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ここはどこ? 私は誰? お座敷

2016.08.08 07:37

いつの間にか、私は気を失っていたらしい。

目を覚ましたら、薄っぺらい布団に寝かされていた。

障子の向こうは日本風の庭が広がっている。床の間には書の掛け軸。窓の下に文机が置いてあった。

どこかの家なのかな?

ここの家の人に助けられたんだろうか? 木綿の浴衣に着替えさせられているし……

私は血が流れていた脇腹に手をやった。

(……あれ?)

血が出ていない。

それだけではなく、痛みもなかった。

浴衣の裾をまくって、私は脇腹にじかに触れた。脇腹だけでなく、あちこちをまさぐった。

「傷がない……!」

思わず、声をあげてしまった。

まさか、そんなはずはない! あれだけ、大怪我をしていたのに……。

私は慌てて額にも手を伸ばした。額からも多量の出血をしていたはずだった。

それなのに。

「怪我がない……どうして……!」

その叫び声が廊下に響いたようだ。

足音が近づいてきて、お座敷の前で止まった。