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【75番】和歌の才能を鼻にかけていた!?藤原基俊!!

2020.10.24 21:45

ジャンル:他
時代:平安時代 
超要約:お約束の件

歌の意味(子ども向け):約束が守られないまま、今年も過ぎてゆきますよ。
歌の意味:お約束してくださいました、よもぎ草の露のようなありがたい言葉を頼みにしておりましたのに、ああ、今年の秋もむなしく過ぎていくようです。
☟この首に関するクイズ

Q 「ちぎりおきし」の意味は?
①約束していた
②細かくちぎっておいていた

A ①
👇語呂合わせ(覚え方)


 作者には、興福寺の僧になった息子がいました。息子の光覚(こうかく)が、維摩会(ゆいまえ)(奈良の興福寺で、陰暦10月10日から7日間にわたって維摩経(ゆいまきょう)を講義する法会)の講師になることを望んでいました。そこで、その任命者である藤原忠通(ふじわらのただみち)に願い出たところ、「させも草」の歌をしめして、安心せよと約束してくれたのに、その年もだめだったので詠んだ歌です。悲哀の情を晩秋のもの悲しさと重ね合わせて表現しています。

 作者の藤原基俊(ふじわらのもととし)は、平安後期の代表的な歌人です。官位に恵まれず、和歌に力を注いだと言われます。藤原定家(97番)の父・藤原俊成(ふじわらのしゅんせい)(83番)の先生でもありました。源俊頼(74番)のライバルで当時の歌壇の重鎮でした。ただ、才能を鼻にかけるところがあり、人々にはよく思われていなかったようです。

 奈良の興福寺は国宝の五重塔や八角形をした南円堂、また凛とした顔立ちの阿修羅像などで知られています。