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司法書士田中康雅事務所(川崎市麻生区新百合ヶ丘稲城市の相続手続登記相談)

ちょっと待って遺産分割!生前贈与が

2020.10.27 10:25

相続財産は

不動産2000万円

預貯金3000万円

相続人は配偶者と子ABの3人。

さあ、遺産分割をしよう。


その遺産分割ちょっと待った!


被相続人から子Bが

住宅購入資金として生前1000万円

もらっているのをお忘れではないですか。


相続人への

生計の基礎として役立つ財産上の給付は

生計の資本としての贈与として

「特別受益」に該当し、

被相続人の相続財産に「特別受益」を

加算し、法定相続分を乗じる必要があります

加算した特別受益分は、法定相続分で乗じた後

実際受け取った者から控除します。


具体的相続分

配偶者 (5000万円+1000万円)×1/2=3000万円

子A   (5000万円+1000万円)×1/4=1500万円

子B  (5000万円+1000万円)×1/4

     −1000万円       =  500万円


結果

配偶者 遺産分割により不動産と預金1000万円

    の合計3000万円

子A   遺産分割により預金1500万円

    の合計1500万円

子B   遺産分割により預金 500万円

    生前に住宅資金贈与1000万円

    の合計1500万円

になります。




この相続人への生計の資本としての贈与

「特別受益」は

相続開始前3年、10年

いや何年でもさかのぼって参入可能です。

cf遺留分侵害請求は改正により原則10年


あまりにも詳細まで突き詰めると、

どこまでが特別受益になるか、金額はいくらか

等々

遺産分割がまとまらないことも。


ですので、

特別受益を遺産分割のステージに上げる場合は

細心かつ慎重に行ってください。

 

もちろん

特別受益に該当し

遺産分割は、

相続人が合意していれば、

どのように分けても問題ありません。

(私的自治の原則)

極端な話、

配偶者全部、子ABは0円の遺産分割も可能です。


したがって

遺産分割協議は、

当事者の合意≧特別受益を考慮した具体的相続分


結局

特別受益を遺産分割でどう扱うか。

相続人のみなさん次第というお話でした。


次回は特別受益の持戻し免除になります。



司法書士田中康雅