外装リフォームを成功させる!営業資料&ツール大研究 PART3
3~4社に及ぶ相見積もりによって低下する成約率、さらに契約後も工事中のトラブルや施主対応など、外装リフォームは課題が山積だ。今回は、外装リフォームで活躍するリフォーム店や塗装店たちが、これらの問題を改善するために活用し効果を発揮している営業資料やツールを大公開。
PART3 契約時
起こり得るトラブルを想定し、契約を取り交わす。書式づくりのポイントを聞いた。
全て書面化し自己防衛
《カルテット(東京都小平市)》
“言って欲しかった”を防止
元々塗装職人で、長年塗装の現場に携わる宇野代表は、これまでに色々な顧客と出会い様々なトラブルも経験してきた。「もう少し丁寧に対応して欲しかった」「先に言って欲しかった」。施主からこの様な言葉をかけられる事も少なくなく、その都度、施主に丁寧に事前説明する事の重要さを実感してきた。
昨今は、契約時の書類に相当のこだわりを持って作る。工事の内容や段取り、進め方、色決めについて、事前に注意する事などは全て書面で取り交わす事を徹底している。
「後から“聞いていなかった”と言われないように、お施主様が嫌になるくらい書面で残す事が大切です。お客様の中にはクレーマー気質の方もいるので、自己防衛が大切です」。(宇野代表)
【ツール1 工事前確認書】
あらゆるトラブルを想定し書面で残しておく
着工後のイメージが湧きやすいよう、工事前の確認事項を8ページに渡って細かく記載。「契約時にお客様の前で読み上げ、書類を手渡しします。」
内容は、天候によって工事進捗に遅れが出てしまう事、近隣への挨拶や工事に当たって協力が必要な事、作業の妨げになる植木鉢や傘あてなどを事前に移動しておいてもらう旨など、工事を円滑に進めるための内容となっている。
記載している内容一覧
●工事日程、作業時間
●工事期間中の天候不良と進行
●塗料や資材等の発注、色決め
●近隣へのご挨拶
●工事期間中の注意点
●養生や高圧洗浄
●工事中に起こる可能性のあるトラブルや不具合について
●契約後の工事の追加・変更について etc
【ツール2 リフォーム工事施工前確認書】
施工前の破損個所管理と報告を徹底
塗装後は、元々あった破損個所や傷が目立つ。工事前に職人たちが破損個所を日付入りで写真撮影し、表に記載する。
「私共が把握していないと、“こんな傷はなかった”と収集がつかなくなってしまいます。事前に現場確認し、管理と報告を徹底するようになりました。この用紙はお客様には破損箇所を指摘されてからお見せする事が多いですね。」
▲発見した日付や、日付入り写真撮影を義務付けるのがポイント。
【ツール3 契約書の特記事項】
相当厚めに記載し万が一に備える
契約書類の特記事項も細かく記載し裁判等の万が一に備える。「良い意味で不快に思われる方もいます。クレーマー気質の方を避ける狙いもあります」。
その他に色決めの仕様書なども用意。施主自身が指定した品番を発注する姿勢だ。配色指定後の色変更は材料費等の負担が発生する旨を書面で残し、署名と捺印までもらう徹底ぶりだ。
▲特記事項の内容はA4サイズで4頁のボリューム。
公開して頂いたのは…
カルテット(東京都小平市)宇野清隆代表
自社施工をウリにする塗装専門店カルテットの代表。塗装職人が20名以上在籍。HPページ集客をメーンに年間約300棟の外壁塗装を手掛ける。年間売上は約4億円。WEB集客に力を入れており、見積書提出後の電話営業を一切しない事でも有名。「宇野塾」という塗装専門店向けの講座は延べ300社以上が受講。今後は、これから独立・開業する若手経営者を対象に、HPの作り方や、個別のコンサルティング業務に注力する考え。