【合格体験記】来年もう一度チャレンジする!①
2次試験の結果発表からはや1週間経ちました。わたしは毎回不合格になった方のことのことが気になっています。なぜなら、わたしも毎年たくさんの試験やコンクールを受けているので、当然うまくいったこともあれば、そうでない苦い経験もしているからです。ときには周囲が励まそうとして送ったメッセージによって深く傷つけられたこともあります。(中には上から目線のメッセージもありました)。「経験したことない人にはわかんないよ」と心中で叫びたい気持ちです。その反面経験者の言葉ってとても深く励ましをもらうものです。今回は2018年に2次に不合格となり、翌年にスーパーテイスターとなり合格した後藤忠明さんに合格体験記を書いていただきました。やはり体験者の記事はパワーをもらえるものです。
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苦汁からブルゴーニュ特級畑ワインに熟成するまでの一年
後藤忠明さん(2019年WE合格)
1.魔法のコトバ
先日、JSA二次試験の発表でしたね。受験なさった皆さんは結果に応じて悲喜交々だったことでしょう。SNSに飛び交う歓喜の報告に触れるたび、2年前の同じ頃、私が二次不合格ショックで海底に沈み、それでも必死にもがきながら、陽の当たる海面へ浮上できた、長くも短かった日々を思い出します。
あの時の苦汁が、たった一年でブルゴーニュ特級畑ワインに熟成した驚きと、喜びを噛みしめながら…
あの日、2次試験の隣に座った受験生は女性でした。きれいな背筋でグラスを観察し、落ち着き払って解答用紙を書き込んでいく姿を横目に、私は基礎力不足など何のその。品種当てから帳尻合わせしようと4脚を飲み干し、酔いまで回って、冷静さを失っていく始末。そんな見苦しい自分の姿が、今でも時々フラッシュバックしてきます。
発表の日、合格者が連番で並ぶのに、何度見ても自分の受験番号だけがスキップしているパソコン画面。60年の人生でビターな思いなど何千回も経験してきたのに、いつになっても消えも、癒えもしない不思議な脱力感…
きっと皆さんの中にも、私と同じ心境を暫く引きずる方もいらっしゃるはずです。しかし、仕方ありません。治す特効薬などありません。試験とはそういうものです。早く目覚めて、時間を味方にしながら、自分のチカラで突破する以外に解決策はないのです。
そこで、ズドンと落ちた気持ちを奮い立たせる「魔法の言葉」があるので、一度、自分自身に話し掛けてみてください。
と。
「そもそも、自分はナゼこの資格を取るんだっけ?」 と。
そして、心の返事を紙に書いてみてください。答えは十人十色でしょう。しかし、それが今でもハッキリ、クッキリ、キラキラと輝く強い意志だったら、これ以上クヨクヨしている場合ではありません。もう、前に進むしかないのです!!
★後藤さんの体験談⇒その2(前半の過ごし方)
(写真:フランス語も堪能な後藤さん)