Toast Titaniumを使わずSD2Fをマウントする
SD2F(.sd2f)とはSound Designer II formatのイメージファイルで、Toast Titaniumで「オーディオCDをディスクイメージで保存」するとこの形式で保存されます。昔からMacをお使いの方はこのSD2FでCDをイメージ化している人も多いと思います。SD2FひとつでCDそのままをイメージ化できるので便利なんです。
困ったことにMac OSをアップデートしたら、「直前のコマンドを実行できませんでした。原因:Mac OS エラー」とエラーメッセージが出て、Toast TitaniumでSD2Fがマウントできなくなりました。やばいですね。このままでは大量のSD2Fイメージが無駄になってしまいます。最新のToast Titaniumにアップグレードすれば治るのかもしれませんが、“SD2Fのマウントのためだけのアップグレード” に1万円以上払うのもアレなので、Toast Titaniumを使わずにSD2Fのマウントができないか調べてみましたが…やはりSD2FのマウントはToast Titaniumでなければできませんでした。
しかし、「XLD」と「DAEMON Tools for Mac」を併用で「マウントと同じようなことはできるんです」。
XLD
XLD(X Lossless Decoder)はMac用の音楽ファイルのデコード/変換ツールです。
私もハイレゾFLACをiTunesで管理するためにALACに変換するのによく使います。実は、XLDはマウントすることなくSD2Fを直接読めるんですね。長年使ってましたが今まで全く気付きませんでした。読み込んでそのままXLDでリッピングもできます。私はSD2FをリッピングできればOKなのであっけなく問題が解決してしまいました。これで今まで溜めに溜め込んだSD2FがToast Titaniumが無くなっても無駄になりません。リッピング時のエラーチェックもXLDは優秀ですので、今までの「Toast TitaniumでマウントしてiTunesでリッピング」より良いかも。
プラグインでSD2F出力もできます。プラグインの導入はコマンドラインで行いますが、「ターミナルでコマンド入力」がわからない方でも大丈夫。下記の方法ならGUIでできます。
プラグインのGUIでの導入方法
まず、Sd2f出力プラグインをダウンロードしてください。次にXLDを一度も立ち上げたことのない場合はXLDを起動してすぐに終了してください。これでPluginsフォルダが自動で作成されます。
【注意】下記の作業途中で、不可視属性ファイルが薄いアイコン表示でデスクトップやホームディレクトリに表示されますが、絶対に移動やリネームをしないでください。最悪OSが動かなくなる可能性があります。
1.ホームディレクトリに移動(ファインダウィンドウ横のユーザ名の家のアイコンをクリック)
2.[command]+[shift]+[.](ピリオド)を押して、不可視ファイルを表示する
3.薄く表示されている「ライブラリ」フォルダをダブルクリック
4.「Application Support」フォルダの中の「XLD」フォルダをダブルクリック
5.「Plugins」フォルダの中にダウンロードした「XLDSd2fOutput.bundle」を入れる
6.[command]+[shift]+[.](ピリオド)を押して、不可視ファイルを元に戻す(非表示にする)
7.XLDを立ち上げ、環境設定の出力フォーマットに「Sound Designer II」が追加されていればOKです。
環境設定の出力フォーマットを「Sound Designer II」にして、オーディオCDを開き、「一つのファイル(+cue)として保存」を選び「変換する(CDのアイコン)」を押せば、SD2Fに書き出されます。cueファイルも保存されますが、SD2F内にはcueファイルも含まれていますので捨てても構いません。
これでToastがなくてもXLDでSD2Fの読み込みと保存ができるようになりましたが、これではXLDでしかリッピングできません。私はこれでも問題はありませんが、iTunesなど別のリッパーを使いたいなどで「SD2Fイメージをマウントしたい」方もいると思います。それにはDAEMON Tools for Macを併用します。
DAEMON Tools for Mac
DAEMON Tools for MacはWindowsで有名なイメージファイルの作成/マウンターのMac版です。
マウントできないイメージは無いくらい多様な形式に対応できるDAEMON Tools for Macでも、残念ながらSD2Fはマウントできません。しかし、XLDでSD2Fを読み込んでDAEMON Tools for Macの「仮想バーナー」機能で作成した仮想CDドライブに焼くことで「マウントするのと同じようなことができます」。
仮想バーナーの「書き込み可能な仮想デバイス」をクリック。「サイズ:700MB(CD)」「フォーマット:MDX」を選び、「続く」をクリック。仮想デバイスの名前と場所はそのままで「ロード」を押してください。
「WritableImage.mdx」がデスクトップに現れてブランクCD-Rを入れたときのように「空のCDがセットされました」と小さなウィンドウが現れます。ここは「無視」をクリックでいいです。
あとはXLDでSD2Fを開いて「CDを作成」をクリック。作成に使う装置を「DiscSoft VirtualWritable」にしてディスク作成すればCDイメージがデスクトップにマウントされます。
仮想ドライブ焼き込み時に「Track 01: Offset mismatch?」とアラートは出ますけど、作成されたCDイメージをiTunesでCDとして聴いたりリッピングしたりと簡単な検証をしましたが、CDと全く同じように扱えました。特に大きな問題はないと思います。
別にDAEMON Tools for Macを使わずにXLDでSD2FをCD-RWに焼いてもいいんですけど…DAEMON Toolsを使う方が圧倒的に高速です。秒単位で終わります。試しにCD-RWにも焼いてみましたが「耐えられないくらい遅い」です。
SD2Fにこだわらなければ、DAEMON Tools for MacでMDX形式でオーディオCDのイメージ化ができます。手順は「ディスクをグラブする」をクリック。「フォーマット:MDX」を選び、CDをドライブに入れて「続く」をクリックするだけです。
MDXファイル1つで管理できるのはSD2Fと同じでいいのですが、MDXはDAEMON Tools独自の形式なので、DAEMON Toolsが無ければマウントできませんので注意してください。私はToastとXLDで開けるSD2Fの方がまだ汎用性はあるかなと思いますけど。
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「XLD(寄付で¥500)」と「DAEMON Tools for Mac(フルパックで$24.99)」でToast Titaniumとほぼ同じことが安上がりにできました。これでToast Titaniumとおさらばできて、OSのアップデートに怯えなくて済みそうです。