【鬼】人として生きて逝く【滅】
劇場版『鬼滅の刃』~無限列車編~を封切の10月16日に仕事帰りに寄って観てきました。
とはいえ座席は前もっての予約です。
只今、国内(いや、国内外問わず?)で最高潮に盛り上がっているアニメ初の劇場版映画封切日ともなれば、密は避けられませんが(;´Д`)。
しかしなぜにそこまでして観に行くのか。
(特別大ファンというわけでもなかった私が)
今年1月に、亡き我が娘の親友さん二人が自宅弔問にいらしてくださったときのこと。
仏壇に掌を合わせ、炬燵を囲んでお茶菓子&お話をしたことはブログにも書きました。
そのときに「暫し親友さんお二人だけで亡き子を偲んでやってください」という私の勝手な思いから、いつも通り亡き娘の部屋に案内したのですが………
あれ?
30分経っても居間に下りてきません。
40分… 50分… なんだかんだと一時間強は亡き子の部屋に居たのではないでしょうか。
しかも、時々奇声のようにはしゃいだ声も聞こえてきます。
気になり部屋へ行ってみると……、
長女が買い揃えて亡き娘の部屋に保管していたコミック『鬼滅の刃』単行本を手にとり、お気に入りキャラの名前やストーリーを追いかけて、キャアキャアと騒いでいるではありませんか。
このときの様子は、まるで亡き娘も親友さんたちと一緒に「なになになに??」と騒いでいるようにも見え、とても心に焼き付いたのです。
📷さいたま新都心MOVIX前10/16
そして今秋、封切り当日、気合いを入れて観に行きました。
亡き娘も一緒です。
手術して全摘除した私の左肺部分に入れて。
(主人公 炭治郎が、妹 禰󠄀豆子(ねずこ)を箱に入れて背負って歩いているイメージにちょっと重ねてしまったり…(^_^;)
実は、原作単行本は一度も読んでおりません。←こら(…これから読みます!)
一夜漬けテスト勉強のごとく、アニメを1~4回まで観て、途中を省いて『鼓屋敷の章?』をアニメで予習。
長女に助言された通りに、なんとか主要登場人物を頭に詰め込んで劇場に出向いたわけですが、じっくり鑑賞してみて驚きました。
(゚Д゚;)ぶ……、
文学じゃないですか……、これはもはや。
(決して大袈裟ではないと思うのです)
台詞も心に響くものがあり、我が娘の自死という残酷すぎる悲しみを心に抱えて生きている私にも、リアリティをもって考えさせられる内容であることがわかったのです。
どうせファンタジー、夢物語だろ、なんてとてもじゃないけど言えない喩えが、この物語の随所にあります。
人の世を生きている間には、誰もが様々な『鬼』に出くわします。
映画で描かれている鬼は喩えであり、この世でいうホンモノの鬼は様々な苦境・困難(事件・事故・自然災害・病気(心身の)だと思うのです。
その鬼によって悲しみに暮れ、廃人と化す人もいることでしょう。
その悲しみ苦しみに引きずられて、一緒に命を奪われる人もいるでしょう。
悲しいし、恐ろしいです。
でも、
老いることも 死ぬことも
人間という儚い生き物の美しさだ
永遠というのは人の想いだ
人の想いこそが永遠であり不滅なんだ
映画版の超重要人物 煉獄(れんごく)さんは言います。
その通りだとは私も思います。
なぜなら、どんなに鬼と闘って生きている人も、人である以上命は永遠ではありませんからね。
一番哀しいのは、鬼にやられて鬼となって活きてしまうこと。
醜い化け物なんかじゃない
鬼は虚しい生き物だ
悲しい生き物だ
私の場合、我が娘の自死から、まるで地獄の底を這いずり回っていた時期もありますが、いまだ生きて居て、ギリギリのところで鬼にまでならずになんとか済んでいるのはなぜなのだろうか?と、映画を観ながら考えていました。
事後に出会った方々の助けを借りながら、地獄の底を蹴って浮上してきたものの、不安定であることは否めず、時にドーンと落ちる日もあります。
正直苦しいです。
でもここでまた、暗闇を照らす灯りの一つとなるような『教訓』も込められたストーリー展開に、予想外に心が温められた感じです。
胸を張って生きろ
己の弱さや不甲斐なさに
どれだけ打ちのめされようと
心を燃やせ 歯を喰いしばって前を向け
君が立ち止まっても蹲っても
時の流れは止まってくれない
共に寄り添って悲しんではくれない
劇中の 煉獄(れんごく)さんの言葉は、主題歌♪LiSAさんの『炎』のようで熱く眩しいです(^_^;)。
なかなか自身だけではこのような状態に立ち直れないのが本音。
そんな私が一番劇中で面喰らった(悪夢から覚醒できる)言葉は、炭治郎のコレでした。
俺の (鬼に命を奪われて逝った)家族を侮辱するな!
これから『鬼滅の刃』を手にする方々もいると思いますから、この言葉の背景にある“自責の念”に通ずるようなエピソードは伏せておきますね。
え? ここまで書いといて、もったいぶるな?
(・_・;)……
※ちなみにPG指定映画でございます。
(12才未満および小学生の観覧には親又は保護者からの助言や指導が必要)
◆自死遺族の集い