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コロナウィルス騒動顛末記

コロナウィルス騒動顛末記 コロナ離婚

2020.10.17 10:03

離婚カウンセリングが急増中
3密ならぬ3Sを抱える妻たち
――新型コロナウイルスの感染拡大前と比較して、離婚相談の件数は増えているのか?

Colonavirus-caused separation and sadness


実は、想像をはるかに超えて増えているんです。3月あたりに大手企業が先駆けてリモートワークを導入し始めた頃から。私たちが取り扱っている相談件数で言うと、外出自粛にもかかわらず面談による相談が前年の同時期よりも3割増し、電話相談だと5割増しになりました。

 もちろん国の統計上は、例年に比べると4~5月の離婚件数そのものは減っています。ですが、自粛生活の中、離婚届の提出を土壇場で思いとどまっているだけで、水面下の離婚予備軍はむしろ増えているというのが離婚カウンセリング現場の実感です。

――「コロナ離婚」の相談者は、以前と比べて、異なる特徴があるのでしょうか?


 まず、若年層の相談者が増えました。20代から30代前半、特に20代です。属性では、これは女性限定ですが、専業主婦が増えています。通常、専業主婦は夫に不満があっても我慢するケースが多いのです。離婚すれば生活が立ち行かなくなるから。ところが、コロナ禍に限っては、専業主婦だろうと我慢しないで相談に来ています。

 もう一つは、コロナ前の相談は、離婚すべきかどうか決めかねているケースが多かったのですが、今は相談というよりも離婚をあらかじめ決心しているケースが、男女とも非常に多く見られます。「もういっときも一緒にいたくない」という感じですね。

 理由は、やはり巣ごもりによるストレスです。妻側で言えば、テレワークで夫が家にいるのもストレス。子どもが学校に行かないのもストレス。さらに自分がどこにも出掛けられないのもストレス。トリプルS(ストレス)ですね。逆に、夫の場合なら、それまで帰宅後だけ我慢していればよかった奥さんのわがままに堪忍袋の緒が切れるパターンです。

――夫の定年退職後に起きやすい熟年離婚の前倒しのような?

 そう。実は、熟年離婚の一番の引き金は、家にいる夫のためにもう一食、つまりお昼ご飯を作るということなんです。それまではせいぜい朝と晩だったのが、お昼にまたご飯を作らなければならないというのが、奥さんにとっては大変な作業に感じられるのです。

 それがテレワークによって、定年退職後と同じことが起きてしまった。熟年離婚と同じく、夫がいつも同じ空間にいて小言を言ったり用事を頼まれたり、あるいは買い物に付いてきたりと、監視されているような気持ちに若年層の妻も陥っているわけです。

 しかも熟年夫婦であれば、それまで連れ添った時間もあるし、今さら離婚しても生活が大変になるという意識が男女共に働きます。ところが、コロナ離婚を考えるのは主に若い世代なので、未来がある。「こんな生活なら別れた方がいい。お金の問題じゃない」と、離婚に踏み切るのです。



椎名林檎


三船美佳と高橋ジョージ



 東日本大震災のとき、震災離婚でも同じ現象が見られました。自分の生死に関わるような極度の不安な事態に直面すると、「やっぱりこの人じゃない。この人と一緒に死にたくない」と思ってしまう。

 ただ、震災のときの相談者は被災地周辺に集中していました。ですが、コロナ禍の方は、西から東まで全国にまたがり、規模も全く異なります。

――仮にコロナが終息して、元の生活に戻れば、こじれた夫婦関係も元に戻るのでしょうか?

 ひとたび表面化してしまうと厳しいでしょうね。それまで我慢してきたものが、一気に噴き出しているので。元のさやに収まるためには、別れたくない方が性格を根本から変えるくらいの覚悟を持たなければ修復はできないと思った方がいいです。

Withコロナで夫婦が変わる

前向きな家庭内別居が誕生?

――コロナによって、日本の夫婦の形そのものが変わることはあり得ますか?

 もし、Withコロナでテレワークが常態化し、夫婦がずっと自宅中心に過ごす社会になれば、夫婦の関係、在り方も変わっていくと思っています。家の外でマスクをすることが新しい常識になったのと同じです。

 具体的には、ポジティブな意味での家庭内別居のような新しいライフスタイルが生まれるのではないでしょうか。例えば、住宅事情さえ許せば、夫婦の寝室を別々にしたり、それぞれが自分だけのスペースと時間を自宅で“当たり前のもの”として持つようになったりするかもしれません。

 ただし、これは夫婦がよりドライな関係になっていくという意味ではありません。むしろ、コロナ前の方が、夫婦がお互いに不満があっても見て見ぬふりをすることで関係を維持することができたわけです。しかし、今のように四六時中一つ屋根の下で顔を突き合わせるような環境では、それも困難です。

 たとえ夫婦であっても、性格や価値観、立場が異なる別人格だということを互いに自覚し、その違いを理解して許し合える関係を築くことが、今後はより求められるようになるのではないでしょうか。その意味では、より深い愛情を育むことへの努力が試されているのだと思います。

Key Visual:Daddy’s Home, Kanako Onda