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秀逸なフラグシップ  Intime 碧Ti3レビュー

2020.10.24 11:47

intime碧Ti3というイヤホンを購入しましたのでレビューしたいと思います。

この碧Ti3はオーツェイド社intimeのフラグシップモデルとして2019年8月に発売されたモデルです。

価格は2万円ほどでフラグシップモデルとしては格安と呼べる価格です。

しかしながら価格からは想像できないほどの豊かな音を奏でるイヤホンです。


intimeとは


このイヤホンのブランドintimeをご存じない方もおられると思います。

intimeはオーツェイド社のイヤホンのブランドです。

オーツェイド社は群馬県高崎市にある圧電素子の研究・開発を手掛けている会社で2016年に創業された新興会社です。

圧電素子の中でも積層型圧電スピーカを専門としており今回の碧Ti3にもオーツェイド社独自開発のドライバーが使用されています。




intimeは高音質を手ごろな価格で提供することをモットーに開発しており非常にコストパフォーマンスの良い製品群が多いです。

安価なものでおすすめはintime SORA light で価格は4000円ながら非常に上質な音を奏でるモデルです。

1万円以内のイヤホンではおすすめイヤホンの筆頭と呼べる名機だと思います。


外装・外観


外装はフラッグシップモデルらしい上品なたたずまいを醸し出す黒い厚紙です。

碧Ti3のロゴが真ん中に刻印されておりシンプルでわかりやすいデザインだと思います。




附属品はかなり豪華でイヤホン本体のほかに本革イヤホンケース、イヤーピースを収納できるケース、Ti3の保証書兼各種部品説明が付属しています。







このイヤホンの外観の特徴は何といってもハウジングがチタン合金であるという点です。

チタンは高価で傷がつきやすいためオーディオ用途では適しませんが合金にすることでチタン特有の音の立ち上がりの速さや豊かな音の響きを残しながら剛性を確保しています。


またケーブルもこだわっておりSONYの高級ウォークマンWM1Aシリーズのバランスジャックに採用されたPentaconn開発元の日本ディックス社と協業でOFC+銀コート線を採用しています。

OFCは豊かな低音を出音する素材で銀でコートすることにより高音域を増強させている様です。

また接点が増えることによる音質低下を防ぐためリケーブルはできないように設計されています。


スペック


感度 100db/mW

再生周波数帯域 10hz~55khz

インピーダンス 22Ω

インピーダンスは22Ωと標準より若干高めですが感度が低く少し鳴らしにくい部類です。


装着感



装着感は非常にフィット感は良く軽く動かしてもずれることなく快適にリスニングできています。

遮音性は高く電車の中でも快適にリスニングできる水準です。

しかしながらwestone,shureがリリースしているモニターインイヤーに比べると少し劣ります。

イヤーピースは色々ととっかえひっかえしていましたが最終的にAZLA SednaEarfitに落ち着きました。

Ti3のステムは長いためJVCのスパイラルドットシリーズのようなステムの長さが短いものは不向きで装着感は良好ですが高音が伸びず音場も一段階狭くなってしまいました。

AZLA SednaEarfit装着での音質は純正イヤーピースから一段良くなる印象で音場が少し広くなり低音の定位が安定しクリアになります。

Ti3とではこのAZLA SednaEarfitがベターだと思います。

AZLA SednaEarfit


音質


再生環境はZX2+PHA-3+intimeTi3(AZLA SednaEarfit)です。

ZX2をデジタルトランスポートとして使用しています。

回路内部部品の差異やジッター値等によりトランスポートによって音質が変化しますがZX2では解像度の高く低音の程よく効いた明るめな出音になりますのでリファレンスとしては最適です。

ポータブルアンプPHA-3は物量が投じられているだけあり現在の10万円台のDAPに比べても音の艶、分離が良好で好んで使用しています。


試聴曲はSACRA MUSICから藍井エイルのI will...

I will...はアニメ「ソードアート・オンライン アリシゼーション War of Underworld」のエンディング曲として使用されています。

このI will...,冒頭はキーボードだけのシンプルの伴奏でスタートしますが曲が進行していくごとにドラム、ベース、エレキギターなどが加わり迫力ある演奏に変化します。

この曲は優しく歌う場面ではバラードのようにしっとりと激しく歌う時にはチェストボイスを多用した力強さを感じる等中々聞きこんでみると奥が深い楽曲だと思います。

アニメソングは常々思うのですがテンポが速い曲が多く低音の質も重要であるためしっかりと聞きこむためにはグランドの良いオーディオセット、音の立ち上がりに優れるイヤホンが要求されるのではないかと思います。

その点この曲はボーカル,伴奏が非常にキレがありますのでプレイヤー,イヤホンの音の立ち上がりが試される楽曲と思います。




一聴してみるとTi3のサウンドは全体的にキレがあり非常に質の良い低音がしっかりと定位して迫力を持たせながらも高音、中音がメリハリがあるといった具合です。

全体的に音が近く鳴っており昔ながらの密閉型ヘッドホンにに近い印象を受けます。

鼓膜に音が直接飛び込んでいるかのような脳内に響くようなサウンドでスタジオでの最前列で演奏を聴いているかのような印象を受けます。

出音は非常にクリアでアニメソングのようなテンポの速い楽曲,ロック,ポップといった脈動感のあるジャンルには最適といった印象です。

ただバラードのようなゆったり目な楽曲が合わないといったこともなく切れがいいため非常にソリッドに楽しめます。

帯域バランス的には明らかな低音寄りで低音がどっしりと定位しているような鳴り方です。

量感がありながらも引き締まった出音でバスドラムやベースを楽しく聞かせてくれます。

良くも悪くもリスニング機で若干脚色されておりパーカッション・ドラムとは相性がいいですがソリッドな出音ですのでビオラ・バイオリン等の弦楽器は魅力をあまり引き出せないなあといった印象を受けます。




個人的な印象としてはSONYのダイナミック一発機の名機MDR-EX1000を低音域を増強する代わりに高音の刺さりを抑えたようなサウンドです。

MDR-EX1000は解像度の高さと広々とした音場が魅力ですが良くも悪くも高音域が刺さるといった印象を与える機種です。

2010年発売のためもあってか現在のミドルクラス以上のイヤホンと比較すると中音域の音抜けが少し悪く時代を感じさせる機種に感じます。

その点このTi3は設計年度が2019年と新しいのもあってか音の抜けが良いリスニング機といった印象です。

シャープさでいうならばwoodシリーズで定評のあるJVCがリリースしているソリッドサウンドを謳い文句にしているfdシリーズに通ずるものがあると思います。

JVCはwoodシリーズで定着しているためかあまり人気が出ずにfdシリーズは破格といえる値段になっていますがソリッド,ドンシャリがお好きな方は是非一度手に取っていただきたい機種です。

一番のおすすめとしてはfdシリーズの最上位fd-01がおすすめです。

ビルドクオリティの高さはもちろんのことステンレス・チタニウム・ブラスの三種類が付属していますので自分好みにすることができるのも評価できるポイントかなと思います。

JVC HA-FD01


最適な楽曲紹介


音の立ち上がりが良いためテンポの速いポップ系・ロック・アニソン系が向いています。

ポップ・ロックから一曲ずつ紹介したいと思います。


①ZARD Get U're dream

2000年のシドニーオリンピックのテーマ曲です。

オリンピックのテーマ曲といえばゆずの栄光の架橋,安室奈美恵のHeroが有名ですがこの曲は印象が薄いなあと感じます。

アレンジがコーラス重視のもので大黒摩季の熱くなれのような熱く強くオーディエンスに印象付けるものではものではなかったのも一因ではないかと考えます。

曲調ですが打ち込みが多用されており低音が印象的で質の高い量感があるTi3では迫ってくるかのような臨場感を味わえます。

上にも書きましたが聴きどころはコーラスで両耳からコーラスが聞こえてくるのが鳥肌ものです。


②B’z ZERO


圧倒的な知名度を誇るB'zの名曲zero

伴奏はエレキギター,パーカッションが主体でTi3の低音を存分に味わうことのできる音源です。

非常に迫力があり中毒性があるとでも申しましょうかB'zに浸りたいときにはTi3は最適な組み合わせと感じます。


総評


イヤホン界で2~3万円台のイヤホンは対抗馬が数多くいます。

先ほど挙げたJVCのHA-FD01も価格が下落して現在は2万円台に落ち着いていますしインイヤーモニターとしてはshureと双璧を成すwestoneのum pro30等数多くの名機が存在します。

それらに対し今回挙げたintimeのTi3はお世辞にも世間に浸透しているとは感じられません。

購入可能店舗も限られていますしメーカーが新興企業だけあって知名度があまりなくマイナーな部類に入るかと思います。

ただ価格からみる価格からみる実力は侮れずフラグシップモデルとしての完成度の高さを感じさせてくれます。

ポップ系の楽曲をよく聞く方には諸手を上げてお勧めできるモデルです。

スマートフォンでも再生してみましたが十分高音質を体感できる水準には達しています。

アンダー一万円台のイヤホンをお使いの方は思い切ってこのモデルを手にされた方が幸せになれるかと思います。

intimeのフラグシップの座はリケーブル可能なintime 翔に譲りましたが圧倒的な完成度・音質を誇る本機を一度手に取っていだたきたいと思いました。

私が購入したのはアンバランスモデルですがバランス接続向けに設計されたモデルもありますのでご興味終わりの方はぜひご覧ください。

ご覧いただきありがとうございました。