【54番】清少納言が仕えた中宮定子の母!!儀同三司母!! 2020.10.17 01:01 ジャンル:恋時代:平安時代 超要約:今一番幸せ歌の意味(子ども向け):今死んでしまってもいいぐらい、しあわせ!歌の意味:嘆きながら、一人で孤独に寝ている夜が明けるまでの時間がどれだけ長いかご存じでしょうか? ご存じないでしょうね。☟この首に関するクイズQ 百人一首が詠まれていた平安時代は、夫婦はいっしょに住んでいた。〇か✖か?A ✖ 夫は妻の住んでいる家(やしき)を夜たずね、朝帰るという、 「通い婚(かよいこん)」が普通。 デートも、昼間男女が会うことはなく、夜に彼女の家を訪ねるのが普通だった。👇語呂合わせ(覚え方) 「忘れじの」は、「いつまでもあなたを忘れない」という男の言葉です。「行く末までは」は、「遠い将来いつまでも変わらない」という意味です。好きな人と結婚できたばかりの作者が、夫である藤原道隆(ふじわらのみちたか)から「いつまでもあなたのことを忘れない」と言われ、あまりに幸せで、「今日のうちに死んでしまいたい」とつぶやいてしまったそうです。 平安時代の貴族の生活は、一夫多妻制だったので、この幸せがずっと続けばいいと思う一方で、別の女性のもとへ行ってしまうかも知れない不安も詠みこまれています。 作者である儀同三司母(ぎどうさんしのはは)は、藤原道隆(ふじわらのみちたか)と結婚して、多くの子女をもうけました。長男・伊周(これちか)が、「儀同三司」という位(太政大臣・左大臣・右大臣という3大臣に次いで、高い位。)についたので、儀同三司母と呼ばれました。また、娘の定子(ていし)は、一条天皇に特別に愛されて、中宮(ちゅうぐう=天皇の妻)となりました。この定子に仕えたのが、「枕草子」の作者・清少納言でした。 それにしても、平安時代の「通い婚」は、いつ男性が来なくなるかわからないので、特に女性にとっては、残酷な制度だなあと思います。しかし、この歌に詠っている恋の相手と結婚して、子どもにも恵まれた作者の人生については、良かったなあと思います。