清貧農民　杉山あきら　国会への道㉕　ラーメン中心の活動？

共産党の議員さんというと真面目で堅苦しいイメージを持つ人もいると思うが、こんな人もいた。
ある日の街頭宣伝にベテラン女性市議のFさんが同行してくれた。
宣伝カーに乗るとFさんが「杉山さん、今日のお昼は＊＊で食べるからね。あ、あそこにはザルそばはないかなー。ごめんね。」と言う。僕の好物を知っている。このブログを読んでくれているのだ。
それにしてもFさんは車内でずっと「あそこの店の＊＊おいしい！」「ボリュームがある定食ならあそこ。」などと事細かなグルメ情報を語り続けている。本当に詳しい。ベテラン市議だけあってこの地区のあらゆる店を知り尽くしているように思われた。
休憩の時間に、地区委員長が「Fさんがほんとに詳しいのはラーメンだべ。」と言った。するとFさんは「来たか、その話題！」という感じで一気呵成にその豊かなラーメンネタを話し始めた。
「あの店なら辛みそラーメン」「あそこなら肉野菜みそ」「あそこはみそチャーシューの太麺」と、かなり細かいところまで語れるのがすごい！みそ系が好きらしいところは僕と同じだ。
僕は尋ねた。「じゃ、この辺のベスト・ラーメンは何だと思いますか？」
Fさんの目がキラリと光った。深くうなずくと、ちょっとヒソヒソ声で真剣に、「＊＊のショッピングモールに入ってる〇〇っていう店のみそラーメンがね、柿渋を使った特殊製法で麺がシコシコで最高なのよ！」
そして次の街頭宣伝の時にぜひ行こう、と言う。
「お昼にちょうど〇〇に着けるように、午前中は＊＊あたりを回ってさ・・」
「Fさんは昼飯を中心に日程を組んでるなあ」
「『機関紙中心の活動』ってのはオレらよく言うけど、『ラーメン中心の活動』って・・」
みんなで大笑いすると、Fさんは
「いいの！人生、楽しみがなくちゃ。肩肘はってばかりじゃダメ！くたびれちゃうでしょ？」と僕を見た。
Fさんは、僕にそのことを教えようとしてくれたんだな、とわかった。