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休眠ユーザー呼び戻しとアクティブユーザー離脱防止に「リエンゲージメント広告」のススメ

2016.08.03 02:57

CyberZ(サイバーゼット)の侯明昊(コウミンハオ)です。当社はサイバーエージェントのグループ会社で、主にスマートフォンアプリのマーケティング支援を行っております。今回、ここ半年ほどの間で急成長している「リエンゲージメント広告(Re-engagement Ads)」について、3回に分けて解説します。


アプリをインストールしたことのあるユーザーにアプローチ

リエンゲージメント広告とは、アプリを一度でもインストールし、起動したことのあるユーザーをターゲットとし、その人に何らかのアクションがある度に広告を配信する仕組みのことです。アクションとは行動履歴、例えばECアプリであれば商品ページの閲覧や購入、ゲームアプリであればチュートリアル突破や課金などが挙げられます。ここではそれらに基づいた配信について説明します。 

リエンゲージメント広告の概要《クリックで拡大》 


リエンゲージメント広告の配信目的は主に2つあります。

  1. 離脱してアプリを利用しなくなってしまったユーザー(休眠ユーザー)を復帰させる「呼び戻し」
  2. アクティブなユーザーの接触頻度を高め、さらにアクションを促進させ他アプリへの流出を防ぐ

いずれもユーザーを活性化させることが目的となります。 

例えば当社の調べでは、ゲームアプリでは休眠日数が3~4日経過すると再訪率が5分の1まで激減するといった事例も出ております。これは、無施策の場合、それだけのユーザーを取りこぼしている可能性があることを意味します。そこで、そのユーザーに対して「ゲーム内イベント」や「初回ユーザー特典」などを訴求した広告を配信し、再度ゲームに戻ってくることを促します。また、EC系のアプリでは、一度商品ページを閲覧したものの購入に至らなかったユーザーに対し、その商品の広告を配信して再度訴求したり、既に何か購入した商品がある場合はその関連商品や似たユーザーが購入している商品を薦める広告を配信します。Web広告でいう「リターゲティング」あるいは「リマーケティング」に相当する手法です。


なぜ今リエンゲージメント広告が注目されているのか

ここ半年ほど、リエンゲージメント広告の予算割合を大きくする広告主が増えてきており、配信量も伸びてきています。当社においてもリエンゲージメント広告の売り上げは2015年10-12月から2016年1-3月で200%以上に伸長しています。 

アプリ領域における従来のプロモーションは、主に新規インストールに比重が置かれており、広告主はいかに効率良く新規ユーザーを獲得するか、すなわちCPI(Cost Per Install)を中心に評価していました。 

アプリマーケティングにおいて売り上げとは、「インストール数」に「課金・購入するユーザーの割合」と「課金・購入の金額」を掛け合わせたものになります。 

売り上げ=[インストール数] × [課金・購入するユーザーの割合] × [課金・購入の金額]

アプリがリリースされ時間が経過するに従い、どうしても離脱するユーザーが増えるのは否めません。そこで、インストール目的の広告で獲得したユーザーをいかに活性化し、「DAU(デイリーアクティブユーザー)」や「課金・購入転換率」「課金・購入の金額」といった指標を上げていくのかが重要になってくるのではないでしょうか。

また、サービスリリース初期に新規ユーザーの獲得数を増やすことは必要不可欠ですが、限られた市場においては、アプリのインストール数が増えるに伴って獲得効率は鈍化していきます。言い換えれば、アプリプロモーションにおけるCPIは徐々に高騰します。初期に一定の規模のユーザーを獲得すると、大型プロモーションが実施される機会も少なくなってきますので、自然流入のユーザー数も少しずつ減少する傾向にあります。

そこで、DAUを維持していくための施策として、リエンゲージメント広告で離脱ユーザーを呼び戻すのです。一度でも広告に対してアクションを起こしたユーザーは、そのサービスに対して何らかの興味・関心がある場合が多く、呼び戻してきた後の定着率やCVR(コンバージョン率)が高い傾向にあります。つまり、高いLTV(顧客生涯価値)が見込まれるのです(中編に続きます)。


■記事のまとめ■


この記事はIT Mediaに掲載した記事を一部流用して掲載しています。
よろしければそちらもご覧いただければと思います。

http://marketing.itmedia.co.jp/mm/articles/1603/29/news023.html
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