動物遺伝 -遺伝情報の活用ー
准教授 田中 和明
遺伝子多型と形質との相関解析を行っています。現在は、主に、マウス、ブタ、ウシ、イヌを対象にしています。遺伝子は、DNAの4つの塩基A,T,G,Cの配列によって構成されています。塩基に生じた相違を遺伝子多型とよびます。多型がアミノ酸を指定するコドン内に存在すると産物であるタンパク質のアミノ酸の配列に置換を生じさせることがあります。これによってタンパク質の立体構造に変化が生じ、結果として、特定の病気への罹りやすさや、成長速度、肉質など様々な形質に影響を与えるものがあります。遺伝子多型の1例として、イヌのインターロイキン13(IL-13)の63番目のアミノ酸をトレオニンからアラニンに置換する遺伝子多型を紹介します。IL-13は、様々な免疫システムに関わりが報告されています。
遺伝子は、DNAの4つの塩基A,T,G,Cの配列によって構成されています。塩基に生じた相違を遺伝子多型とよびます。多型がアミノ酸を指定するコドン内に存在すると産物であるタンパク質のアミノ酸の配列に置換を生じさせることがあります。これによってタンパク質の立体構造に変化が生じ、結果として、特定の病気への罹りやすさや、成長速度、肉質など様々な形質に影響を与えるものがあります。遺伝子多型の1例として、イヌのインターロイキン13(IL-13)の63番目のアミノ酸をトレオニンからアラニンに置換する遺伝子多型を紹介します。IL-13は、様々な免疫システムに関わりが報告されています。
(上)多型を検出したDNA塩基配列のエラクトロフェログラム
(下)哺乳類間でのIL-13の63番目のアミノ酸残基(p63)前後の配列の比較。この場所は、多くの哺乳類でT(トレオニン)に固定され、A(アラニン)となるのは、例外的です。私たちは、A型対立遺伝子が、約0.2以下の頻度で多くの犬種に分布していることを明らかにし、疾患への影響を調査しています