月・惑星のCMOS撮像 (1)
撮像カメラ ZWO ASI 224MC
1970~80年代を天文少年として過ごした方々は、「天体写真を撮る=天文ファン」という刷り込みをされたのではないかと思います。今考えると、天文雑誌が中心になり、天体望遠鏡メーカー・フィルムメーカー・カメラメーカーが協賛した結果だったんだと分かります。でも、大人でなかった私は、それが分かりませんでした。星夜写真を撮るために、小遣いを貯めて高橋製作所製65mmP型を買ったものの、後の資金がありません。「金持ちが良い機材を買い、良い写真が撮れるんだ。」と毒づき、私は天体写真を諦めてしまい、「テンタイシャシンアレルギー」になってしまいました。
時代が過ぎ、このブログを始める頃から、ご覧いただいているような月面写真を撮るようになりました。「でも、写真がメインじゃないんだよ。」という思いは持ったままでした。
まるで、拗ねた浦島太郎ですね。中村要鏡やクック望遠鏡での月面や惑星像を正しくお伝えするには、これではダメだとやっと気づきました。
すみません。前置きが長くなりました。今回から何回かに分けてお伝えするのは、カラーCMOカメラによる、月・惑星撮像についてです。今回は、撮像カメラ ZWO ASI 224MC、IR/UVカットフィルター、ADC(大気分散補正プリズム)をご紹介します。
ZWO ASI 224MCカメラ底面の直径は約6cm、31.7mmアダプターを付けた長さは約7cm、重量は約130gです。ソニー製1/3型カラーCMOSセンサーが搭載されています。赤いアポロ宇宙船のような形をしています。アダプターの先端には、IR/UVカットフィルターを付けています。このカメラは赤外域も感度が高く、その部分の光をカットする必要があるからです。他に購入したものは、ADC(大気分散補正プリズム)です。
購入先はアイベルです。販売店として、とても信用できます。以前もスーパーマウントでお世話になりました。(ですが、ZWO製品にはKYOEIの文字がデカデカと!恐らく、ZWOとKYOEIとの提携関係などがあるのでしょう。)
私はMacユーザーですので、とりあえずZWOがリリースしているASI Studio(Mac用)で撮像動画を取り込み、Lynkeosでスタック処理をしようと思います。使うバーローは、テレビューパワーメイト2.5×です。
かめに乗った浦島太郎ですが、ゆっくりとCMOSカメラの海に出て行こうと思います。