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chippi&tetu

クリント・イーストウッド

2016.08.06 05:11



よろよろとRPGを抱えあげようとする少年の姿に、屋上に潜むスナイパーのライフル機銃のスコープ照準がきりりと絞られる。(監督クリント・イーストウッド「アメリカン・スナイパー」)


帰還した戦場のヒーローは心に破綻を来す、

ヒーローにならなかった無残帰還兵はその破綻ヒーローに6発の銃弾を撃ち込んだ。



「かの国への近代的民主制の移入試行は誤りではなかったか?」と問われた指導者は、「しかしわれわれは日本というその成功例を得ていた」と答えた。


その指導者が被爆地広島訪問の思いに揺れて「核の先制不使用」宣言に踏み切ろうとしている、という。


「米国が先に核を使っても、北朝鮮は核を含む全ての手段で反撃し、朝鮮半島や日本に多大な犠牲が出るだけだ。北朝鮮は米国の核報復能力を知っている。米国が核を先制使用する現実的シナリオは存在しない」(米シンクタンク、軍備管理協会会長ダリル・キンボール「ワシントン共同」)




スナイパーの眼にはRPGを抱えあげようとする少年の姿が映りこんだ、

その姿はスナイパーの心をひりつかせる倫理となった。


プレデター無人機のミサイル発射ボタンを作動させる高性能カメラにはその少年の姿は映らない、

核ボタンを押す指導者の眼にもその少年の姿は映りはしない。

そのカメラ映像にも指導者の眼にも、心をひりつかせる倫理は立ち現れない。




「現代はあまりにもポリティカルコレクトネス(人種・宗教・性別などの違いによる偏見・差別を含まない、中立的な表現や用語を用いること)にとらわれ過ぎていて、『軟弱な時代になった』」

「内心ではみんなポリティカルコレクトネスに媚びるのはうんざりしているんだ。俺たちは今、お世辞だらけの時代に生きている。俺たちは本当に、軟弱な時代にいるんだ。誰もが細心の注意を払っている。みんな、レイシストだとか何だとか責めているのを目にする。俺が育った時代なんて、こんなことは人種差別なんて呼ばれなかった。『グラン・トリノ』を作る時なんて、仲間までもが『これは本当にいい脚本だけど、ポリティカルコレクトネスに欠ける』なんて言ったんだ。そこで俺は、『よし、今晩読むよ』と言った。翌朝俺は、脚本を奴の机に叩き付けて言ったんだ。『これをすぐ始めるぞ』と」

「ニール・ダイヤモンドの昔の歌を聴いていたら、『そして誰一人聴いていない/その椅子に座っていさえいない』と言った。そして私は思った、それはオバマだと。彼は仕事しに行かない。彼は議会にも出席しないし、取り決めもしない。一体、彼はホワイトハウスに座っていながら、何をしているんだ?」(クリント・イーストウッド「 Esquire interview」)




よろよろとRPGを抱えあげようとした少年は抱えきれずかそのRPGを放り投げる、

スナイパーはライフル機銃のスコープからゆっくりと眼を落とす、



この場面、そのままRPGを抱え上げて構える少年の姿を、そしてその少年の身体をまっすぐに射抜くスナイパーの銃弾を描く別シナリオを持ち得たのか、


そこでは、スナイパーの心をひりつかせる倫理は立ち現れなかったのか、現れたとしてその倫理はどのような姿、振る舞いをしていたのか。