マイナー天体②「IC 1613」
2020.10.26 06:00
この天体は、私たちの銀河系(天の川銀河)の属する「局部銀河群」の銀河の1つで、秋の星座「くじら座」の方向にあります。
距離は約240万光年と銀河としては比較的近いため、ばらばらと星に分解して写ります。広がりも、16分×14.5分と月の4分の1くらいに広がっています。明るさは9.9等(視等級)ですが、淡く広がっているためか、それほど明るい印象はありません。矮小不規則銀河ということですが、青い星も多く、なかなかカラフルに写りました。
銀河の距離を測るときに重要なセファイド(ケフェウス座デルタ星型変光星。変光周期と絶対等級に一定の関係があるので、変光周期を測れば、その星の絶対等級が分かり、見かけの明るさとの比較から、その星までの距離を推定できる)がいくつか見つかっているそうなので、定期的に撮影すれば、その変光周期を自分で測定して、距離が計算できるかもしれません。
IC 1613はほとんど名前が知られていないマイナー天体ですが、個人的にはお気に入りの天体の1つです。(フラット補正があまりうまくできていないのが心残りです)(Ori)
撮影日時:2020年8月19日2時19分~ 120秒露出×20枚
撮影機材:鳥取市さじアストロパーク 103㎝反射望遠鏡、短焦点化レンズ(F4.6)、
キヤノン EOS-6D(HKIR) ISO3200に設定