満願寺(出流観音)
http://tencoo.fc2web.com/jinja/xbd-17mangan.htm 【坂東札所 第17番 出流山 満願寺(出流観音)(まんがんじ)】 より
Manganji Temple 栃木県栃木市出流町288
288,Izuru-Machi,Tochigi-Shi,Tochigi 第二十二番 出流山 満願寺(出流観音)
宗派:真言宗智山派 本尊:千手観世音菩薩 開基:勝道上人
創立:天平神護元年(765) 御本尊 聖観世音菩薩
【御詠歌】 ふるさとを はるばるここに たちいづる わがゆくすえは いづくなるらん
出流観音(満願寺)
今から約1200年前、役ノ行者がこの地を訪れ、山腹に紫煙がたなびくのを見て観音の霊窟(現在奥の院と呼ばれている)を発見し、 自然に生れた鍾乳石の十一面観音菩薩の後ろ姿を拝したことに始まるといわれる。
天平時代、下野の国司であった若田氏高藤介と妻女の明寿は子宝に恵まれないことを嘆き、 この観音様に祈念したところ男子を授かり、この子が後に出流山を開祖する勝道上人であったといわれる。 上人はこの尊像に深く帰依し、二十歳にしてこの霊窟にこもり三か年修行、天平神護元(765)年、 日光開山のご加護を仰ぐため、現在の本堂の地に大御堂を建てて千手観音を奉安し、満願寺と名づけた。 やがて男体山の登拝、日光山を開創したといわれる。
弘仁11(820)年、空海が勝道上人の徳を慕って参詣し、この岩窟への参詣だけでは難儀であろうと当山の銘木で千手観世音菩薩を造立した。 応永年間(1397~1428)に足利義満が寄進したお堂は焼失、明和元(1764)年に道杲によって再建されたのが、 八間四面の現在の大御堂である。
https://bando.kasazizou.com/17mangan.html 【第17番札所 出流山 満願寺 真言宗智山派 栃木県栃木市】 より
第十七番札所の出流山・満願寺は、JR両毛線・東武日光線の栃木駅北口のバス停から出流観音行きのふれあいバスに乗車、およそ50分くらいで終点出流観音バス停に着きます。料金は私たちが乗車した時で300円。小一時間バスに乗り山道を行くバスにしては実に安い料金です。
バス停から5分ほど参道を歩くと、出流観音の山門が見えてきます。
この山門がなかなか風情があって、屋根こそ茅葺から葺き替えられていますが、足利時代のものだという仁王像など迫力があって素晴らしいです。
山門をくぐり広い境内を進み石段を昇った先に、千手観世音菩薩を御本尊としてお祀りする本堂が見えてきます。
満願寺は寺伝によれば、千二百余年前に役の小角によって観音の霊窟(鍾乳洞)が見つけられ、天平神護元年(西暦 765年)に勝道上人が創建し、弘仁11年(西暦 820年)に勝道上人の徳を慕って参詣した空海が、当山の銘木で千手観世音菩薩を造立したと伝えられ、奥の院にある鍾乳洞で自然にできた「十一面観音菩薩」は子授け、安産、子育てのご利益があると信仰を集めています。
私たちが満願寺に着いたのは比較的早い時間でしたので、お寺の中にはまだあまり参拝者はいません。
まずは本堂でお参りを済ませました。
この日は満願寺だけを参拝する予定でしたので、せっかくですから奥の院まで行って見ることにしました。但し奥の院に行くには拝観料が300円かかります。
奥の院まで徒歩15分とありましたけど、なかなかの山道で体力のない私たち夫婦にはキツかったですね。奥の院が見える大悲の滝の前まで20分以上かけてゆったりと歩きましたが、私など汗だくになってしまいました。但し奥の院は苦労して行く価値があります。
山道をせっせと昇って行くと、大悲の滝に行きつき、そこから見上げると舞台の上にある奥の院の姿が見えます。いや~、あそこまで登るのかと思いましたが、これも修行です。少し休んで息を整えてから、急な階段を休み休みしながら登りました。
人が少なくて良かった。混んでいたらさぞかし他人の迷惑だったことでしょう。
奥の院にある鍾乳石で自然に作られたという十一面観音像は、観音像という印象こそ受けませんでしたが、ともかく立派で素晴らしいものでした。安産や子授けのご利益があるという観音様を見ているだけで厳かな気持ちになります。
息を切らしながらお参りした甲斐があったというものです。
奥の院からの戻り道は幸いなことに下り坂ですから、楽に進めてホッとしました。
奥の院から戻って本堂を見ると、ご住職が護摩供をしていました。 実際に炎が上がっているのを初めて見ました。思わず本堂の中に入って間近で見ましたが、やはり迫力がありますね。
出流観音・満願寺は思ったよりも立派なお寺さんで正直驚きました。それにとても落ち着いて気持ちのよい所です。
また出流観音の参道の周囲には、お蕎麦屋さんが沢山あります。この辺りの蕎麦は「出流そば」として有名ですので、せっかくですから昼食は美味しい蕎麦を頂きました。
バスで出流観音に向かう途中には石灰工場があって、バスの車窓から荒廃とした珍しい景色が見られます。
削られた山肌に近代日本の歩んできた道などを思って楽しい発見がある出流への旅でした。