マット・ソーラム (GNR / VR) #2 / You Could Be Mine & Too Bad
元Guns N' Roses / Velvet Revolver で、最近は様々なプロジェクトでも叩いているマット・ソーラムが、LA のカッコいいロックバンド、Rival Sons のドラマーと対談!
そのインタビュー訳Pt.2、今回は「You Could Be Mine のドラム」「ライブ感へのこだわり」です。
(*今回もかなり長いので大訳です)
S: Matt Sorum
M: Mike Miley
スタジオでのエピソード
8:50
S: オレ達がA&Mスタジオで Use Your Illusion のレコーディングをしていた頃、あそこの一番大きな部屋を使っていたんだけど、あの部屋は "We're The World" のレコーディングが行われたことで知られていると思う。
あのスタジオは Hollywood & La Brea の通りに面していて、昔はあのチャーリー・チャップリンがオーナーだったんだ。
オレ達はそんなデカいスタジオに機材をたくさん持ち込んで、ライブのような環境でレコーディングしようとしていた。
あれはまだPro Tools が登場するほんの少し前だったからね。オレがPro Tools をはっきりと認識したのは、Metallica の "Black Album" だったよ。
ラーズ(・ウルリッヒ)とオレはドラマー仲間で、(多分、レコーディング最中のスタジオに行ったんでしょうね!)あれを見た時は「こりゃ一体なんだ!?」と思ったよ。
でも、オレ達のUse ~のレコーディングは従来のテープを使った収録だった。
You Could Be Mine
9:40
そこでアルバムの一曲、"You Could Be Mine" を録っていた時の話だ。
オレ達は基本、どの曲も2~3テイクで録音してた。
なぜかというと、オレが「もう1テイクいっても良いか?」と言うと、スラッシュはいつも「ロックンロールの良さをぶち壊そうとするのか?」って答えるんだ(笑)
テイクを重ねるほど、バンドのプレイ自体は上手くなっていくんだけど、彼のモットーは「ファースト・インプレッションを大事にしよう」ということだったんだ。
湧き上がってくる本能のエネルギーというのかな。
あの頃はクリックトラックも使っていなかった。
(レコーディングの際、テンポを確実に一定に維持するため、プレイヤーが聴くピッピッピッというクリック音)
あの頃のオレ達は、とにかくスタジオに行って、スラッシュとダフ、イジーのセッティングが整ったらプレイって感じだった。たまにアクセルが混じることもあったけどね。
実は、あのCDになった "You Could ~" のバージョンは3テイク目だったんだけど、オレはそのイントロで前の2テイクと異なる、当時大好きだったテリー・ボジオ風のフレーズを入れてみたんだ。
もちろん、オレのはテリーほど速くないけれどね。「オレ流のテリーの解釈」だ。
すると、それを聞いたスラッシュやダフはビックリして「おい、何だそのフレーズは!?」みたいに振り返ってさ(笑)
プロデューサーのマイク・クリンクも「おい、それでいこう!」って一度オレ達のプレイをストップさせたよ。
まさに偶然から生まれたようなプレイだったんだけど、それがオレのキャリアにとって大きな刻印になったんだ。
皆がオレの代表的なプレイとして覚えてくれた曲というかさ。
どういうわけか、あの場でああいう風に叩いてみようと思ったんだよな。
伝統を踏襲するRival Sons
11:55
(↓Rival Sons 未聴の方はぜひ!)
M: 僕らRival Sons も似たような経験をしてますよ。
僕らのアルバムは全て、素晴らしいプロデューサー、デイヴ・コヴによるプロデュースなんですが、最初の4~5枚目までの曲は、作曲からレコーディングまでが一日で行われたものがほとんどなんです。
もう全てがファースト・インプレッション、直感的に行われた感じで、これがデイヴのやり方なんです。
さっきあなたも話されたように、それが僕らの尊敬するヒーローたちのやり方でもありましたから。
さっきの話って、きっと90年か91年ぐらいですよね?
S: ああ、そうだね。
M: Small Faces やZeppelin、ジミヘン達もそうやってましたし、Van Halen のデビューアルバムなんて、5日ぐらいでレコーディングされて、彼らはすぐにツアーに戻ったらしいじゃないですか(笑)
僕らもそういった「最初に湧き上がる感情」というのを大事にしているんです。
必聴・ "Too Bad"
13:05
Rival Sons の現時点での最新作に "Too Bad" という曲があるんですが、それが僕のお気に入りなんです。
(↓これ、ラストが圧巻です!)
Vo. ジェイ・ブキャナンとGt. スコット・ホリデーの二人がメインのソングライターなんですが、そのアルバムを制作していた時、ジェイはジェイで曲のアイデアを、スコットはスコットでリフを持ってきたんです。
その日、僕らは午後を丸々使ってアイデアをこねくり回してたんですが、僕は曲が形になるまで昼寝をしようと横になったんです。
その時、ジェイが形にしようとしていたその曲と、スコットが持ってきたリフのキーが同じだということに気が付き、僕は起き上がって連中の所に行って話をし、一曲にまとめようということになったんです。
それがアルバムに収録された形で、これもファーストテイクでした。
それがアルバムからのシングルになり、ロックチャートのトップ10に入ったんです。
サバスっぽいギターリフにラウドなサウンド、美しい(ロック)ラブソングなんですよ。
続く…