/17のLDH Kitchen 配信ライブのセットリストにも「Day Tripper」を加えてあります。
最近はアップテンポの曲を歌うのが楽しいです。
"卵が先かニワトリが先か"問題のように
メロディの方が大切なのか、
それとも詞の方がより大切なのか、
一時期深く考え、作家さんとがんがんに話し込んだことがありますが、
今の結論から言えば「どちらも同じくらい大切」で、結局お芝居と同じく、
「楽曲は総合芸術」だということです。
良い曲とは
メロディだけでも
作詞だけでも
歌い手の声や歌唱だけでもなく
それに加えて楽曲のアレンジやプロモーション、そして時代の流行り廃り、
全ての総合的な力によるものが大きいと考えています。
けれども、メロディの力だけで人の心を動かす名曲というものも確実に存在します。
今、パッと思い浮かんだのは
「コンドルは飛んでいく(El Cóndor Pasa)」
や、サイモンアンドガーファンクルの
「スカボローフェア」
などでしょうか。
歌詞の意味がわからなくても「なんかいい!」ってなります。
(ボーカルの声が無かったとしても いい! ってなる曲達だと思います)
あくまで作詞のハナシですが「言いたいことは1コーラスに魂を込める」というお話しでした。