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うたかた日和

舞台『モンタージュ』観劇

2020.12.05 09:59

舞台『モンタージュ ~届けたい一通のラブレター~』


10/17 お昼の公演を観ました。




結論としては良かったところもあるしそれも書くけど、

総合的には個人的にはあまり満足していません。


なので下書き保存して終わろうと思ったんですが、


自分が作り手だとしたら今回の内容はまぁ知りたい意見かなと思ったのでやはり公開にしておきます。



おそらく今回脚本か演出かわかりませんが、迷った部分が多々あり、

迷ったまま公演当日を迎えている印象を受けたので、

そこに対する自分なりの感想です。


全然そんな無茶苦茶言ってない普通のことなので、

おそらく脚本演出の方もそう思われるかなと思ったことばかりですが、


昨今、自分が作ったものに対して良い感想しかSNS上にはなく、

的外れな余計なお世話みたいな意見があまりにもないので、

そういう害悪な感想もあった方が良い気がしてます。




ただ受け取る側にメリットがあることはごくまれにあっても、

当然書く側には悪く思われる以外に何のメリットもないので、

わざわざ自分で自分を傷つけてまで書くというのはエネルギーがすごい。



ので、まぁ読む方々には、なんというか、

このブログは短絡的に誰かを悪く思う前提を捨てた人が来る場所というのを、

それをわかった人に読んで欲しいです。




では、ネタバレありで。





今回、お手紙の話ではありましたが、

「舟を編む」のように言葉の持つ力みたいなところよりは

個人的には手紙は、きっかけくらいのものに感じました。


自分はおっさんの中ではまず平均値よりは圧倒的に手紙を書いてきた、もらった人生だと思うし、そもそもの手紙っていいよねみたいなところはわかるつもりです。


あれですね。

この舞台は手紙の内容とかではないけど、「手紙を書く」という背景とか気持ちを扱った部分があったと思います。





ミュージカルは四季のアラジンを最後に観たのがもう年単位で前なので、

本当に久々になってしまったけど、やっぱり好きでした。

もっとミュージカルを観たいと思いました。



ただ音響はかなり残念。

誰か一人だけに音が合ってるイメージで

基本みんな声がこもって歌詞が全く聞き取れないのは残念でした。

みんな歌がとてもよかったからこその感想ですが。



やっぱり初見のミュージカルにおいて歌詞が聞きとれないのは、

話の流れ、感情を感じ取る上でわりと致命的で、少し、とっても、うん、残念でしたが、

(マウスガードのアレコレもあるのかもしれません。)


ソロが多い曲はその人に合ってるのか、

こもることなく歌詞も綺麗に聞こえたし、すごくよかったです。

キャストさんたちはみなさんとても歌に力のある方々でした。





話に戻って。


届かない手紙を書き続けたマナミですが。


マナミが言われていた「あの男との繋がりを持っていたい」という

そういう意味合いとは違うものの


ある種このブログも、届かない手紙として使ってしまうこともあるし、

物理的な手紙もこれまで書いて捨てたものもたくさんあって、

マナミの行動に理解を示す部分は多々あります。



手紙は、

相手の顔が見えないし、伝えたいことが伝わるかわからなくて、

きっと伝える意味があると信じて文章をたくさん考えるんだけど、

やっぱり違うかな、自分が言うことではないかな、もっと良い言い方が、

今そのタイミングかな、こう思うけど逆にこうも思うし、伝わるかな。

でも、やっぱり。


っと、考えながら結局捨てるわけですが。



相手がいつどんな気持ちの時に読むかわからないからこそ、

あらゆる表現に気を遣って対話するとき以上に相手を思って書いて、

だから手紙の文章は少しあたたかみがあるのだと思ったりします。


読む側もSNSの文章を読むときに比べると、

読む心境も少し違うとも。



手紙は時間が経ってからもふと何度も読み返してしまいますよね。

とても嬉しい気持ちになります。




誰にも届かないにしても、

文章を書いて公開するのと、下書きにするのはやっぱり違って。


マナミが手紙を書いて捨てるのと、届かないのに出すのは、

結果は同じようでまた違うというのは個人的にも感じてます。





今回のチームは勝手なイメージですが

それぞれがキャストをリスペクトしながらもお互いに干渉し過ぎず、

前向きにやろうという感じが出ていて、優しい印象を受けました。




健二役の方はどこかで観たことあったと思うけど、

健二はチャラい人間関係の場にも真面目な場所にも、

あらゆる場所で適応して全てのグループに所属できるバランス感覚を持っていましたが、

本当は繊細で傷つきやすい人の顔面でしたね。

これなんの話やっていうことですけど。



真珠さんは終演後の挨拶もとても好感の持てる振る舞いで

気持ちの良い人だなぁとなりました。

舞台上でもとても素敵で今回いちばん好きだったかな。



マナミはそもそも西園さんっぽいところもありしっくりきていたし、

西園さん本人も手紙に対する良いイメージを持っている人だし、

このお話に共鳴するところもあったのか、充実感が出ていた感じします。


どうでもいいけど最後の登頂しているビジュアルのゾノがとってもかわいかったので、あれをブロマイドあれにして欲しいという。



アキラのような恋愛してない誠実そうなオタクを見てると、

まっすぐでいいねとは全く思わなくて、

あらためてそんなもの要らないなぁ。と。

この舞台の感想としては絶対に製作側の真逆のことを思ってしまったんですけど。


この舞台を観てなんでこんな感想になるのか。

ほんとに人って難しいです。




お父さんはあからさまに役者としての力は足りなかったし、

そんなの他人が言わなくても自分が一番わかってるよと言う話なのでここについては書かないつもり。


ですが、ここはあえてフラットに。

Pani-Crewが好きな自分を無視して舞台を観た人の感想として言うと、

6000円のチケットで考えると当然なかなか厳しかったです。


お父さん役以外にもこの舞台に裏で大きく貢献していて、このチケット代の舞台に必要な存在であったという話は絶対にあると思うので、そこは自分たちで評価してもらったらいいと思ってますのでこれ以上は特に書かなくても十分伝わったかと。





さらに大きく2つ、なんだかなぁっていうのがあって。

ここからは特に完全に好みの話なので受け取る側もそう思って欲しいです。



<なんだかなぁ>

1.事故⇒記憶喪失が無理な話

2.マルチエンディングとは?の話


というモヤッとした話をするので、

ここから先はさらに読みたい人だけ読んでください。







<なんだかなぁのコーナー>


1.事故⇒記憶喪失


ラスト事故にあったシーンから

記憶喪失⇒記憶が戻るまでの時間は、1秒でも早く記憶戻れと願い続けました。


それはマナミやアキラを心配しての良い人の感想ではなく、

安易なバッドエンドがシンプルに苦手過ぎるが故に

マナミが目を覚まして怯えてた表情を見たその瞬間から



「はい、でた、それはよくない。よくないよ。」



ないわ~。嫌いだわぁ。

あーでたでたでた。

これだけはやっちゃダメなんよ。

もったいない。


と、突然自分が舞台画面右上に移動してワイプから相席食堂ばりに「待てぇぇい!」ってコメンタリーしてしまいましたが。



なんなんでしょうねぇ。

事故&記憶喪失が目を背けるほど苦手なんすよね。



くりぃむしちゅーのたりらりらーんのベタドラマだったら

「えんくみ~!」となるんだけど、実際の舞台であるとなかなか。



この話は絶対に記憶戻ると確信してたのもあって、

ホントにそういうの要らないから早く、一秒でも早く戻れ。と気を静めてましたけど。


記憶無くして3分くらいで記憶戻ったからギリ窒息せずに済みました。




あとそもそも誰かを救うときは自分も絶対に助からないと。


助けたのが愛する人で、もちろん誰でもそんなの助けようとするよねわかるよ。

それにあの時は勘違いして取り乱してたもんね。うん。

でも植物人間になったあなたを愛する人もいるんだから

それは理解して日々生きたいところ。


あんたが死んだら結局大好きな人助けたところで、

自分のこと大好きな人を悲しませるし、助けられた人も悲しいし、

自分が悲しむか誰かを悲しませるかの選択ではないから難しいんだけど


自分を捨てたら結局だれも守れないんじゃないかと思うところちょっとある。


あの場面で無視は無理だし身体が勝手に反応はしますけども。


でもなんか助ける相手がさ。

自分を事故に遭わせた相手を必要以上に想う性格って知ってるのもあるし。


いやぁなんだろうなぁ。その優しさがさぁ。

自分がマナミ助けるじゃん。で、死ぬじゃん。


マナミはどうやって生きていくんだろうね。

また自分のせいで。って思うよねあの人は。


ねぇ。


なんか俺はアキラがまっすぐでバカなんだと思うし、

そういうとこが良いんだとも思うから、


言いたいことぐちゃぐちゃだけど



とりあえず理屈じゃないのはわかったので、

後頭部を車に差し出すような恰好で助けるのはやめよう。


骨はいくらでもくれてやるから命は助かる方法で。



というかマナミがそんな境遇でまた同じことが起きるっていう悲劇は、もはや逆に胸が締め付けられない。




…っていうか


オマエら。


事故遭いすぎだし!!

車突っ込んでくるってオマエらどこで話しとんじゃボケ!!


久々に会って、待ち合わせて「元気?」って深刻な話するのに道路の近くで話とったんか!

てっきり公園とかそんな感じの場所にでもおるんかと。


おいおい、てことはどこで土下座しとんじゃ!!



あと、いや、影で努力してたとか定職についたとか知らんし、

もう全然知らんのよ、自分のことしか考えてないやん。

全然知らないし俺はあなた嫌いですがそんなあなたが好きだったのかもしれませんね!!


どうしようもないあんたもいろいろ考えてたんでしょうね!!

バカ!!でもなんかたぶん大変だったね!!!


俺も良い人じゃないし最低なので他人のことは悪く言えませんけど

なんなんだまったく。



という感情がふつふつとあったので、

こういうのも狙いだった場合はよかったのかと思いますが、

個人的にはこのエネルギーを何かに消化できずモヤモヤが残った感じ。





2.マルチエンディングの話


この物語のラストは、意識を失ったままのアキラを、

リハビリで歩けるようになったマナミが車いすで外(※)に連れて行き、

(※どこか忘れたけどアキラがマナミと行こうとした場所)


そこでアキラの意識がちょっと戻る。



で、あとがき的エンディングは、

マナミがVR彼女をやって、自分と似てるマナの存在を知り。

そのタイミングで郵便(手渡しだが)に来た人がVRアキラに似ていて、


「あー!」となるっていうもの。



アキラがマナミの車いすを押してマチュピチュとか観に行きたいと言っていたことが逆になり、最後もまた、初めてアキラとマナミが会ったときの逆をするというのは。


安心感というか少し温まる?ラストで好きでした。


ここでマナミもアキラと初めて会った日を思い出したりして、

そういうことだったのかぁってなったりしてね。

うんうん。と。



が、


別のRの回を観た人のエンディングを聞くと、

印象が全然違うラストになっていて「え」となって。


もうRでこれだけ別物に作るならVってもはや宇宙人の話とかのレベルで違ってもおかしくないと想像しちゃう。


(ブロマイドも終演後じゃなく公演前に買うことオススメするならR版V版で記載した方が優しい気も…。R見た人がVにしか出てこないの買っちゃったら少し悲しい。)



これは見かけた他の人の感想そのままインスパイアで申し訳ないけど、


こんなにラストが全話違うのってどういうことなんだろうというか。

リピーターさんへのアレの域を超えて、作る側が決めきれなかっただけの印象を受けてしまうというか。


この違いが遊びの域とかサブ要素のつもりだと思うけど、

舞台全体の2時間の印象を変えるものだから、なんなんだろうなぁと。



曲でもなんでも創作物って

あれもやりたいこれもやりたい。あれはどうか、これはどうか。

とその中から、テーマとか伝えたいこととか、締切とか諸々が加わって

最後に「この作品はコレで行く」って決めて出たものの方が個人的には好きだなとちょっと。


ミスチルのシングル出ます!

10枚出します!

全部ちょっとだけ違います!


「おぉ!これは全部買わなきゃ!」

「楽しみすぎる!」


ってあんまならないと思うんですね。


いや、なる人もいるし、

舞台に関しては限られた人が観に行くものだし

この例えは全然おかしい極論ですよもちろんね。


私は


「え、、」


ってなる派でした。



なんか誰かと「あの舞台よかったよね」という話をしても、

ラストが違い過ぎて別物だから、感想の違いが価値観の違いではなく別のものを見ているからだし、



ここまで違うと、脚本・演出の方が今あの時観た人に抱いて欲しかった気持ちってなんだろうと思ってしまうのですが、まぁそれも含めて、全公演見てマルチエンディングを楽しんだ人はいたのだろうし、


別に正直、今言ってることってどうでもいいんですけど。

まぁせっかくやったマルチエンディングの感想もあってもいいかと思ったので一応です。




どうしてもキャストさん全員良い人たちだったので、言いづらいんですが、

歌詞はわからないとはいえ歌はとてもよかったと思うし、

お父さんの貢献度はあったとして、やはりほぼ初舞台の感じは否めないし、

6000円の舞台としてはなかなか難しいなぁと。


これが3500円だったら印象は違ったと思います。



同じこと言ってるかもだけど、

ざっくり感想のまとめとしては、


気持ちの良い良い人たちがとってもがんばって前向きに取り組んでいた。

それが見れてよかった。という気持ちは自分にもありますが、

それが時間と6000円使ってみるに値するかというそこの部分の感想でした。


では、後味悪いと思いますが、この辺で。