伊邪那岐命・伊邪那美命から誕生した神さま ②
前回に続き、伊邪那岐命と伊邪那美命の神産みで生まれた神様、その内の生産関連に関わる神さまをご紹介します。
鳥之石楠船神(とりのいはくすぶねのかみ)
別名=天鳥船神(あめのとりふねのかみ)
船の神、運輸•交通の神
この神さまは神産みの際、若しくはそのあとに関してもさほど、多くの記述はありません。但し、重要な場面としては、このあと、「国譲り」(古事記の葦原中国平定の段)では、天鳥船神が建御雷神の副使として葦原中国に派遣され、事代主神の意見をきくために使者として遣わされています。日本書紀にはこの表記はありません。
また、神さまも神名から想像されているだけで、実際にはなんの神さまなのかは確実なところもなく、また、祀られている神社も少ないので、確かなことはわかっておりません。
大宜都比売神(おほげつひめのかみ)
別名=保食神(うけもちのかみ)
神産み神話において五穀豊穣の神は多くいらっしゃいますが、その起源がまさにこの神さまです。
『古事記』においては、国産みにおいて伊予之二名島(四国)の中の阿波国の名前として初めて表れます。阿波国の名前が大宜都比売とされていることについては、阿波を穀物の「粟」に掛けただけの後附けともされますがが、逆に穀物神の大宜都比売が祀られていた国であるからアワの国と呼ばれるようになったとする説もあります。
また、この少し後にスサノオさまが高天原から追放された際に、食物をお与えになられますが、オオゲツヒメさまが、鼻や口、お尻から食べ物を出して提供するのを、スサノオさまは怒って斬り殺してしまいます。すると、大宜都比売神の頭から蚕、目から稲種、耳から粟、鼻から小豆、陰部から麦、尻から大豆が生まれました。そこで神産巣日神はこれらの五穀を取り種になさいました。
火之迦具土神(ひのかぐつちのかみ)
別名=火之夜藝速男神(ひのやぎはやをのかみ)、火之炫毘古神(ひのかがびこのかみ)、軻遇突智(かぐつち)、火産霊(ほむすび)
火の神
カグツチさまのことは、「イザナミさまと火の誕生」 また、「神が神を斬る?」
の記事で色々触れまして重複致しますので、ここでは細かくは述べません。しかし、カグツチさまが斬られた時に生まれた神さまに関しては、またこの後にでも別記させていただきます。