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なるさ 療育学習室

ごほうびで要求を増やさないコツ

2020.10.19 14:00


子育てではごほうびを使用する方もいると思います。一方、「ご褒美を使うのはよくない」という意見もあります。よくある理由として「要求がエスカレートする」ということを聞きます。なぜ要求がエスカレートするのでしょうか?要求のエスカレートは行動理論(応用行動分析学)で考えれば理解できます。


ごほうびで要求が増える理由

行動分析に子どもの行動をあてはめると、ごほうびで要求の増える理由が理解できます。行動分析のコツは「行動→結果」をみていくことです。行動のあとに良い結果が起きれば、その行動が増えます。行動の後に悪い結果であるとその行動は減るという単純なことです。宿題をしてごほうびをもらえる太郎君の例を考えてみましょう。

太郎君(架空人物)は宿題をするといつもおやつをお母さんがくれます。おやつはチョコやポテチなど太郎君の大好物なものです。

①ごほうびパターン

宿題をする→ごほうびゲット

太郎君はごほうびをゲットできるので宿題をする行動は続いていました。しかし、ある日、ごほうびをお母さんが買い忘れたり、あげることを忘れていました。


②ごほうびをもらえない

宿題をする→ごほうびなし

太郎君のお母さんは、太郎君が宿題をするようになり、安心してごほうびをあげ忘れる日も増えてきました。太郎君は宿題を自分からする日が減ってきました。でも、言われると宿題はします。しかし、ごほうびをもらえない日も時々お母さんに要求するようになりました。


③ごほうびの要求した結果

「ごほうびちょうだい」→ごほうびゲット

太郎君は宿題をしてごほうびを要求し、ごほうびをゲットできることが増えてきました。お母さんは宿題を終えた太郎君がごほうびを要求するまでわたしませんでした。太郎君はごほうびを要求するとごほうびをゲットできることを学びました。つまり、要求すると好きなものをゲットできることを学習したということです。


この太郎君のような「要求→ごほうびをゲット」は、大人が知らないうちに作られているパターンです。どうしてこのようなことが起きるかは、大人が子どものできたことをすぐに褒めていないからです。

ほめの基本は「先手先手でほめる」です。要求するということは、言い換えれば「おれ頑張ったから早くほめろよ」ということです。

要求を減らすためにはシンプルです。とにかく、要求前にほめること、ごほうびをあげることです。一番のごほうびの要求を増やさないようにするのは「先手でほめる」ということです。

では、要求を子どもがしてきたらどうすればよいでしょうか。そんなときは、すぐに要求をのまない。少し時間をあけて、目標行動がおきれば先にほめるというパターンまで待ちましょう。

子どもの要求するということは、注目のほしいという表現でもあります。基本はほめまくって、たくさん注目をしてあげることで、不適切な要求も減ってきます。