#排外主義 を生み出した #グローバル資本主義
「gooブログ - 代替案のための弁証法的空間 Dialectical Space for Alternatives」様より
シェア、掲載。
ありがとうございます。
感謝です。
執筆者 プロフィール
関良基(せきよしき)。信州上田生まれ。官尊民卑と覇権国への従属を旨とする長州レジームからの脱却を。
管理者への連絡はこちら:guanliangji@gmail.com
批判するだけでは未来は見えてこない。代替案を提示し、討論と実践を通して未来社会のあるべき姿を探りたい。
排外主義を生み出した者どもが排外主義を批判するとは笑止千万である
2016年11月09日 | 政治経済(国際)
先ほどNHKのクローズアップ現代を観ていた。
堤美果氏が「トランプが格差縮小策を実現できるか」とトランプに期待する発言をしていたことに対し、藤原帰一氏は「私は堤さんに反対です」とそれを言下に否定したうえで、「排外主義者が大統領になったことに戦慄する」と発言し、それこそトランプ顔負けで過激にアジッておられた。
私は同じフィリピン研究者として藤原氏も知っているが、最近の藤原氏の、TPPを推進し、サンダースやトランプを批判しながらヒラリーを応援してきた一連の発言は、もう聞くに耐えられない。
格差を縮小させる対案など何も出さず、格差を拡大させる現状のシステムを肯定し、TPPを推進するのだ。
排外主義を生み出す根源を肯定した上で、排外主義批判するとは、笑止千万である。
以前はもっとまともな学者だと思っていたのだが、一体、いつからあんなアメリカの軍産金融複合体の御用学者のようになってしまったのだろう?
排外主義を生み出したのはグローバル資本主義そのものであり、グローバル資本主義が続く限り、ドゥテルテにしても、トランプにしても、排外主義的指導者の台頭は避けられない。
グローバル資本主義を礼賛してきたものこそ、今日の事態を生み出した。
自らの思想と行動への反省なくして、グローバル資本主義の鬼子としての排外主義者を、さも正義面して批判するのを見ていると虫唾が走る。
排外主義を抑制できるのは、トランプが国内格差を縮小できるか否かにかかっている。
人は、衣食足りて礼節を知る。
排外主義者の政策が成功したとき、絶望の淵に沈んだ人々が安定を取り戻したとき、排外主義は止むのである。
トランプの排外主義を止めることができるのも、トランプ本人なのだ。
いま知恵を絞るべきは、アメリカの格差をいかに縮小させるか。日本の知識人たちは、偉そうにトランプを批判するヒマがあったら、格差縮小のための政策提案でもすべきであろう。
NHKでは、アナウンサーがしたり顔で「グローバル化の流れは非可逆的ですから」などと言っていた。もちろん可逆可能である。もはや引き返せない、この途しかないと、まったく根拠なく、人々を脅迫するように断定するのは、支配層の常とう手段である。
トランプが志向する関税引き上げ策を世界は許容すべきである。
それだけで、絶望感は和らぎ、人々は希望を取り戻して、排外主義も止む。
20~30%くらいの関税を許容しても、世界の協調性が失われるようなことは、もちろんない。
支配層が排外主義的ととらえる関税政策を実行すれば、逆説的だが、排外主義は止むのだ。国際協調も取り戻され、民族間の憎悪も消えるであろう。
輸出依存度を下げ、内需志向の経済体制に移行しない限り、生活の安定も取り戻せないし、地球環境破壊も止められない。
支配層とその御用学者たちは、この事実を受け入れるべきである。