書評66回目 kkその13【ダブル・ジョーカー】柳広司
2016.08.05 03:00
以前こちらで紹介した、ジョーカーゲームの続編になります。
太平洋戦争へと突入していく不穏な時代。
日本陸軍に秘密諜報員養成機関として設立された、通称“D機関”の活躍を描いた短編集です。
やっぱり俺TUEEEEEEEEE系主人公でありながら、本文中はその名前しか出てこない『魔王』こと名前をいってはいけないあの人、結城中佐の存在感が半端なかったです。
今回は、同じ陸軍内に"風組織"というD組織と同じようなスパイ組織が結成されるのですが、1冊まるまる使ってバトル描くのかな〜と思ってたら、さらっとしか描かれておらず、D組織の圧倒的だな我が軍は感が出てました。
その他、短編集なのでとても読みやすいです。
五つの短編のなかでは、とくに「柩」と「ブラックバード」がスリリングで面白かったです。
「柩」に出てくる若き日の結城中佐の活躍が印象深くて、魔王になる前の結城中佐が気になりました。