30年戦争25-平和を選んだスウェ-デン女王
2020.10.18 09:39
三十年戦争最大の戦勝国スウェーデン、実は最初はもっとタカビーな要求をしていたのだ。しかし1644年親政に入った女王クリスティナは「全キリスト教国に平和をもたらすべし」と大幅な譲歩をしてしまったのだ。
スウェーデンがルター派になったのは彼女の父で北方の獅子グスタフ・アドルフである。彼は、カトリック教会財産を収容してしまい戦費を捻出した。スウェーデンはヴァイキングの国だが、830年に聖アンスガルがキリスト教をもたらし、教皇庁アヴィニョン時代に、聖ビルギッタがローマで活躍し、今でも崇敬を集めている。
彼女は開明的国王で、宗教対立そのものが間違っていると思った。そしてその後「ストックホルムを北方のアテネにするのよ!」と言ってデカルトなどの先進的文化人を招き、書籍を購入、文化国家をめざす。しかし三十年戦争で、国家財政は火の車だった。
さらに彼女は男女を問わず愛人をつくり、尊敬するエリザベス女王のように生涯未婚を宣言。だんだん国王の地位が面倒になり、カトリックに改宗し54年退位して、ローマに入り、教皇アレクサンドル7世に祝福された。この後盛んになる啓蒙専制君主の早すぎたモデルである。
下は女王クリスティナの映画「ガールズキング」