中国民話集 (岩波文庫 赤39-1) pdfダウンロード
2020.05.12 06:47
中国民話集 (岩波文庫 赤39-1)
本, 飯倉 照平
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ペーパーバック : 403ページ ページ
作者 : 飯倉 照平
出版社 : 岩波書店 (1993/9/16)
コレクション : 本
ISBN-10 : 4003203917
フォーマット : 文庫
発行日 : 1993/9/16
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解説によると、長くなる「鼻」は、「中国の昔話にはよく出てくるモチーフである」、という。収録されているもので言えば、「雲から落ちた刺繍靴」、「小さいドラ」がこれに該当する。芥川龍之介「鼻」に登場する内供も、こういう話を読んでいれば、あるいは、多少の慰めにはなったかもしれない。「小さいドラ」の一節。長い鼻をもとに戻すべく、どんどんドラをたたき続ける。「鼻よ縮め、鼻よ縮め」と口では言いながら。たたき続け、言い続けた。その結末が、ものすごい。どう、ものすごいか、それは、本書を手にとってご確認いただくことにする。もともとは仲がよかったのに、あるとき、仲たがいをしてしまい、いまにいたってもなお、仲が悪い。そんなモチーフも、よく出てくるらしい。なんだか、こういうモチーフには、仲たがいなどせず、いつまでも仲良くできたらいいものを、という古人の嘆息が秘められているような気がしないでもない。「仲たがいをした犬と猫」、「十二支の由来」(猫とネズミ、ニワトリと竜)、「猫と虎とネズミ」がこれに該当する。「人を食う蚊」は、おどろきだ。タイトルそのままだが、なんでこんな話が生まれたのか。まあ、確かに、蚊に血を吸われることを、蚊に食われる、と言わなくもないが。しかし、……着ている服を交換することで、身分も交換してしまい、自分の身を助ける、というモチーフもあるらしい。「羽根の衣を着た男」(皇帝と農夫とが服を交換し、農夫は助かる)と「エンマ様をぶち殺した農夫」(エンマ様と農夫とが服を交換し、農夫は助かる)がこれに該当する。服を交換しただけで、そんなに話がうまくいくのかい、と首を傾げたくなるが、しかし、それほど人は、偉い人のことをよくは見ていない、見ているつもりでも、見ることはできていない、ということなのだろう。「魚売りと仙人」。冒頭、乞食に身をやつした仙人の集団、その最後尾の仙人を魚売りが引きとめるくだりは、因幡の白兎と大国主命の話を連想させなくもない。「十人兄弟」。みんな誰にでも、一つはいいところがあって、みんなで力を合わせれば、なんでもできる、という前向きなメッセージかと思いきや、最後の最後で、めちゃくちゃが起きる。どんなめちゃくちゃか、それは読んでのお楽しみ。「幸せをさがしに」。「情けは人のためならず」を、そのまま物語にしたような、ほのぼのとした話。なんだか、ほっとする。