千両役者、舞う!WHITE DIVISION 第6節 3回戦A卓レポート
8/6(土)21:02よりAbemaTV「麻雀チャンネル」にて放送された、RTDマンスリーリーグWHITE DIVISION 第6節 3回戦A卓の様子をお届けします。
対局者は、起家から順に
山田 浩之(日本プロ麻雀連盟)
石橋 伸洋(最高位戦日本プロ麻雀協会)
井出 康平(日本プロ麻雀連盟)
小林 剛(麻将連合μ)
レポートは、鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)がお送りします。
開始前の成績はこちら↓
最下位、井出康平は言った。
「ぼくには選択肢がない」
それはつまり、もう攻めるしかないということ。
そして、トッププロが集まったこの場所で選択肢がないことは、ほとんどの場合「敗退への筋書き」が記されていると言ってよい。
井出は、そんな筋書きに抗う。
状況が違えばリーチも十分あるが、井出の立場では、ここから打2pとし、三色を見てフリテン上等の構えを取るしかない。
そして、安目ながらツモアガリ。
これでトップ目に立つのだが、ここからさらに攻め込まねばならない井出は、オヤ番死守を狙わざるを得ず、石橋に8000放銃。
さらに、南3局のオヤ番でも、小林の3巡目リーチに押し返し、南をポンしてテンパイを組むと、石橋から追いかけリーチも入った一発目。
本来ならオリだ。
しかし、今の井出にそんな脚本は用意されていない。
用意されている物語は、これを押し、オヤ番を死守する、
そして、放銃するという筋書きである。
これで3着目でオーラスを迎えることとなった井出。
そこに、ラス目のオヤ小林から4巡目リーチが入る。
終わった。
筋書き通りだ。
ここからマンズ以外全部押して放銃。普通なら。
あれ?小林は4m7m待ちではなかったか?
とすると、押し続けても井出に放銃はないから、これは逆に井出にチャンスなのか!?
井出はここから5pを勝負。
次に、6pもいく!
薄氷でいい。
ほしいのは勝利だ。
敗退の筋書きから若干外れ、ヴィクトリーロードへ。
ブリリアントロードへ。
シャイニングロードへ。
そして、井出が6mを叩きつけた。
2m5m6m待ち。
文句なく倍満でトップ大逆転である。
誰が、この筋書きを想像しただろうか。
千両役者・井出が、敗退の脚本に抗い、輝かしき波乱万丈な物語を演じきった。
この後の筋書きも、やはりほとんどは敗退に向けた物語だが、井出はその物語に最後まで抗う!
鈴木聡一郎(最高位戦日本プロ麻雀協会)