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元留学生のメモ帳

MLBトレードデッドライン、主なトレードに関して

2016.08.03 11:17

さあ、今年も盛り上がったトレードデッドラインから1日。ここで主なトレードについて両チームの評価をしたESPNの記事を翻訳したいと思います。

TEXルクロイーMILブリンソン、オーティズ

レンジャーズ(A)

レンジャーズにとっては最高のトレード。トレード戦線目玉のルクロイを若手のホープ、ジョーイ・ギャロやジュリクソン・プロファーを放出せずに獲得。レンジャーズは捕手にもかかわらず打撃力の高いルクロイは打線に厚みをもたらすだけでなく、来年も$5.25ミリオンと格安な年俸で残留させることができる。さらにソースによると今オフに大型契約にて延長させることも考えているらしい。

ブリュワーズ(C)

外野手ブリンソンは現在2Aで不調に苦しんでおり(出塁率3割未満)、またパンチ力も乏しい。わずか17個しか四球を選んでいないのも気にかかる。ただ彼はまだ22歳でプロスペクトランキング21位。オーティズは伸びしろのある右腕でプロスペクトランキング46位。ただ、ルクロイがトレード拒否権を行使し、破談となったインディアンスとのトレードの方がブリュワーズにとって魅力的だったと言わざるをえない。


TEXベルトランーNYYテイト、グリーン、スワンソン

レンジャーズ(B)

打者有利の本拠地ヤンキーススタジアムでの好成績(OPS:ホーム961/アウェイ817)に助けながらも今年304/344/546のベルトランの活躍は否定できない。レンジャーズはおそらくベルトランをDHとしての起用を考えているだろう(つまり、レンジャーズはまだ現時点でギャロへの信頼度は高くない)。仮に今年ベルトランがプレーオフにて活躍するかどうかは不明ではあるが、ポストシーズンではこれまで無類の強さを誇っているのも魅力的であろう。

ヤンキース(B-)

このトレードによって、メッツが以前ベルトランを放出してザック・ウィーラーを獲得したのと同程度の交換相手を獲得できた可能性もあったが、それに比べるとだいぶ物足りない結果に。プロスペクトのディロン・テイトは2015年のレンジャーズの一巡指名、全体4巡目でしたがここまで1Aで防御率5.12と期待を大きく裏切っている。


CLEミラーーNYYフレイザー、シェフィールド、ヘラー、フェイレイセン

インディアンス(A)

確かに外野手フレイザー、左腕シェフィールドとトッププロスペクト2選手を手放しましたが、ALベストの先発陣、得点3位の打線加え、リーグ屈指のリリーフ投手ミラーを獲得。ALトップのチームがミラーを加えることでさらにワールドチャンピオンに向けて磐石な体制を整えた。さらにインディアンスはミラーを残り2年年俸9億と割安な契約で残留させることができる。

ヤンキース(B+)

私はフレイザーを他の人ほど高くは評価していないが、ヤンキースにとってはいい補強となったと言っていいだろう。ゴロを打ちすぎている傾向があり、さらに改善はしたものの三振もまだ多い(94試合で92三振)。そして、おそらくレフトのみでしか起用することはできないであろう。ただもしヘラーとフェイレイセンがリリーフとして成長すればヤンキースにとってこのトレードはより有益なものとなりうるだろう。


CHCチャップマンーNYYトーレス、ウォーレン、マッキニー、クロフォード

カブス(B)

チャップマンを獲得しなくても、地区優勝確実なカブスにとってこのトレードは全て悲願のワールドチャンピオンになるためである。私はカブスのこの心意気そして必要であった抑えを獲得できたことを評価したい。カブスにとってのこのトレードの評価は全ては10月の結果次第である。

ヤンキース(A+)

トーレスは現時点では何の戦力にもならないが、彼のポテンシャルを考えればこのトレードは確実にヤンキースは勝者だろう。昨オフ、レベルCの若手のみを放出して獲得したチャップマンとのトレードでトップ30のプロスペクトに加えウォーレンの復帰さらに二人のマイナー選手を獲得したGMキャッシュマンの大勝利だろう。


NYMブルースーCINヘレーラ、ウォテル

メッツ(C)

二年間の不調を乗り越え、現在NL打点トップなど好調のブルース。メッツはここまでNLワースト3位の得点力で攻撃力アップは必須だがブルースがメッツのロースター編成と合うかは微妙である。ブルースの守備成績は外野手として最低のものであり、セスペデスが太ももを痛めておりレフトしかプレーできないため、ライトとしても平均以下の守備力のグランダーソンをセンターに移動させなければならない。今オフにセスペデスが移籍した場合の保険にもなりうるが、グランダーソン、コンフォートとの外野陣ではまたセンターの選手に苦しむことになる。

レッズ(B+)

ヘレーラは今年メッツではニール・ウォーカーの加入により出場機会がなかったが、打撃力に高い潜在能力があり、おそらくメジャーリーグにて出場機会を与えられるべき選手だろう。マイナーでの成績が昨年に比べて下がっている懸念はあるが、まだまだ22歳と若い選手。来年、ブランドン・フィリップスからセカンドのポジションを奪うことになるだろう。ヘレーラの方が今年3Aでそれほど活躍しておらず、長打力がないペレザよりもいい選手だ。


LADリッチ・ヒル、ジョシュ・レディックーOAKコットン、ホームズ、モンタス

ドジャース(C+)

もしヒルの健康状態がより良ければ、ドジャースが勝者と言えるだろう。だが、ヒルは5月末以来わずか3試合しか先発しておらず、うち1試合は現在もくるん¥死んでいるマメの影響で打者一人のみで降板した。レディックは守備も含め好選手であるがヤセル・プイグ、ハーウィー・ケンドリックと比べて飛躍的なアップグレードとは言い難い。さらに、両選手共来シーズンFAであるため、長期的な価値もない。

アスレチックス(B+)

ヒルのトレード価値が二ヶ月前ほどでは無くなったにもかかわらず、アスレチックスはドジャースの層の厚いファームから期待の投手を獲得することに成功した。ホームスは2014年一巡目指名で、ピッチャーとしては難しいカリフォルニアリーグにて活躍した。コットンは防御率4.90ながらも97イニングで119の奪三振をあげている。昨オフにホワイトソックスから移籍したモンタスはおそらくリリーフとしての起用となり、現在は肋骨の故障でDL入りしているが100マイルに達するスピードが持ち味だ。


SFマット・ムーアーTBダフィー、サントス、フォックス

ジャイアンツ(B)

怪我以前よりコントロールに難のあるムーアはやや過大評価されているだろう。AL東地区から投手有利のAT&Tパークを本拠地に置くジャイアンツへの移籍ではあるが、4.09という防御率と4.49というFIPから未来のエースというより先発4番手レベルという評価が妥当だろう。ただ、2019年まで年俸$10ミリオン以下と安い契約が残っているため、このトレードはジャイアンツにとって失敗とは言いづらいだろう。

レイズ(B)

昨年に比べて打撃成績が良くないダフィー。さらに主砲ロンゴリアがサードにいるため、おそらくレイズはダフィーをショートにコンバートすることを考えているのだろう。鍵になるのは1Aで今年わずか打率207の若干18歳バハマ出身のスピードスター、フォックスの将来だろう。


SFスミスーMILビックフォード、スザック

ジャイアンツ(B+)

春季キャンプで左ひざ靱帯を損傷し、今シーズン以前ほどの活躍をしていないスミスだが、過去2シーズン129イニングで177奪三振を上げるなどMLBで最も過小評価を受けている左腕の一人と言えるだろう。ストレート、スライダー、カーブのみの持ち球だが右打者相手にも起用可能だ。さらに残り3シーズンの契約が残っており、長期的な戦力としても計算できる。

ブリュワーズ(B+)

キャッチャーのスザックは昨年は控え捕手、今年は3Aとバスター・ポージーの高い壁に出場機会を阻まれていた。スターとはなり得ないだろうが、移籍したルクロイに変わるレギュラー捕手となる実力はあるだろう。ビックフォードは2013年にブルージェイズ、2015年にジャイアンツと2度一巡目指名を受け1Aで好成績を挙げているが、アマチュア時代の95マイルのスピードから90-94マイルほどに落ちていることが懸念されている。


ATLケンプーSDオリベラ

ブレーブス(C)

高い長打力を誇りながらも今年わずかWAR(wins above replacement)0.2のケンプ。この成績が彼の長打力以外の能力の低さを物語っている。ただ、ブレーブスはDVによって謹慎処分を受けていたヘクター・オリビアを放出することに成功し、またSDが$10.5ミリオン負担するためケンプとオリビアの年俸差はわずか年俸$8.5ミリオンである。

パドレス(A)

パドレスにとってオリベラの謹慎処分が8/2より解けるというメリットだけでなく、年俸の高いケンプを放出することに成功した。つまり、パドレスはこのトレードにより、価値の高くない高年俸選手を放出し、マーゴットやレンフローの出場機会を与えることができた。


WSHメランコンーPITリベロ、ハーン

ナショナルズ(A-)

パペルボンが苦しんでいる中、メランコンは過去4シーズンチャップマンよりも防御率が低いなど最も過小評価を受けているクローザーだろう。より打たせて取るタイプであるが、いいクローザーであり、カブスがチャップマン獲得した際の放出選手に比べ、損失は大変小さい。

パイレーツ(B)

今オフFAとなるメランコンを放出することはプレーオフ進出が厳しいパイレーツにとっては正しい決断だろう。さらに獲得したリベロは数年後、本格派のリリーフ投手として一軍昇格するだろう。


BOSポメランツーSDエスピノーザ

レッドソックス(B-)

私は今年のポメランツの覚醒は今年の春季キャンプで右打者が打ちにくいカットボールを習得したためだと思うが、だがトレード前の三ヶ月が彼の今後のキャリアで最も良い時期となりうる可能性もある。確かに、レッドソックス移籍後3試合はここまで不安定な出来となっている。

パドレス(B+)

エスピノーザはトッププロスペクトの本格派である。まだ18歳であるためビッグリーグに上がるまでのどこかで苦しむ可能性がある。しかし、その可能性を考慮してもGMプレラーの大勝利だろう。


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