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辰砂と火山帯

2020.10.29 13:56

https://www.ntv.co.jp/megaten/archive/library/date/05/01/0116.html 【所も仰天!重~い 水銀】 より

今回のテーマは、不思議な金属「水銀」。危険なイメージも強い水銀ですが、実は上手に使えばとても役立つもので、現在でも我々の生活に不可欠なものだったのです。

近代科学の父と言われた偉大な科学者ニュートンも、晩年は水銀から金が作れないかと、錬金術の研究に没頭したそうです。その末裔(まつえい)と称する新キャラ矢野トンが、「目がテン!」で科学の普及に貢献している所さんに、水銀で作った銀メダルを贈ろうと計画しました。

そもそも水銀とは、常温で液体である唯一の金属。金属ということで、試しに電気を通してみたら見事通して電球を光らせましたし、金属探知機にも反応しました。

そして、水銀が我々の身近な所でよく使われているのが家庭用の蛍光灯。正式には低圧水銀灯という名前です。しかし、家庭用の蛍光灯の中を覗いても何も見つかりません。どこに水銀は使われているのでしょう。

実は、蛍光灯の中に水銀は気体の状態で入っていて、水銀と電子が衝突すると紫外線が発生し、その紫外線に蛍光灯の表面に塗られた蛍光塗料が反応して光るという仕組みになっていたのです。ちなみに、このような一般的な蛍光灯は微量の水銀しか使用してないので割れても心配ありません。

ポイント1

水銀は常温で液体でも、電気も通す立派な金属。

我々の身の回りでは蛍光灯にも使われているのだ!

早速、矢野トンは専門家と一緒に、銀メダル用の水銀を採取するため水銀鉱山に向かいました。果たして、水銀はどういう形で自然の中にあるのでしょうか。

なんと、辰砂(しんしゃ)と呼ばれる赤い鉱石に水銀が含まれているというのです。

実は、この赤い鉱石は水銀と硫黄の化合物。元々地下にあった水銀が、火山活動などで地表近くまで上がってきて硫黄と結合し、安全な結晶になったのが辰砂と呼ばれる赤い鉱石なのです。よって水銀鉱山は火山帯の近くに多くあり、火山帯が多い日本では水銀が豊富に採れたのです。

辰砂採取に乗り出した矢野トン。丸一日かかって、全部で11.5kgの辰砂を集めました。そしてこの辰砂を600度の炉の中に入れ、水銀を蒸発させて集めて冷やし、最終的に500gの水銀を取り出すことに成功しました。

さらに水銀の特徴と言えば、比重が大きいということ。なんと体重94kgの矢野トンをシーソーで持ち上げるのに、水銀が入った1リットル容器がわずか7本、つまり7リットルで持ち上がってしまったのです。

水銀は1mリットルで13.5g、つまり1リットルで13.5kgもあります。スタジオでは1リットルの水銀が入った容器を持った所さんもビックリ。「液体でこんなに重いのは見たことない!」と目がテンになっていました。

水銀に鉄アレイが浮く さらに水銀が入った水槽に色んな物を浮かべてみると、缶ジュースやパチンコ、レンガなども軽々と浮き、なんと重さ3キロの鉄アレイも浮いてしまったのです。それもそのはず、水銀はプラチナや金に続いて重く、銀や銅よりも重い金属だったのです。

ポイント2

水銀は銀や銅よりも重い金属だった!

鉄アレイが浮くのはもちろんのこと!!

 いよいよ採取した水銀で銀メダル作り。水銀の融点はマイナス38.9度なので、それ以下に冷やせば水銀をメダルの形に固められるのです。そこで、矢野トンは強力冷凍庫を使って採取した水銀をメダルの形に固めました。そして、完成した水銀メダルを所さんに渡そうとスタジオに持って来たところ、なんと持ってくる間に融けてしまっていたのです。

ゴールデン所さん しかし、そんなことではめげない矢野トン。代わりに、現在も汐留に飾られている、番組700回を記念して作られた所さんの実物大コンクリート像に、なんと水銀の力で金メッキをしようと考えました。実は、以前「大仏」の回でも紹介しましたが、水銀には金が溶ける性質があり、その溶かした液体を像に塗り、熱を加え水銀だけを蒸発させることで金メッキができるのです。

 そうして、矢野トンの手で生まれ変わった所さん像。スタジオでお披露目したところ、実はメッキ用の金が高価だったために、髪の毛とまゆげしか金メッキ出来なかったのでした。


辰砂を求めて徐福は 火山帯を 移動したのではないでしょうか???

空海が渡航費用を得たのは サンガと共に集めた辰砂の換金によると言われています。


http://www.joy.hi-ho.ne.jp/firstspace/dekigoto48.2018.5-8.html#%E8%BE%B0%E7%A0%82%E3%81%A8%E7%A9%BA%E6%B5%B7 【辰砂と空海】 より

君は「辰砂(しんしゃ)」だとか、表題には書かなかったが「丹生(にう)」だとか、そういう言葉を知っているだろうか?

鉱石=鉱物質の名前である。

中国由来の名前らしいが、日本でも産出される。邪馬台国の時代から採られているという。三重県多気町(たきちょう)、奈良県宇陀市(うだし)菟田野(うたの)、四国になるが吉野川上流などで採れたし、現在では大分、熊本、奈良、徳島などで産出している。

多気町や宇陀市、それに吉野川上流などというと、すぐに思い浮かぶのが中央構造線である。九州、四国、紀伊半島、中部、関東と日本列島を貫いている大断層である。多気町や宇陀市はその周辺にある。吉野川などは、中央構造線の真上だ。

「辰砂」とは、どんな鉱石かというと、

赤い石である。その赤が顔料にもなるし、(たぶん今は使われないだろうが)漢方薬の原料にもなる。それだけではなく、水銀の原料になるのだ。この石に熱を加えると水銀を抽出できる。水銀自体、昔、不老不死や防腐剤にもなっていた。

さて、空海である。空海も辰砂=水銀の鉱脈を探し求めたという。見つけて採掘すると、それを売ったらしい。売った相手は中国である。つまり空海は「山師」だった、ということが出来るのである。意外な発見だった。少し空海に対する印象が変わった。

空海の時代の前も、山岳宗教はあった。修験道である。役小角(えんのおづぬ)など有名だが、修験道も、上記で書いたことを思えば、やはり、山師=鉱山技師のプロフェッショナル集団だったのかも知れない。山岳修行と同じ情熱を持って金の鉱脈などを探し求めていた可能性はある。

丹生都比売神社(にうつひめじんじゃ)というのが、高野山からみれば北西に、紀の川まで行かないところにある。「丹」は朱砂(辰砂)のことで、その鉱石の採掘に携わった人々によって祭られた神社だというのだ。高野山や空海と関係がある。

空海が開いたという高野山も、地下には辰砂の鉱脈があるのかも知れない。

四国も「辰砂」の鉱脈がいっぱいありそうである。空海率いる山師集団は、吉野川や石鎚山あたりを中心に四国中を探索しまくったに違いない。

さて、「辰砂」、「丹生」などという、これまで知らなかった言葉を提供してくれたのは、テレビ番組である。TBS 世界ふしぎ発見  2018年 2月24日放送 「超人 空海 唐留学の謎に迫る!」。 番組の内容が衝撃的だったので、少し調べさせてもらったということだ。