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風よ伝えて(爺さんのブラジル移住)第238段

2016.08.08 14:34

40日間、日本滞在(その46)

 予定なしの日(その2)


 ゆっくりと過ぎて行く時の中で、伯と2人で見る景色。

 コバルト色の秋の空は高く、眼の前に広がる公園は、桜並木が枯葉を落とし、寂しさだけが先走った。

 静かな池。

 孫たちが遊んだ、サイクル広場。

 初めて太極拳をした広場。

 

 もう、来ることができないかもしれない。

 そんな寂しさが湧いてきていた。

 おふくろの口癖の「もう、みおさめね。」

 この時に私は、そう思った。

 また、ここへ戻って来たい。

 でも、できないかもしれない。

 いや、絶対に来る!

 そんな思いが、くるくると心の中を、駆け巡っていた。

 でも、また来ようぞ!

 ゆっくりと、ゆっくりと流れる時の中で語らうことができた。

 4時を廻っていた。

 腰をあげ、公園の裏道に出た。

 伯と話、最後に「王将」に食べに行くことにした。

 町役場の裏に出ることができる細い坂道を降りた。

 町役場を抜け、よく食べに行った丸亀製麺の前を通り、師崎街道に出た。

 師崎街道を北に歩く。

 昔の常夜灯そして、露地の片隅には、古い道標の石柱が残っていた。

 旧街道で道幅は細く、車は少ない。

 1キロくらいで入海神社に着いた。

石段を登り、本殿の前にたった。

 2人の少年が、本殿の階段に座り、ゲーム機で夢中に遊んでいた。

 邪魔をしないように階段の隅を通り、本殿前に立ち、お参りした。

 私がガキの頃の思い出で、神社の境内で遊んだ記憶は、沢山ある。

 全ての記憶は、冒険という言葉の中にある。

 本殿の階段に座り、ゲームに没頭している少年も、何時の日か、自分の想い出として、甦らせることであろう。

 想い出の中身は違っていても、ガキの頃の思い出。

 その時代の違いの中で、人の心の砂時計は、静かに流れている。

 さらさらと、さらさらと途切れることなく。

 入海神社の石段を下り、大きな通りに出た。

 2キロ爬度歩き、「王将」に着いた。

 伯は焼飯、私はラーメン、何時ものこと。

 何時食べても、美味しい。

 京都で、健誠君と行った「王将」でのことを思い出した。

 京都とは、味が違うが、どちらも、美味しかったのは同じ。

 帰り道のこと。

 途中に本屋がある。

 立ち寄った。

 目的もないまま、ただ、時間つぶしのために入った。

 買う気もなく、店の本棚を眺めながら・・・。

 文庫本のコーナーになった。

 三島由紀夫のコーナー。

 見ると、「潮騒」があった。

 もう1度、読んでみようか。

 どうせ、飛行機の中は、何もすることが無いから、読んでみよう。

 430円、新潮社。

 アパートに戻った。

 ガランとした部屋。

 今晩は、晩酌なし。

 東浦最後の夜。

 寂しさと共に、もう、寝てしまおう・・・。

       かの桜 また何時の日か 巡り合い 

           もうみおさめとは まだ先の先