「宇田川源流」【大河ドラマ麒麟がくる】 麒麟がくる「京都伏魔殿編」の新キャスト決まる
「宇田川源流」【大河ドラマ麒麟がくる】 麒麟がくる「京都伏魔殿編」の新キャスト決まる
今回の大河ドラマは面白かった。簡単にストーリーを言えば、足利義昭(滝藤賢一)が、政所として摂津晴門(片岡鶴太郎)を推薦し、そのまま政所として採用することになる。細川藤孝(真島秀和)と明智光秀(長谷川博己)は、もともと足利義輝を見捨てた政所である摂津に問題を感じている。その中に本国寺の変が起きる。すでに治安を維持されたとする京都にいきなり三好三人衆の兵が押し掛けたのである。それを恥と思った信長(染谷将太)が、二カ月で二条城の築城を命ずる。そのなかで、近くの石仏などを招集してしまうことに明智光秀は何か違和感を感じるが、城ができることで喜ぶ足利義昭を前に何も言えなくなるというものである。
本国寺の変は、永禄12年1月5日(1569年1月31日)に三好三人衆(三好長逸・三好宗渭・石成友通)らが下京郊外の六条本国寺(本國寺、江戸時代以降は本圀寺)に籠る室町幕府15代将軍足利義昭を襲撃した事件である。当時の本国寺は下京惣構西南隅の外側に位置し、東西2町南北6町の広大な寺域を有しており、天文法華の乱を経験して復興され、堀や土手を巡らせた要害と化していた。本国寺は京の町衆の信仰を集める日蓮宗六条門流本山であり、最盛期には百以上の塔頭が建ち並び、数千の信者が住む寺内町が形成されていたという。三人衆は1万余の軍勢(5千とも8千ともいう)で攻め寄せ昼頃に合戦となったが、将軍直臣に信長家臣・若狭武田氏家臣を合わせた幕府軍2千が必死に防戦に当たり、三好勢の先陣薬師寺貞春勢が若狭衆の山県源内・宇野弥七らの奮戦により幾度も寺内への進入を阻まれるなどして結局日暮れに終戦下。
信長は岐阜で急報を受けた。折から大雪であったが信長と松永久秀はただちに出立する。すでに三人衆は撤退していた。非常な寒さと急な出立により、配下の陣夫などに凍死者が数人出たという。信長は本国寺の堅固な様子には満足しつつも、今後は「御構へ」を備えた将軍御所がなくてはならないとして、上京と下京の中間にあった義輝の二条御所跡を拡張し、東西3町南北3町規模の「武家御城」(二条城)の造営を自ら指揮した。この辺はドラマの通りである。
「麒麟がくる」芦田愛菜 9年ぶり大河出演!明智光秀の娘・細川ガラシャ役に喜び「私の憧れ」
NHKは16日、俳優の長谷川博己(43)が主演を務める大河ドラマ「麒麟がくる」(日曜後8・00)の新キャスト8人を発表。女優の芦田愛菜(16)が「細川ガラシャ」の名で知られる主人公・明智光秀(長谷川)の次女・たま役を演じることが決まった。芦田の大河ドラマ出演は、6歳の時に茶々(のちの淀君)の幼少期などを演じた2011年「江姫たちの戦国」以来、9年ぶり。今月初旬にクランクインし「戦国時代の女性の中で私の憧れでした」と意気込んでいる。
芦田が演じるたまは光秀の娘で、長女・岸の妹。天真爛漫な性格で、光秀の心の支えとなる美しき少女。広く知られているガラシャは洗礼名で、戦国時代の悲運の美女。細川藤孝(細川藤孝)の嫡男・細川忠興(望月歩)と結婚後にキリシタンとなるが、時代が平穏な生活を許さず悲劇的な最期を迎える。その生きざまだけでなく美人だったといわれることから、多くの女優が演じることを憧れる役。
芦田は同局を通じてコメントを発表。「今回演じさせていただくたまは、戦国時代の女性の中で私の憧れでした。初めて彼女のことを知った時、自らの散り際をわきまえた、とても潔い最期に意思の強さを感じ、心惹かれたことを覚えています。そんなたまを演じられると聞いた時は、心からうれしく思いました」と喜び。「芯を強く持ち、そしてどんなことがあっても、大好きな父・光秀を慕い、優しく、温かく支える存在として、精いっぱい演じることができれば、と思っております」と張り切っている。
他に石橋蓮司(79)が老公卿・三条西実澄、石橋凌(64)が武田信玄、銀粉蝶が羽柴秀吉(佐々木蔵之介)の母・なか、須賀貴匡(42)が美濃の武士・斎藤利三、加藤清史郎(19)が正親町帝(坂東玉三郎)の子・誠仁親王、「HiHi Jets」の井上瑞稀(19)が織田信長(染谷将太)の長男・織田信忠、望月歩(20)が細川忠興を演じる。
ドラマは今月18日放送の第28話から新章「京都伏魔殿編」に突入する。
大河ドラマ59作目。第29作「太平記」(1991年)を手掛けた名手・池端俊策氏(74)のオリジナル脚本で、智将・明智光秀を大河初の主役に据え、その謎めいた半生にスポットを照らす。物語は1540年代、まだ多くの英傑たちが「英傑以前」だった時代から始まり、それぞれの誕生を丹念に描く。
新型コロナウイルスの影響により、撮影は4月1日から一時中止し、6月30日に約3カ月ぶりに再開。放送は6月7日の第21話をもって一時休止し、8月30日に約3カ月ぶりに再開した。
スポニチアネックス2020年10月16日14時02分
https://topics.smt.docomo.ne.jp/article/sponichi/entertainment/sponichi-spngoo-20201016-0131
さてそんな感じで、ドラマが進んでいる。大河ドラマは大河ドラマなりに、当時の複雑な人間模様が描かれている。「僧侶出身の足利義昭」「自分の利権ばかりを見ている摂津晴門」「旧来の権威を重んじる明智光秀」そこに「旧来の権威や価値観ではない新たな価値観を持つ合理主義の信長」が混ざる。この価値観の違いが、将来的に延暦寺の焼き討ちなどのつながるのであろうことは容易にわかる。
しかし、丹波国統一の時、実は明智光秀もほとんどの寺社仏閣を破壊している。また福知山城の石垣などを見ればわかるとおりに、光秀自身も特にそれほど仏教を大事にしていたとは思えない。
よく「比叡山延暦寺の焼き討ちが本能寺の変の原因」という人がいるが、その人々は丹波国における光秀の所業をどのように見ているのであろうかと思う。
まあ、ドラマとしては、焼き討ちで仏像や寺社仏閣が燃え上がるところを見せた上で、信長の目入れにに逆らって僧侶などを助ける光秀を映し出し、憎しみを募らせるというのは、「画」になると思うが、やはりドラマと史実は違う。
上記のあるように「本国寺」が一大要塞であったように、寺院が武力を持ち、そして抵抗した場合の対処は「焼き討ち」しかないのである。そのように考えた場合、「寺院は安全地帯ではない」「寺社仏閣は、抵抗する場合の隠れ蓑にはならない」ということは重要であろう。
ある意味で「考え方の違い」が日本の将来像の違いということになり、それが「上司を殺さなければならない」というような感覚になるのであろうが、寺社仏閣だけでは決定的なものにはならないのではないか。
ではその人間関係が複雑になるところが、「京都」である。まさに現在の「永田町」のように、権力の中枢には、普通の人にはわからないさまざまな「魔」がそろっている。その魔に対する考え方の違いこそが、様々な問題が出てくるのであろう。
さて、その伏魔殿のキャストが決まった。
女優の芦田愛菜(16)が「細川ガラシャ」の名で知られる主人公・明智光秀(長谷川)の次女・たま役を演じることが決まった。<上記より抜粋>
細川ガラシャに関しては、まあ、悲劇の女性というイメージが高い。しかし、実際に明智光秀が生きている間はそれほど不幸な女性像にはないっていない。
本能寺の変の後に、結婚相手である細川忠興に幽閉され、その後高山右近に誘われて洗礼を受け、そして関ヶ原の時に自殺(宗教上自殺が許されないのでわざと殺される)するということになる。
しかし、それらの悲劇はすべて光秀の死後である。16歳の芦田愛菜がその役をやるということは、「まだそのような悲劇が始まっていないガラシャ」を演じるということになる。つまり、この大河ドラマは、そこまでで終わるということを意味しているのである。
他に石橋蓮司(79)が老公卿・三条西実澄、石橋凌(64)が武田信玄、銀粉蝶が羽柴秀吉(佐々木蔵之介)の母・なか、須賀貴匡(42)が美濃の武士・斎藤利三、加藤清史郎(19)が正親町帝(坂東玉三郎)の子・誠仁親王、「HiHi Jets」の井上瑞稀(19)が織田信長(染谷将太)の長男・織田信忠、望月歩(20)が細川忠興を演じる。<上記より抜粋>
武田信玄、織田信忠が出てくるということは、武田信玄とのやり取りの妙が見えてくるであろうし、また、信忠がどこまで出てくるかわからないが、本能寺の変の時の二条御所の戦いも書かれることになるのではないか。また羽柴秀吉の母なかが出てくるあたりも、なかなか面白い。他のドラマのイメージとは異なり、様々な役割が出てくる。また、今回のドラマは、「公家や朝廷」が、少なくとも書かれており、当時の公家と武士の関係などもしっかりと見えてくるのではないか。
当然にそのようになれば、なおさら人間関係が複雑になってくる。その人間関係が淘汰されれば、それだけ怨念が増すのである。伏魔殿は、権力に近ければなおさら大きくなる。それは現在も同じなのである。